未開の地を行く“ハイブリッドパフォーマー”武知海青「東京ドームにアーティストとレスラーの両方で立ったことがある人って多分いないと思うんですよ」

(撮影・蔦野裕)

スポーツや音楽の世界の素晴らしさを伝え続けられたら

 プロレスラーというのはリング上の戦いはもちろんですけど、マイクパフォーマンスとか日頃のこういう取材などで戦い以外のこともメッセージとして伝えていくことも相当大きなウエイトを占めていると思います。リング上ですごくいい試合はするんだけど、マイクが下手でいまいち伝わらないとかもあるじゃないですか。そこに関してはどういう意識を持たれていますか?
「思ったことを素直に伝えたいなと思いますね。アーティストをしている立場でマイクを持った時はどうしてもきれいな言葉で分かりやすく伝えたいなっていう思いが強いんですけど、プロレスの時は戦い終わった後とかはどうしても悔しかったりとかうれしかったりと感情がすごく乗っているため、それはもう素直にその感情を持ちながら伝えていきたいので、結構違う感じになるのかなと個人的には思います」

 アドレナリンも出て、ちょっと体も痛かったりすると、ものすごく汚い言葉も出てくる可能性も?
「出るかもしれないですね(笑)。でも相手から言われないと多分出ないと思います。あおられたらもちろん、1で来たら100で返すぐらいの気持ちではいますので“ふざけんなよ”みたいなことも言えると思いますね。デビュー戦の時がまさにそれだったと思います。岡谷選手に言っちゃったんで」

 リングの上は先輩も後輩もないですからね。逆に言うとそこで今まで聞いたことのない言葉が出てきたら、ファンからすると「武知君、今日は大変だったんだな」と思いますよね。
「ははは。そうですね」

 今回の入団については「いったいどのくらい関わっていくんだろう?」とみんなが思ったと思うんですが、お話を聞いているとかなりがっつりなんですね?
「本当に自分が触れてみて伝えたい世界だし、本当に素晴らしい世界だなと思ったからこそ自分も続けたいと思っているし、現在もやっているので、やっぱりプロレスを見たことない方に見続けてもらうことが僕の宿命じゃないですけれども、やるべきことだなとすごく感じています。今後もどの活動にも真摯に向き合いつつ、僕が関わる世界を見たことない方にどんどん触れてもらって、スポーツや音楽の世界の素晴らしさを伝え続けられたらいいなと思います」