ゴダールの思考に迷い込む!日本初開催の王城ビル《ゴダールの『イメージの本』について》展

 ジャン=リュック・ゴダール監督の最後の長編作品『イメージの本』(2018)を再構築し、日本初開催となる映像インスタレーション《感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について》展(以下、ゴダール展)が、新宿・歌舞伎町の王城ビルでスタートした。

新宿・歌舞伎町の王城ビルでスタートした《感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について》展(第1章「リメイク」より)

 ゴダール展は『アワーミュージック』(2004)からゴダール作品に携わり、晩年の監督の右腕として活躍したスイスの映画作家、ファブリス・アラーニョ氏がアーティスト/キュレーターを務めた映像インスタレーション。スイスのニヨンで初開催の後、ゴダール監督との共同制作のもとベルリンに巡回し、この度日本で開催される運びとなった。

 ゴダール監督が新たに撮影した映像にさまざまな映画、音楽、小説、アートなどをコラージュし、一世紀以上にわたる歴史、戦争、宗教、芸術などの変遷を振り返る『イメージの本』。作品は第71回カンヌ国際映画祭(2018)で、パルムドールを超越する映画祭史上初のスペシャル・パルムドールを受賞した。同展では5章立ての1部と2部で構成された作品を解体、再構築して50以上のスクリーンやモニターを使い上映・展示。瞬間ごとに流れる映像の組み合わせが変化していき、ゴダール監督の思考の森に没入するようなインスタレーション展示となる。

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