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スゴイ“パイセン”たち『MAKE IT BE R. STEVIE MOORE 』JASON FALKNER

2017.03.14 Vol.686

 米有力紙が「ローファイレジェンド」と称する米シンガーソングライターのR・スティヴィー・ムーアと、ジェリーフィッシュで活躍したジェイソン・フォークナーによるコラボレーションアルバム。70年代から自宅録音で制作して作品を世界に向けて発表し続けてきたムーアに、バンドそしてソロとしてポップ/ロックを鳴らしてきたフォークナーのタッグは、テクノロジーに代表される分かりやすい最先端を蹴散らして、音楽が本来持っている“ステキさ”を味わわせてくれる。温もりの伝わる作品。だけど、アルバムは『I H8 Ppl』のタイトルを連呼する曲から始まる。

スゴイ“パイセン”たち『まばたき』YUKI

2017.03.13 Vol.686

 ソロデビューから15周年のアニバーサリーイヤーを迎えているYUKIが放つ最新作。YUKIと豪華な作家陣たちが手を取って作り上げた楽曲が描き出す世界はキラキラとまぶしい。とはいえ“まばたき”さえ許されないような大切な瞬間や感情が切り取られていて、作品を聞くほど胸がきゅっと締め付けられる。全速力で駆け抜けていくようなアップテンポな『さよならバイスタンダー』、月まで届きそうな伸びやかな歌声が印象的な『tonight』など全13曲を収録した本作は“私たちが好きなYUKI”のすべてが余すところなく反映されたアルバムになっているといっても過言ではなさそう。歌声、メロディーラインに加えて、ギターやホーンセクションなど楽曲のアレンジ面にも心奪われるポイントが多数あって聞きいってしまう。キュートさ、セクシーさ、そしてちょっとしたダークさ。そういった要素がぎゅっとまとめられてさく裂しているアルバムの到着で、またしばらくYUKIに夢中になりそう。

ココロ揺らせ、カラダ揺らせ。『W FACE〜inside〜』 倖田來未

2017.03.02 Vol.685

 倖田來未の最新作は彼女の魅力を堪能できる作品群だ。歌謡曲のいいところを踏襲し彼女の歌声を堪能できるエモーショナルな作品『W FACE?inside?』と、アグレッシブなサウンドを詰め込んだ『W FACE?outside?』を同時にリリースすることで、両作品を聞くことで1人のアーティストの二面性を体感できるのだ。また、倖田はこれまでに数多くの作品を世に送り出している。それだけに、エモーショナルな面、ダンサブルな楽曲が好きなどファンのなかでも好みが明確に分かれている人も少なくない。好きそうなほうだけ聞いてからもう片方は考えるといった選択もできそう。

[J-POP ALBUM]rythm zone 3月8日(水)発売 それぞれ AL+DVD3500円、AL+BD4200円、AL2600円(すべて税別)

ココロ揺らせ、カラダ揺らせ。『Dirty Projectors』 Dirty Projectors

2017.03.01 Vol.685

 米ニューヨークはブルックリン出身の人気グループが待望の最新作をリリース。これまでにアルバム7作をリリースしながらも今作がセルフタイトル作というのは渾身の作品ということだろう。前作ツアーを経て、フロントマンのデイヴは失恋し心身ともに疲弊、変化せずにはいられなかった。ポール・マッカートニーや、カニエ・ウェスト、ソランジュら他アーティストとの協業もあって、グループに新しい風を吹き込んでいる。すでに高い評価を集めている先行シングル『Keep Your Name』を始め、全9曲を収録。既存の枠を超えたアルバムになっている。必聴の一枚。

[ROCK ALBUM]Domino / Hostess 3月3日(水)発売 2400円(税込)

ココロ揺らせ、カラダ揺らせ。『Drunk』 THUNDERCAT

2017.02.27 Vol.685

 米出身のベーシストで音楽プロデューサー、自身がアーティストとしても積極的に活動するサンダーキャットの最新作。近年ブラックミュージックが盛り上がりを見せるなかで、ケンドリック・ラマーやカマシ・ワシントンといった顔になってきたアーティストとの仕事で成功を収めるなど、今や現在の音楽シーンにおいて欠かせない存在だ。本作は彼のジャンルを軽々と横断する音楽性、ポップさとそうじゃない要素とのバランスによって、一曲のつもりがもう一曲と聞き続けてしまう作品だ。ジャケットインパクトに負けず、ポチるなりレジに向かうなりすべき。

[DANCE ALBUM]Brainfeeder/Beat Records 発売中 2200円(税込)

ココロ揺らせ、カラダ揺らせ。『TROPICAL LOVE』 電気グルーヴ

2017.02.27 Vol.685

 石野卓球とピエール瀧からなる電気グルーヴが約4年ぶりに放つオリジナルアルバム。集大成、最高傑作と両人が口を揃える本作。カッコいいし心地いいサウンドに、ファンタジックというか不思議な言葉を乗せていく電気らしさに、リゾートのリラックス感、言い換えれば、いい感じのダラっとした感が加わってなんか楽しい。収録曲はタイトル曲の『トロピカル・ラヴ』を筆頭に、『ユーホリック』、『人間大統領』『Fallin’ Down』、などの全10曲。夏木マリ、KenKen(RIZE、Dragon Ash、LIFE IS GROOVE)、トミタ栞など豪華なゲスト陣も参加している。

[J-POP ALBUM]キューンミュージック 3月1日(水)発売 初回限定盤(CD+DVD)3600円 通常盤2913円(共に税別)

ヒーローとヒロイン『Prisoner』Ryan Adams

2017.02.16 Vol.684

 米シンガーソングライター、ライアン・アダムスの最新作。エモーショナルな歌声で世界中からリスペクトを集めてきた彼。最新作も決して期待を裏切らない。本人曰く「自分の中にあるいろんな欲望を反映した」という本作。タイトルは自らが自分自身の欲望の囚人になることがどんなことなのかということを意味しているという。ソリッドにささやくように、スタジアムを震わせるほどの壮大なサウンドに載せた歌声で、欲望、そして自分にとって本当に大切なものを歌う。より磨きがかかったヴォーカルがリアルな感情を伝える。12月の来日公演は大成功のうちに幕を下ろした。すでに次の来日が待たれている。

ヒーローとヒロイン『私』大塚 愛

2017.02.14 Vol.684

 話題のドラマ『嫌われる勇気』の主題歌。シンガーソングライターの大塚愛の最新シングルで、過去や未来、他人の評価にとらわれずに「私をもっと生きよう」というテーマで制作されたという。カップリング曲「サクラハラハラ」「女子シェルター」も合わせ、デジタルなアプローチをしたシングルで、どの曲も前向きでポジティブ、真っ直ぐに前を向いて進んでいく姿が浮かぶリリックがのせられている印象。アップテンポ、しっとりとしたミドル、聞きごたえのあるシングルだ。CD+DVD、CDシングルのほかにも、CDとBOOK、CD+GOODSの4フォーマットでリリースされる。

ヒーローとヒロイン『foot of the Tower』藤井尚之

2017.02.14 Vol.684

 サックスを吹きまくる??。藤井尚之の最新作はテナーサックス奏者として本人が全編吹いたインストゥルメンタルアルバム。前作『My Life』がシンガーとしての作品だっただけに彼のサックス演奏を堪能できる内容だ。クラシック、ジャズ、映画音楽、ビートルズと、藤井が影響を受けたものはもちろん、世界中で愛され続ける楽曲の数々をジャンルレスにプレー。甘くて苦いラブソング、セクシーでロックなナンバーなどオリジナル曲も多数収録している。ムードたっぷりでセクシーさも漂わせ、シルキーかつスモーキーな作品。温かいドリンクでも飲みながら堪能したい。大人のリスナー、そして早く大人になりたい人たちへおすすめの作品。

ヒーローとヒロイン『Back From The Edge』James Arthur

2017.02.13 Vol.684

 英シンガーソングライター、ジェイムス・アーサーの最新アルバム。人気オーデイション番組での優勝経験もある実力派で、年齢とさまざまな経験を重ねながらその技と魅力に磨きをかけている。楽ではなかった生い立ちはもちろん、アーティストとして認知されるなかでネットの騒動でレーベルの契約は打ち切り、活動休止に追い込まれたりと山あり谷ありだ。そんな経験を経てリリースされる本作は音楽に対しての熱を感じずにはいられない。タイトルを直訳すれば「ギリギリのところから戻ってきた」。どん底を経験したからこそ伝えられることがある。良い意味でスゴ味のある作品。帰ってきたジェイムズの音楽に再び多くの人が魅了される。

ヒーローとヒロイン『SUPERMAN』水曜日のカンパネラ

2017.02.11 Vol.684

 独特なサウンドやライブパフォーマンスで注目を集めるポップハウス・ユニット、水曜日のカンパネラがメジャーファーストフルアルバムをリリース。タイトルが示すが通り、「アラジン」「坂本龍馬」「一休さん」「カメハメハ大王」に「世阿弥」と、いろいろなスーパーマンの名前を冠した曲をずらりと10曲収録。どの曲もタイトルの人物をモチーフになっているそうだが、聞かないことには、どんな楽曲なのか、どんなアルバムなのか皆目見当がつかない。それなのに、分からないワクワク感でついつい手に取ってしまう。それが水曜日のカンパネラなのだ。心地よいビートとサウンド、エッジがあってユニークなリリックの組み合あわせは絶妙。それにコムアイの歌声がさらに彩りや深み、軽やかさを加える。リピートは必至だ。コムアイの音楽フィールド以外での活躍もあり、認知度も注目度もぐんぐんと上昇中。3月には初の日本武道館公演も決定しており、さらなるブレイクも目前。まずはこのアルバムをチェック!

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