【インタビュー】Hey! Sɑy! JUMP 伊野尾慧「いつか建築で作品を残したい夢がある」建築学専攻の視点でガウディ建築の魅力を紹介!
『ガウディ没後100年公式事業 NAKED meets ガウディ展』の公式アンバサダーを務める伊野尾慧(Hey! Sɑy! JUMP)。建築学科出身の伊野尾が、ガウディ建築の魅力や、多忙を極めるアイドル活動と並行して建築学を学ぶ中で得たものを語った。
建築学科出身ならでは「ガウディの学生時代の図面でテンションが上がりました(笑)」
―大学では建築学科専攻、さらに大学院に進み幅広い視点で建築を学んだ伊野尾さんですが、ガウディ建築との出会いや、その印象は?
「サグラダ・ファミリア自体は、大学生になる前から存在は知っていました。未完の建築としてとても有名で、誰もが知っている“夢のある建築”という印象ですよね。大学の授業でも、今回の展示にも出てくる逆さ吊り設計の考え方や、ガウディの代表的な建築作品に触れる機会が少しありました。ただ当時は“曲線的なデザインだな”という印象が強かったんですが、今回の展示を通して、ガウディが自然豊かな環境で育ち、その幼少期の体験が建築デザインの大きな要素になっていることが、すごくよく分かりました。塔の先端がニンニクの形になっているなど、自然のモチーフをとても直接的に取り入れている部分も多くて。正直、これほど自然のモチーフが取り入れられているとは意識していなかったので、新鮮でした。
展覧会では、ガウディがデザインしたドアノブのレプリカに触れるコーナーもあるんです。ガウディの作品はデザイン性に富んでいて、そういうものって実際には使いづらかったりするじゃないですか。でも実際に触ってみると驚くほど機能的で、手にしっかり馴染む。これまでは、見るだけだったり、授業で学ぶだけだったガウディのデザインを、触ったり、自分がシミュレーションしたりと、実際に体験できるのがこれまでにない展覧会の魅力だと思います」
―好きなガウディ建築は?
「サグラダ・ファミリアはもちろんですが、グエル公園もすごく面白そうだなと思いました。公園のエントランスにある、あの有名なトカゲ『エル・ドラク』も写真でしか見たことがなかったのですが、本展の実物大オブジェを見たら想像以上に大きくて。現地では子どもが乗ったりするそうで、それくらい今も親しまれるデザインなんだなと思いました。また、そのトカゲには、ガウディが編み出した、タイルをモザイク状に貼る“トレンカディス技法”が使われていて。今ではSDGsという考え方がすごくポピュラーになっていますけど、当時、産業革命によって生まれた廃棄物、例えば割れてしまったタイルなどを装飾として再利用するというのは、とても画期的だったんじゃないかと思います。それまでタイルというと、直線的で平面的なデザインが中心でしたが、ガウディは、割れたタイルをモザイク状に使うことで曲線的で色彩豊かな表現を生み出した。今では当たり前の表現ですが、当時としては本当に画期的なことだったんだなと改めて感じました」
―建築の展覧会というと一見、難しそうですが…。
「今回の展覧会はネイキッドさんによる映像演出やインタラクティブな仕掛けを通してガウディ建築の魅力を体験できるので、お子さんから大人の方まで、幅広く楽しんでいただけると思います。僕が特に面白いと思ったのは、ガウディが考えていたことを“実体験”できるところです。ガウディの初期作品は比較的、直線的なデザインが多いんですが、そこからどうやって自然の要素を取り入れ、曲線的なデザインへと変化していったのか、その変遷をたどれるのがすごく興味深かったです。小さな模型のようなモジュールを触って、直線の構造からどうやって曲線を描くのかを試せる展示もあって、ガウディが試行錯誤していった過程を見ることができる。実際にモジュールを触って試せるので、建築に詳しくない方でも気づきがあって、十分楽しめると思います。
建築好きの方や建築を学んでいる学生さんなら、ガウディの図面も印象的なんじゃないかな。ガウディの学生時代の図面のレプリカが展示されているんですが、僕はそこでかなりテンションが上がりました(笑)。図面を引くとき、学生のころは機能的かどうかにとらわれがちなんですけど、ガウディはそのころから装飾への意識が強くて、図面への描き込みがすごいんです。すでに学生時代から装飾にも意識が行き届いている点に格の違いを感じました」
―そんな伊野尾さんの目から見た、ガウディ建築の最大の魅力とは?
「自然の摂理に則りながらデザインされているところが、いちばん面白いなと思います。すごく独創的に見えるんですが、その根幹にあるのは自然の理に沿った考え方で、そこから形を描いているんですよね。一般的には、デザイン性を豊かにしようとすると機能性が失われがちだと思うんですが、ガウディの建築は、デザイン性を高めながらも機能的で、なおかつどこか自然的でもある。そのバランスが大きな魅力だと感じます。人間が生み出すデザインは、ときに無機質だったり自然になじまないものになったりしますが、ガウディの建築には常にどこか自然を感じさせる要素がある。そこがとても特別だなと思います」

