市川右團次×真風涼帆「終演後に、芸術を語り合ってほしい」 EXシアター有明こけら落とし公演『AmberS -アンバース-』で共演
ーー数年後、この『AmberS -アンバース-』という公演がお二人の人生においてどのような存在になりそうですか
真風:作品自体もそうですし、新しい劇場でのこけら落としとか、本当に話題性がたっぷりな注目度の高い作品だと思うので、そこに携われることも光栄ですし、素敵な作品に仕上がり、たくさんの皆様に見ていただきまして、皆様と私にとっての宝物になるような舞台になればいいなと思います。
右團次:人生においてこけら落とし公演に出会えるってそうあるものじゃないですし、有明という場所に文化と芸術の拠点というのが一つ出来上がるということは大変なことだと思うんですよね、これだけ規模も大きいですし。話題も大きい中で歌舞伎の人間として一人だけ入らせていただいているので、すごく影響や経験をいただけると思います。その経験を歌舞伎の世界にも持ち帰って還元させていただければと思いますし、輝く琥珀のような大切な経験にしたいですね。今回まとめて2カ月間稽古をさせていただいての初日を迎えるわけじゃないですか。この稽古期間はなかなか歌舞伎では経験できないですし、久しぶりに歌にも挑戦しますので若い方々と一緒に化学反応も生まれると思います。
ーー2カ月間の稽古を得て初日の幕が開けた時の景色はどのように見えるのでしょうか?
真風:初日は私たちのもつ緊張感もありますし、「どんな作品なんだろう」というお客様の感情によっても会場の雰囲気が少し違ってくるように感じます。次に誰が出てくるか、どんなシーンが待ってるのか、結末がわからない分、お客様のリアクションや呼吸も伝わってくる感じがあって面白いです。
右團次:そうですよね。僕らってお客さんの反応によって、熱くなったり冷めたりする分類の人間たちだと思うんですよね。ショーアップされている部分もあるし、ライブのように観客席参加型の舞台だと思うんですよ。僕も宝塚を拝見しに行ったりもするんですけど、昔は観客席から声がかかっていましたからね。最近声援はないですけど、拍手があるじゃないですか。登場シーンだったり、退場シーンだったり、お客さんとのコミュニケーションを取りながら作っていく。だから日々違うし生き物のような感じなので、今回はどうなんだろうなっていうね、それは。お客さんもちょっとイメージできないところもありますよね。主演のお2人が所属している事務所のSTARTO ENTERTAINMENTさんのお客様は、舞台を観劇される際は静かで品がよく、作品を一生懸命ご覧いただけるイメージがありますが、今回は宝塚や歌舞伎のように一体となって盛り上がりたいですね。
ーー今回の衣装を手掛けるのはドラマや舞台衣装で大活躍されている柘植伊佐夫さんですが、いかがですか。
真風:デザイン画を拝見しただけでも、どのお衣装も本当にカッコ良くて、今からとても楽しみです!ヒルダは想像していたより女性らしい雰囲気で、実際に袖を通せるのが待ち遠しいです。
右團次:僕のもかっこいいですよね。
真風:ヴィンガスさんもとても強そうです。
右團次:衣装の世界観があり、かっこいいので皆さん楽しみにしていてほしいですね。
ーーそしてこの作品の脚本は加藤シゲアキさんが手がけられています。
真風:先ほどもお話にありましたが、どの役も魅力的に描かれていて。限られた時間の中で、登場人物たちが後半に向かってどう回収されていくのか、その流れが本当に見事だなと感じました。舞台上で体現されたらワクワクするような場面がたくさんありますし、ヴィンガスさんも非常に強い存在感があって、物語に大きな推進力を与えている印象でした。どのキャラクターも本当に濃くて、さすがです。
右團次:それとやはりこの壮大な不老不死というテーマ、とても普遍的でもあるようなテーマを描いていく中で、この構成をされたっていうのがすごいですよ。最終的に観客席に問いかけるような作品ですよね。何が正しいんだろう。不老不死を望むことが正しいわけではないかもしれないし、正しいかもしれないし、それはご自身が考える余白を残した上でもすっきりと完結している素晴らしい才能だと感じています。終わった後で、ぜひ、東京ドリームパークのガーデンレストランで芸術を語り合ってほしいですね。

