アナタはどの角度から見る?プリズムの様な面白さ『シン・ウルトラマン』【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

こんにちは、黒田勇樹です。

 取りあえず、三栄町 LIVE×黒田勇樹プロデュース 「黒田薔薇少女地獄」(仮題) の脚本の初稿が上がってホッとしています。ということで稽古も早く始まらないかなと思う今日この頃です。

 新作の告知もそろそろできそうなので、そちらもお楽しみに。

 今週はいろいろな意味で話題のあの作品です。

 では始めましょう。

黒田勇樹

『エヴァ』やら『シン・ゴジラ』やらで有名な庵野秀明監督が総監督を務める『シン・ウルトラマン』。
 もう、このイントロダクションの時点でお腹がいっぱいというか、僕の様な“スキモノ”には、情報量が多すぎるんですよね。

「アオイホノオ」という“エンタメ少年の聖書”を、読んでいただければわかると思うんですが、まず庵野監督は、ウルトラマンの大ファン。
 結構な数、あのポーズを取って写っている写真をお見掛けします。
 スーツアクター、もとい、モーションキャプチャーも自分でやっちゃってるし。

 これをさぁ、知ってるかどうかで、もはや全然作品の見え方が違いません!?

 逆にエヴァやらゴジラから庵野作品に入った人には「なんか古くさいな」と、思うであろう表現やテンポのシーンも、実は原作の雰囲気を十二分に再現していて「原作愛が溢れすぎちゃってる!」と、見えてくるわけです。

“空想科学”と、言えばいいでしょうか? ウルトラマンという世界線に対して、結構な科学的根拠を作中で示しているのですが、これも科学に詳しくなければチンプンカンプンで、詳しかったとしても「よくできてる」派と、「ふざけてる」派が、生まれるであろう、絶妙なさじ加減。

“庵野ファン”“ウルトラマニア”“特撮ファン”“映画ファン”“科学クラスタ”“一般客”…

「なんか話題だから観てみるか」という層から「ガチ勢」まで、「誰がどの角度から見ても楽しめる映画」。

 これって凄いことだと思いませんか!? いや、すげぇんだよ!
 まさにプリズム。見る角度によって輝き方が違うのに、どこから見ても美しい。

 各勢力が居酒屋とかで集まって語り合ったらめちゃくちゃ楽しいだろうな!

 俺は、エンドロールに「もう映画やんない」って言っててすごい寂しかった、原口智生監督の名前があったところで感動する角度から見てましたよ。

 まずは観て!そして、一晩中語り合おうぜ!
 そんな素敵な味わいのある映画でした。

黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23
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