未開の地を行く“ハイブリッドパフォーマー”武知海青「東京ドームにアーティストとレスラーの両方で立ったことがある人って多分いないと思うんですよ」

 6月5日にプロレス団体「DDTプロレスリング」とエージェント契約を交わし、同団体に入団したLDH JAPANのダンス&ボーカルグループ「THE RAMPAGE」の武知海青。これからはパフォーマーとプロレスラーの二刀流の“ハイブリッドパフォーマー”として活動していく武知にプロレスへの思いや今後について聞いた。〈全2回 後編〉

(撮影・蔦野裕)

ステージでもリングでも360度常に意識

 最初にプロレスに挑戦する時に“どんな世界だろう?”といった怖さのようなものはなかったですか?
「あまりそういった先入観のようなものはなかったです。やっぱり知らない世界のことは言えないじゃないですか。知ることで、体験することで初めて自分が発言できるので、何でもいいからどんな世界かを一回体験してみたかったので、あまり怖さというものはなくて興味しかなかったですね」

 もともとそういう先入観といったものを持たないで飛び込んでいくタイプ?
「持たないですね。噂で“誰々が何々らしいよ”みたいなことを聞いてもあんまり僕は気にしないというか。本当に自分の目で見て感じて聞いたことや、その人自身から聞いたことしかあまり捉えないようなタイプなので、そこまで気にしないですね」

 ステージとリングの違いは? 基本的にお客さんは前方。プロレスは360度から常に見られる世界。この2つにはすごい大きな違いがあるのではないかと思うのですが、そういうところは意識したりすることはありますか?
「どの角度から見られてもいいようにということは常にステージでもリングでも意識しています。ステージの時、やっぱりパフォーマンスは体の前から前方に向けてという感じではなくて、自分の後ろから包み込むように出す感覚で踊ったりしているので、あまりお客さんがここ(前方)にいるからというよりは、ここ(後方)にもいる意識で自分は踊るので。全体的に見えるようにという意識は、もちろんプロレスの時とパフォーマンスの時は全然違いますけど、出すオーラというか雰囲気というか仕草みたいなものはちょっと似ている気はします」

 今の話だと後ろにお客さんがいなくても、常に後ろへの意識はあるんですね?
「僕らが前で踊っている時、後ろにももちろんパフォーマーもいてボーカルがいる時もあるじゃないですか。このチームメイトへの鼓舞もパフォーマンスで伝えなきゃいけないので、後ろにもメンバーがいて前にもお客さんがいるという状態だと、どうしても360度常に意識して踊るということが大事になってきますね」

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