バーフバリの生みの親ラージャマウリ監督の最新作『RRR』が、とんでもない!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 10月30日に演劇DUO福斗清☆ 旗揚げ公演「絶対にNTRれないオ・ト・コ」が終演しました。

 今年の下半期は舞台に出たり作ったり、ドラマも作ったり、バラエティーのロケにも参加させていただいたりと超多忙、いや超充実した時間を過ごさせていただきました。

 いや、下半期はまだ2カ月残ってるか…。ちょっとだけ休ませてもらってから、また動きます。その時はまたご連絡しますので。

 では今週も始めましょう。

黒田勇樹

 母に聞いて頂ければわかると思うのですが『ムトゥ踊るマハラジャ』ブームのずっと前、深夜に放送されるマイナーな映画を観あさり、小学生の頃から「次はインド映画が来る」と言っていた、無類のインド映画好きの筆者なのですが、今回観た『RRR』という映画は完成形というか進化系というか「インド映画の楽しさ」を、存分に残しつつ、まるで世界中の映画のサラダボウルみたいな作品でした。

 イギリス植民地時代のインドを舞台に、英国軍にさらわれた少女を救おうとする者と、大義の為に英国側の警察となった者、敵対する勢力であるはずの2人の男が、友情を結び、時には手を組み、またある時は敵対し…2人の運命と使命はどうなっていくのかというストーリー。

 このあらすじの時点でですね、“逆らえない運命”“男同士の友情”…まず「韓国映画み」を感じるわけですよ。で、2人が出会うととりあえず、“ナートゥダンス”を歌って踊り倒します。

「わーい!インド映画だ!」と、喜んでいるのも束の間、今度はフランス映画ばりのこってりした恋愛模様に、ジョンウーが撮ったかのようなアクション、後半にはハリウッドのモンスターパニックの様なシーンまでやってのけて、それが“全然、違和感ない”!!

 3時間越えという日本人の感覚からすると、かなり長い作品なのですが、様々なジャンルのテイストをジェットコースターの様なスピードで乗り換えながら(現実でジェットコースター乗り換えたら死ぬから気を付けて下さい)息をつかせぬまま、最高のラストへ連れて行ってくれます。

 筆者の独断ですが、インド映画は返還後に衰退してしまったといわれる香港映画の位置になり替わったと感じていて、そのインド映画で今、最も興行成績を伸ばしている作品が、イギリスの植民地時代を描いているというのも、感慨深いというか、“どエンタメ”として見せておきながら、裏ではそういうメッセージの走っている素敵な作品でした。

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23
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