小池百合子東京都知事に聞く 2025年は9年ぶりの出生数増 就任から10年「人」に焦点を当てた施策を展開
ー2025年は都内出生数が9年ぶりに上昇したことが大きな注目を集めました。
「昨年1年間の都内の出生数の速報値は9年ぶりに1.3%増に転じ、また婚姻数については4.8%と2年連続で大幅に増加しました。東京都が行ってきた“チルドレンファースト”や女性参画の施策などが、新型コロナウイルスの大きな影響を受けながらも浸透し、成果が出つつあると感じています。私は2016年に知事に就任して以来、“チルドレンファースト”を政策の中心に据え、まさに“人”に焦点を当てた施策を続けてまいりました。大きな社会課題である少子化問題に取り組みつつ、多様な価値観や考えを尊重しながらそれぞれの皆さまのライフステージを切れ目なく支援する東京都の施策が、こうして数字として表れたことは特筆すべきことだと思います。今後も、希望する方々が安心して結婚や出産、子育てに臨めるよう、国との連携も一層強化しながら、必要な取り組みを積極的に行ってまいります。
2026年度においても、世界情勢が不安定で不透明な状況にありますが、一人ひとりが人生設計をするうえで選択肢が広がり、その選択によって夢の達成に近づけるよう、引き続き必要な施策を展開していきます。東京にとっても日本にとっても“人”が最も大切な資源であり資産です。その一人ひとりの思いを大切にしながら、『選べる環境』をつくっていきたいと思っています」
ー都は待機児童解消を目指しつつ、近年は幼児教育にも力を入れていますね。
「東京都は、子どもが笑顔で子育てを楽しいと思える社会を実現するため〈こども未来会議〉を設置しています。会議には、子ども施策の研究者やミレニアル世代の有識者などに参画いただき、従来の枠組みにとらわれない視点で、先進的な子ども施策の方向性を議論し、そこでの意見を積極的に都の施策に反映しています。
例えば、乳幼児期における他者との関わりが、その後の学びにつながることや、幼児教育の質の向上の重要性についてもご意見をいただいております。これらを踏まえ、すべての乳幼児が“すくすく”伸びる・育つ、そして好奇心や探究心の“ワクワク”を育む〈とうきょう すくわくプログラム〉を始め、2025年時点で3,000以上の幼稚園・保育所等が導入するなど、着実に広がりを見せています。子どもたちがのびのび、すくすく、ワクワクしながら育つことが、東京の未来を明るくしていくと期待しています」

ーまた2025年度は、都市総合力のランキング(「世界の都市総合力ランキング 2025(GPCI-2025)」(一般財団法人森記念財団都市戦略研究所調べ))で世界2位になるなど、東京の都市力も高く評価されました。
「東京がニューヨークを抜いて過去最高順位となる2位となり、1位のロンドンとのスコア差は過去最小となったことはうれしい成果です。文化や住みやすさなど、さまざまな面で東京の都市力が総合的に評価されたのだと考えています。これからも国際競争力の強化など積極的に取り組み、東京の総合力を上げていきたいと思います」
ー都市力の重要な要素である文化面では、今年開催される国際文化芸術祭も注目されています。
「文化芸術は、成熟した都市に不可欠な基盤だと考えています。東京都では、これまでも幅広い活動を支援し、東京の魅力の源泉であるアートシーンの拡大に取り組んできました。文化施策の予算はこの10年で1.9倍となり、203億円まで拡大しています。また、予算全体に占める文化予算の割合は、世界の文化先進都市と同水準まで引き上げています。
そして国際文化芸術祭『ARTE TOKYO』ですが、今年の秋から冬にかけて都内の各地で展開する多彩な文化芸術イベントを結び合わせて、東京の魅力を国内外に発信してまいります。コアエリアの一つとなる臨海地域での中心プログラムが『TOKYO ATLAS』です。世界の第一線で活躍するアーティストだけでなく、若手アーティストや若手人材にも光を当て、より多くの皆様がアートを楽しみ、身近に感じていただける機会にしたいと思います。“芸術文化都市・東京”を、国内外に強力に打ち出してまいります。
今年も“人”のための施策を行いながら、このような新たな活力創出の取り組みも行っていきたいと思っています」
(TOKYO HEADLINE)


