教育番組を映画化!?『日本列島生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!』を、子連れで観てみた!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.13「シン・デレラ」が絶賛稽古中です。

 子連れ稽古も思った以上にうまくいっている手応えがありますので、ご期待ください。TOKYO HEADLINEさんにインタビューしていただいたんですが、そちらを読んで興味を持たれた方にもぜひ作品を見ていただければです。

 では今週も始めましょう。

黒田勇樹

 2才の息子を持つ昭和生まれの筆者が、子供の頃は「教育テレビ」「3ちゃん」と呼んでいたNHKの教育番組チャンネル「Eテレ」(あんま「2ちゃん」て呼ぶ人いないよね)。

 番組のクオリティも高く、大人でも好奇心を満たされるし、なによりも真剣に観ている2才をみると「人間には、本能的に知的欲求があるんだな」と思わされます。

 そんな中、色々な生き物の生態などを紹介してくれる番組「ダーウィンが来た!」が、映画化されたということで、未就学児童可の上映を狙って、子連れで観に行って来ました。

 子供向けの動物ドキュメンタリーと言ってしまえばそれまでなのですが、今回は「日本の動物」をフォーカスした内容になっており、縦に長く様々な地形や自然環境を抱え、更に、四季折々で変化していく日本特有の景色を、大画面で観ることができる時点で、かなり満足度が高かったです。

 特に空撮と、海関連のシャチとかワシの映像は、とても良かった。

 知識面でも「カエルが自動販売機に住む様になったのは、夜明るくて、虫が向こうから来るから」とか、大人でも十分、楽しめる。

 映画って、ドキュメンタリーでもある程度ストーリー性が必要だと思うのですが、四季の様々な動物たちを追いながら、時々挟まれる「クマの双子」の成長物語が、下手に名前を付けて呼んだり、感情を代弁したりせず“海外のドキュメンタリーほどウザくなく”いい塩梅に飽きさせない構成でした。

 難しかったのは、アニメなどの子供向け上映と違って「あれ、これ、声、出さない方がいい感じ?」みたいな空気があって、クイズコーナーなど、10秒間のシンキングタイムが設けられるのですが、その間に、親子で「なんだと思う?」みたいなコミュニケーションがとりづらく、まだ2才のうちの息子に至っては「ヘビ!にょろにょろ」とか、僕に教えてくれるのですが、周りが静かに見てるので、大人側がそれにどこまでリアクションしていいのか悩む場面があったこと。

 アニメ映画だと「がんばれー!」とか言えるタイミングが、作品の中で上手に誘導されてるんですよね。

 もしくは劇場側が「発声上映」みたいに、公式でアナウンスしてくれると堂々と声が出せるし、こういう内容は出来れば、そうやって観たい。

「未就学児童可」の「子供がいるから喋ったり騒いだりしても仕方がない」という、今まで暗黙の了解だった部分にも、作品ごとにレギュレーションを設ける必要があるのかな、と、思わされました。

 ともあれ、100分間、40才も2才もずっと釘付けになって観れた良作なので、自然と触れ合う機会が減っている今、是非皆さん親子で劇場へ遊びに行ってみては如何でしょうか?

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
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