中高生の居場所づくり「中高生自身が一緒に作っている感覚を持てるように」第15回こども未来会議

「第15回こども未来会議」が9月11日、都庁で開かれ、小池百合子都知事をはじめ、さまざまなバックラウンドを持つ委員が出席し、多様な「子供の居場所」創出をテーマに意見交換した。
社会の変化やライフスタイルの多様化で、自宅と学校に続く子どもたちの居場所の創出は都や市区町村の課題のひとつになっている。この日は、小池都知事が冒頭のあいさつで「小学校よりちょっと上のユース世代の子どもたちが思い思いに過ごせる居場所の確保も重要」と触れたように、中高生の居場所に焦点を当てて現状の共有や意見交換が行われた。
会議では、文京区の中高生向けの施設、文京区青少年プラザ「b-lab(ビーラボ)」の館長を務める山本晃史氏が施設や利用する中高生の様子を紹介。同施設は、計画時から区の中高生からアイデアを吸い上げて作られており、勉強スペースや談話スペース、卓球などのスポーツができる運動スペース、音楽スタジオ、演劇やダンスの練習から発表もできるホールなどがあり、登録を済ませれば、誰でも使える“秘密基地”として、利用者も増えているという。

山本氏は、中高生は揺らぎのなかで生きているとし、「周りの評価だったり人間関係ですごく悩んだりすることが多かったり、パッと見では捉えきれないいろんなことを抱えながら生きている」。それと同時に「出会いや知ったことによって、どんな自分にもなれる可能性がある」という。
施設では、それぞれ自分のやりたいことを追及したり、利用者同士が趣味や興味などを通じて学校や学年を超えて仲良くなったりする状況があるという。また、現役大学生を含む運営スタッフがおり、中高生たちから「今日、こんなことがあってね……」という話を聞いたり、一緒に施設の運営について考えたりもしているという。
山本氏はこうした中高生向けの施設には、「ありのままの自分を受け入れてくれる安心安全な空間」、そして「大人になる準備をしていく空間」というふたつの側面があるという。そのうえで大切なのが、大人が一方的に作って提供するのではなく、中高生自身が一緒に作っているという感覚が持てることで、それによって場所が居場所になってくるとした。