伝説の手塚漫画がアニメ映画化!『火の鳥 エデンの花』を観た!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

こんにちは、黒田勇樹です。

 すっかり衣替えのタイミングを逸してしまった気がします。というか、衣替えなんで概念は必要なのかと思ったりする今日この頃です。

 なんやかや言うて、そろそろいろいろと忙しくなる季節ですので、皆さん、お体に気をつけて。

 では今週も始めましょう。

『火の鳥 エデンの花』 11月3日(祝・金)新宿バルト9他全国ロードショー 配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ ©Beyond C.

『火の鳥』といえば、日本の伝説の漫画家、手塚治虫先生の代表作。いや、代表作というより“ライフワーク”か。
“生命”や“宇宙”、“人間の業”といった「手塚哲学」が散りばめられた作品群。

 そんな長編であり、未完のシリーズが、ここへ来てのアニメ映画化。

 手塚先生は、アニメに対して「ディズニーに並びたい!」と、自身のスタジオを立ち上げ、安価で仕事を受けまくったから、世界中の漫画家とアニメーターのギャラが下がったという逸話の持ち主(真相は不明)。

 没後30年を超えた今、映画化された自作を観られたら、どう思われたのでしょうか。
 こちらも“伝説”の歌手、尾崎豊さんが、ライブでオーディエンスが、サビを一緒に歌い始めたら「俺の歌だ!唄うな!」と、言ったとか言ってないとか、本物のアーティストたちは“こだわり”が、イカれているらしいです。

 なので、手塚ファンである筆者は「これを観た手塚先生の反応」が気になってしまい、終始ヒヤヒヤしてしまったというのが正直な感想です。没後のリメイクは、本当に「観る側の感情」が難しい。

 作品自体は、かなり現代的な変更が、作画にもストーリーにも施されていて、キャラクターは、かなりポップなデザイン。
 ストーリーは、原作で“絵”でしかできない哲学的な表現が、少し薄まってしまっていた印象。

 宮沢りえさんや窪塚洋介さん、イッセー尾形さんなどの有名芸能人の声優起用も、ハナにつかない素敵な演技で、とても観やすかったです。

“観やすい”か“難しい”かって、どっちも“面白ろ”くて、結局、観る側の感覚なんですよね。

 映画というものは“大衆”のモノなので、世間がこれを傑作と認めれば、是非、全シリーズ映画化の流れになって欲しいですが(小説で続編も出たそうですし)、そうならなかった場合、現在の若者たちに「へぇ、これが火の鳥なんだ」と、思われちゃうのは、ちょっと残念な気がしました。

 この映画を入り口に、是非漫画にも手を出してみて下さい。

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
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