東大大学院・開沼博准教授らが福島県浜通りのイノベーションを語る「福島・浜通りの今」

交流会で乾杯の音頭を取る鈴木正義室長補佐(左)と吉田学代表

 山本氏は富岡町でアーティストの宮島達男氏の作品を常設する美術館「時の海-東北」の設立サポートや、小中学校で各界のプロが「プロフェッショナル転校生」として学校生活を共にする事業を展開。姜氏は復興庁の復興・創生インターンシップ事業をきっかけに継続的に葛尾村と関わり、葛尾村を舞台に大学生向けの地域滞在型ハッカソン「かつらおハッカソン」を実施。浪江町出身の松永氏は、東日本大震災で途絶えそうになった実家の大堀相馬焼の窯元「松永窯」の再建と共に、伝統工芸品の企画・ブランディング・海外展開や地域のプロデュース事業にも携わっている。

 松永氏は「復興に携わって十数年、次の若い世代に思いや失敗をつなげていかないとと思っている。まだ浪江町に行ったことのない人はぜひ足を踏み入れてほしい」、山本氏は「コロナ禍の時にそろそろ東京はいいかなと思い始め、いろんな地域でアートプロジェクトをやらせてもらう中で、もっと長いタームでチャレンジに値する地域はどこかと考えた時に福島だなと思った」、姜氏は「ReLU Branchの立ち上げに至るまでにいろんな方が事例を作ってくださり、そこでバトンを受け継いだという感覚を大事にしていきたい」と明かし、それぞれの多拠点生活についても語り合った。