WOLF HOWL HARMONYが「収穫があった」2025年を締めくくる新曲で聴かせる等身大の自分

“いつもならしないこと”から得たもの
ーーいつものチームならそれぞれが持っているものを知り抜いていて改めてする必要がない作業なのだろうなとは思うんですが、その一方で、改めていつもはしないその作業をすることで新たな発見がありそうですね。
GHEE:サビに関しても、それぞれがきちんと歌った4パターンが最初にあり、その中から曲に合う形でパズルのように組み合わせていくというイメージです。自分の場合は、他のパートの歌詞も入ってるとその前後の歌詞と自分の歌詞がリンクするんで、もしかしたらここの言ってることが自分のこの歌詞につながってるのかな、みたいなのはあります。例えばサビの<味覚が変わっても想いは変わらないよ>ってところは、後に出てくる<君と味わった痛みをぎゅっと噛みしめて>とちょっとリンクしてたりするのかなって。そうなると、後のパートを先に歌っていたりするとつながりが分かるので自然と歌い方も変わってきます。
SUZUKI:GHEEちゃんが言ったとおりで、どう歌おうかより考えるようになるよね。その内容や感情みたいなところまで表現しようと思うようになるから……
RYOJI:そういうことが試せるっていうのはすごく良かったと思います。そのうえで僕は、意図的にレコーディングしたみんなの声を聴かないようにしてました。自分の感覚よりもチームの方々の方がより鮮明にイメージが見えてると思ったので。

みんな等身大の自分が歌えてる
ーー楽曲を仕上げていく中で、特に大切にしたことはありますか。
RYOJI:まずは、この曲は個性のバトンをつないでいかないと聴き流しソングになりすぎてしまうんじゃないかと思ったので、そのことを共有してからレコーディングに臨んでいます。そして個性というものを最大限に出せるよう集中して、僕は「自分で歌う」ということを心がけています。この曲は人生を歌ってる曲。今までの人生が声色に乗ると思ったし、歌声に関しても息もかなり入れながら結構ローな感じ。それが、自分っぽくていいかなってチームの方々と喋って。聴いていただけると、自分のパートは“THE RYOJI”の声質になっているんじゃないかなって。これまでの楽曲よりも男臭さが出てるし、歌詞のキャラクターにもフィットしていると思います。これがSUZUKIだったらSUZUKI、GHEEちゃんならGHEEちゃん、HIROTOならHIROTOにも起きている。みんなそれぞれ等身大の自分が歌えてるところが気持ち良かったなって思います。
GHEE:僕もそうかなあ。素直に歌うって感じ。それに尽きます。
SUZUKI:僕も似てる。

HIROTO:僕が意識したのは、自分のやるべきことをやること。最初に全員がほぼ全部歌った状態で本番に臨んでいるので、歌い分けが本当に適材適所というか。自分が任されたパートで自分しか出せない色を出して、次につなげる。それが自分の役割だなと思っています。
SUZUKI:あとは、改めて言うことでもないですが、言葉をしっかり大切に伝えるってことですね。

ーーこの曲は余白があるというのか、受け取る人に委ねられている曲だなと感じました。聴いている人が自分のストーリーを加えて完成させていくような曲だなと。…だからこそ歌詞を届けることがより大切だと感じました。
SUZUKI:まさにそう。言葉がしっかり残し、その言葉で想像してもらえるような、そういう歌が歌えればいいなって思いました。より言葉がしっかり入ってくるように、その言葉のニュアンスだったりとか、ひとつの言葉が持っている感情みたいなもの、その表現を意識しながら歌いましたね。
RYOJI:この曲は3分なくて。そのなかで楽曲の世界観、メッセージをどう伝えるかってなると、そういう本当に細かい部分になるなと思います。
ーー最近2分半ぐらいの楽曲が主流ですけど、そのサイズにしてはテーマが壮大……ともいえるのに、とてもバランスよい形で完成されていると思います。

