古舘伊知郎『夜ヒット』盟友と昭和音楽祭「“四次元殺法” は忌野清志郎さんにかなわない」

 昭和元年から100年目にあたる “昭和100年” の今年。TOKYO MX 開局30周年記念「古舘伊知郎×友近 presents 昭和100年スーパーソングブックショウ~昭和のベストヒット・グラフィティー~(以下、昭和100年スーパーソングブックショウ)」が10月16日、東京国際フォーラム ホールAにて開催される。MCを務めるフリーアナウンサーの古舘伊知郎に意気込みを聞いた。

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TOKYO MX 開局30周年記念「古舘伊知郎×友近 presents 昭和100年スーパーソングブックショウ~昭和のベストヒット・グラフィティー~」のMCを務める古舘伊知郎(撮影:蔦野裕)

“昭和の人の昭和の人による昭和の人のための音楽祭”

 フォーク・ロック・歌謡ポップスなど昭和を彩ったヒットソングの数々が豪華アーティストによってよみがえる夢の歌謡祭。インタビュールームに現れた古舘は、まず演出・プロデュースを務める木崎透氏との奇縁を語り始めた。

「木崎とは中学・高校・大学の同級生で『夜のヒットスタジオ(DELUXE、SUPER)』の司会と構成作家というコンビなんです。不思議な縁ですよね」

 オファーを受けた理由を「木崎が演出をやっている段階で断れないだけ(笑)。この年になるとずっと舞台に立って司会をやるのもしんどいので、正直逃げちゃおうかなと思うずるさもあるんですけど木崎がやっているから逃げられない。はっきり言って強制労働です」と毒づき、盟友との関係性を「人生の節目、節目で濃密に縁がある。『夜ヒット』の時は毎週会ってましたけど、お互い個性が強くてぶつかり合うので普段は知らんぷりして。いざとなるとロシアとウクライナみたいにガッと対決してスッと和平調停に入ります」と例えた。

「僕が勝手に思っているコンセプトは “昭和の人の昭和の人による昭和の人のための音楽祭”。ある意味、みんな昭和にタイムスリップしたいわけですから、昭和以外の平成生まれの方はもう出禁ですよ(笑)。それくらいの気持ちで会場を昭和で埋め尽くそうという企画。凝りに凝った音楽で、いい楽曲をさらにいい音で聞かせようという、添加物一切なしの “オーガニック音楽祭” です」

 その音へのこだわりを「今回は完全なアナログバンドで相当な腕利きのミュージシャンたちが演奏します。全アーティストを呼んでプリプロ(プリプロダクション=事前レコーディング)を行い、カラオケを作って歌ってもらって、キーの調整を含めて一回全部作り込んで。それを同級生の白井良明さん(ムーンライダーズ)がアレンジして、今度は生で再現するわけですよ。ザッツ昭和の歌が歌われるので、曲を聞いただけでタイムマシンに乗れる。速やかにリニアモーターカーに乗って、ハイスピードで昭和にタイムスリップしてもらおうというのが狙いですから」と解説。

「ポスタービジュアルなんかザ・フォーク・クルセダーズの『当世今様民謡大温習会(はれんちりさいたる)』というライブアルバムのジャケット裏面のデザインを思わせる。僕は中学1年の時に『ハレンチ』というアルバムを買ったんですけど、あまりにジャケットが格好いいのでそのまま丸写しして、夏休みの宿題で提出したら美術の先生から “君は才能がある” と言われて特Aをもらいました(笑)。同じクラスの隣の席に木崎がいたわけで、このポスターは昭和に戻ろうっていう合図だと思っているんです」

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