SSFF&ASIA2025参加作品 こんな正統派なホラーを久しぶりに観た!茄子をモチーフにしたホラー映画『茄子の丑 』を茄子嫌いが、観てみた!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
舞台も終わり、束の間の凪の時間を過ごしているのですが、早くも次の台本を書きたいモードになってしまいました。
AIと遊んでる場合じゃないぞ、俺。でもAIは上手く使えば、結構使える奴なんですよね。
さあ今週も始めましょう。

まず、前提として筆者は「茄子」という食べ物がすごく嫌いです。ぐじゅっとした食感と、皮のアクが嫌で苦手だったんですが「なんの栄養価もない」という学説を読んで、それを盾に、親などにも「食べる必要ないじゃろがい!」と言っていたのですが、数年後「ナスニン」という栄養素が発見されて「食べたほうがいいよ」という話になったのですが、ナスニンの主な効用はあくまで聞いた話ですが「女性のガンの予防に効く」らしくて。結局「んじゃ、ワシが食う必要ないやんかい!」ぐらいの“生涯の敵”である「茄子」。
この「茄子」をテーマにして、その上、今回ホラーのジャンルにもフィーチャーしているSSFF&ASIA2025参加作品。
「短い時間で、世界に茄子の恐ろしさ伝えられるわけ無いだろ!」つって、観てみたところ、純然たる正統なホラー映画でした。
急に後ろから、肩叩かれたりとか、木造の建物がギィって鳴ったりカラスがカァカァ鳴いたり、本来映画的にはセオリーとしてやっちゃいけない「カメラは撮影対象に対して、このラインを越えちゃいけない」といわれている“イマジナリーライン”も、効果的にガンガン越えることによって観客の不安を煽るテクニックなど、ちょっと映画の勉強していた人が見たら「真面目か!」って、突っ込みたくなるような、文法で撮影されていました。
「茄子が嫌い」と、言うと「トマトは平気なのに?」と、言われて上手く返せないことが多いのですが、この映画にはその答えも描かれていて、しかも本当の恐怖は、そのトマトと茄子の関係の先にあるという、恐ろしい文学的な解釈が提示され、乱歩や金田一のような「文学的な恐ろしさ」が、ありました。
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