東日本大震災から15年 大事にしたい、福島を知り続けること

展示物や展示にスマホやタブレットを向ける

東日本大震災・原子力災害伝承館で当時を知る

 この15年で、少しずつ新しい未来が鮮明に見えてきた。まだ人が住めないエリアにも、特定復興再生拠点を作り、そこから復興を進めようという取り組みが進められているという。

「東京の子も福島の方も一緒になって、楽しみながら勉強してもらえれば。今日の経験を明日に役立てようって、余裕がある子たちはメモなんかも取っていくといいんじゃないかな」。

 いわき市役所の職員にそう送り出された小学生たちは、バス2台に分乗して次の目的地へ。視界を遮る高い建物がない平たい景色の中をゆっくりと走る。車窓からは少し遠くに海が見える。とても静かだ。

 ほどなくして到着したのはガラス張りのきれいな「東日本大震災・原子力災害伝承館」。県立の震災伝承施設で2020年9月20日に開館した。震災当時のさまざまな映像、ねじれた交通標識や震災後に手助けをしてくれた外国からのメッセージなどの展示品で、しっかりと震災や原発事故について記録し、伝える。

 子どもたちはタブレットやスマートフォンを手に元気よくバスを飛び出すと館内へ。夕方に訪問する先で使う写真を撮影するためだ。地域と東日本大震災と福島第一原発事故の関係についての説明を聴きながら、子どもたちは自分の心を揺さぶる展示を見つけて写真を撮った。

 保護者や大人たちが震災の傷跡を記録する展示物の前で足を止める一方で、子どもたちはぐんぐんと順路を進んでいくのが印象的だった。多くのチームが足を止めていたのは展示の最後の方にあった外国から寄せられた支援やメッセージのコーナーだった。写真を撮ったり、説明文や展示物のメッセージを読んだりメモを取ったりしている姿は真剣そのもので、声をかけづらかった。