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ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第9回 オールナイトニッポン伝説を『キキマス!』

2014.08.14 Vol.624

 ここのところ、胃がキリキリしてます。14日に番組で初めての公開収録をやったんですけど「お客さん、来てくれるかな」って心配したりもして。……ただね、このキリキリの理由は分かってるんです。ええ、8月25日から始まるスペシャルウイークなんですよ!

 スペシャルウイークは、聴取率調査、つまり、どれだけ番組を聞いていただいているのかを調査する期間でもあるわけですが、『キキマス!』ではすごい企画を準備しているんです。特集タイトルは「オールナイトニッポン伝説検証」。みんな大好き、僕自身がこれ聞きながら育ってきたといってもいい、『オールナイトニッポン』を担当したパーソナリティーの方々をお招きして、当時のことや伝説のエピソードなどを伺っていきます。ずっとやりたいと思っていたし、スタート当初から言い続けてきた企画なんで、実現してうれしいしワクワクしているんですけども、緊張もしています。今は、当時どんな音楽が流れていたのか調べたりして準備しています。

 僕自身、いろいろな方の「オールナイトニッポン」を聞いてきました。それぞれいろんな思い出がありますけど、強烈だったのは、やっぱり、ビートたけしさん。本当にいろんなエピソードが残ってますけど、なかでもあれ、上海で列車事故があったときの放送は忘れられないです。修学旅行に行っていた高校生たちが巻き込まれたっていうニュースが入って、たけしさんがニュースを聞いてスタジオを去っちゃった。こんなことがあった後でやってらんねえよって。こんなことあるんだ、たけしさんってこういう一面もあるんだって思ったのを覚えてます。たけしさんがいなくなった後は、軍団の方が出たりしてね。他にも、本当にたくさんありますよ。良くない電波状況のなかで頑張って聞いてました。

 さて、再来週いらっしゃっていただけるのは、笑福亭鶴光さん、藤井フミヤさん、鴻上尚史さん、所ジョージさん、関根勤さん、そして、ビートたけしさんも決定しました。とにかく豪華です。どの方もほぼ初対面、なんですよ。ラジオで聴いていたあの声の人にラジオ番組で会える、『オールナイトニッポン』、当時のお話を聞けると思うと、すごいですね。当時の楽しい話はもちろんだけど、当時とは違うラジオというメディアの取り巻く環境の変化なんていうのも話題になっていくんじゃないかな。僕自身、いろんなことを聞いていきたいと思ってます。それが『キキマス!』という番組ですからね。

 8月25日から4日間、ラジオ愛にあふれた内容になることは間違いないです。ぜひお聞きください!

ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第8回 若者よ、失敗しに行け!

2014.08.06 Vol.623

 前回もお話しましたが、フジロックに若い子たちが増えたというニュースはとてもうれしかったですね。それを聞いた時は、僕らが思っている以上に、今の若い子の中にもちゃんと音楽のアンテナをはっている子や新しい価値観に出会いたいって思っている子がいるんだなっていうこと。フェスがそういう子たちが楽しめる場になっていたっていうのがすごくいいなと思いましたね。僕らが勝手に“今の若い子はこういうの聴かないよね”とか、決め付けることが一番だめ。気づく人は気づくし、それを今年のフェスは象徴していたんじゃないかな。やっぱり現場で体感することって、とっても大事なことなんですよね。

 それはほかのどんなことでも同じ。以前、10代の子にオススメの映画ベスト3を選んでくれっていう仕事がきて、一応選んだんですけど、本音は10代のうちは自分の興味のない映画を観ろって言いたかった。失敗作をみるのも君たちに与えられた義務であり権利だと。失敗作を見るっていうことを体感することはとっても大事なんです。それを観たときに自分がどう感じるかが重要で、信頼できる人が勧めてくれたから観ようとか、そんなの10年早い(笑)。作品選びに慎重になるのは、時間のないジジイとババアになってからでいいんだから(笑)。恋愛でも失敗している人のほうが、絶対に大人になった時にそれを糧にしていい出会いができると思います。フェスだって、知らないミュージシャンをどんどん見ればいいいんですよ。個人にとってはつまらなく感じて辛い時間になるかもしれないけど、その先にある発見の方が断然多いんだから。まったく聞いたことがないアーティストにビビっとくるかも知れないし、それを発見出来た時のよろこびって言ったらない。自分のことがよくわかるし、感性を豊かにしてくれる。若者なんかまずいものを食ってもいいんだよ(笑)。まずかったっていう経験をちゃんとしたほうがいい。

 僕の失敗体感は、若い時に初めて行ったソープランド。出てきた女性があきらかに母親よりも年上で(笑)。表の写真と違うから聞いたら、あっさりと“25年前から一緒なのよ、ごめんね”だって(笑)。25年間も写真をリニューアルしてないってこともびっくりだけど、25年間もここで働いてるんだと思ったら妙に尊敬しちゃって、人生相談して帰ってきた。それで何がわかったかというと、そういう店には25年張られてる写真があるということ (笑)。そんなふうに失敗も消化して面白く話せるようになればいい。でもそれは体感しないとできないことですからね。若い人には、この夏はフェスを初め、いろんなものを見に行って失敗してこいと言いたいですね。

ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第7回 勃発!果物問題。僕のリンゴは6分の1!

2014.07.31 Vol.622

 夏フェスが盛り上がってます。先週末、フジロックフェスティバルが終了しました。僕は行けなかったんですが、GotchやTOSHI-LOWさん、MAN WITH A MISSIONの盛り上がりだとか、アーケイド・ファイア(中日のヘッドライナー、カナダ出身のロックバンドで今夏世界中のフェスでヘッドライナーを務める)がたくさんの人を集めたこと、何よりも10代とか20代前半だとかの若い子たちがたくさん行っていたって聞いて、すごくうれしい。というのも、僕、今年は、フジロックにとって正念場だって思っていたんです。大人が多いフェスの印象でしたが、お客さんの世代交代もできたのかなって。それがうれしい。まだまだメガフェスが控えていて、『キキマス!』では今週、サマーソニックに出演するアーティストを楽曲とともに紹介していますので、ぜひお聞きください! ああ、アーケイド・ファイア、見たかったなあ……。

 さて、29日の放送は、夏フェスに負けないぐらい熱を帯びた番組になりました。お聞きいただいた方はご存じだと思いますが、この日のテーマは「マザコン」。男はみんなマザコンなんじゃないかっていう話でした。火曜のキキマスター・マキタスポーツさんと、大いに盛り上がったんですが、そのなかである問題が勃発しました。それが「果物問題」です。

 男性のみなさん、果物を自分でむきますか? 僕はむきません。ずっと母親がむいてくれたし、今は嫁がむいてくれます。最近では「むいてくれる男性もいる」そうですが、僕はやっぱり自分ではやらないなあ。最近はそうでもないけど、みかんでさえ、むいてほしいぐらい。僕はマザコンですか?

 むきかたも重要です。例えば、リンゴ。僕は大きめのサイズが好きなんです。口に入れたときにリンゴで口がいっぱいになるような。サイズとしては六等分ぐらいにしたぐらい。それが僕のリンゴなんです。なぜなら、母親がずっとそうやってむいてくれたからなんですよね。今は嫁がむいてくれた“大谷家のリンゴ”を食べていますし、うさぎにむいてくれたって、八等分、もっと薄くなってもむいてもらえればいただきます。だけど、なんか違うんだよなあ。バイキングなんかで薄いリンゴが出てくるとすごく腹が立ちます。

 キウイもそうですね。半分に切ってスプーンと一緒に渡されたりするのは違う。ちゃんと皮をむいて切って出される、それが僕のキウイなんです。きっとこれも母親がそう切ってくれたから。それにこだわるのは、僕がマザコンだからですか? 

 この問題、この日だけではやりきれなかった。また、やりたいと思います。 

ダイノジ大谷ノブ彦 カタリマス!第3回 映画『GODZILLA ゴジラ 』は試金石

2014.07.20 Vol.622

 今回は、1本の映画をご紹介したいと思います。それは、世界で大ヒット中の映画『GODZILLA ゴジラ 』。日本でも、いよいよ25日に公開されます。

 ゴジラといえば、ファーストゴジラと呼ばれる1954年の作品があります。ゴジラは、水爆実験など当時の問題から生まれてきたモンスター。人間が生み出した脅威の存在、社会問題として描かれました。子供のための映画というより、大人が見るべき映画だったと思います。一足お先に『GODZILLA ゴジラ』を拝見しましたが、今作は、そこに原点回帰しています。社会問題を取り扱い、メッセージ性が込められ…大成功していると思います。温故知新な作品でした。

 公開に合わせ、『キキマス!』で、映画に出演されている渡辺謙さんにお話を伺ってきました。いやあ、本当に素晴らしい方。日本のトップを走り、世界に向けて日本を代表する役者さん。自然体で、気さくで、新しいタイプのスターだと思いました。
 約20分という対談でしたが、なぜ出演を決めたのか、この映画の深みをどうとらえていたのかであるとか、いろいろなお話を伺ってきました。主演された大河ドラマ『独眼竜政宗』が大好きだったんで、その話もしたかったんですけど、映画の話で盛り上がってしまいました。24日に放送しますので、楽しみにしていてくださいね。

 さて、この『GODZILLA ゴジラ』ですが、カルチャーでもガラパゴス化する瀬戸際の日本の行方を占う作品だと思っています。クールジャパンなんていって世界に出て行っていますけど、日本のカルチャーの現実ってどうなんだって。映画を例にすると、『ウルヴァリン:SAMURAI』や『47RONIN』といった日本を舞台にしたハリウッド映画が続々公開されていますが、なぜか日本ではヒットしない。欧米では注目を集めるのにも関わらず、です。日本で受け入れられない理由はいろいろあるとは思うんですが、この現状によって、ハリウッド映画が日本を舞台にする必要がなくなってきている。だって、日本人が見ないんだから。日本人がアメリカで、世界で活躍している日本人を見ないんだから。この『GODZILLA ゴジラ』が日本で売れなかったら…っていう試金石になっているんだと思うんです。渡辺謙さんが出ていく意味も、そこにあるのかもなって思います。

 それも踏まえて、僕はこの夏、ぜひ『GODZILLA ゴジラ』を見ていただきたい、映画館に足を運んで、こんな映画を作っているんだって見てほしいと思っています。

ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第6回 夏フェスシーズン本格スタート! 「まずは現場に行け!」

2014.07.16 Vol.621

 暑い、夏らしい日が続いています。夏といえば、夏フェス。今年もたくさんフェスが行われていますが、夏の風物詩として完全に定着しましたね。最近では、花火大会に行く感覚で夏フェスに来ている人も多いです。僕はそれ、すごくいいことだと思う。

 僕が初めて行った夏フェスは、フジロック。豊洲で開催された2回目で、当時の彼女と行ったんだっけかなあ……。音楽好きの彼女で、会場では一緒に見るとか、彼女と一緒にトイレの行列に並ぶとか、一緒に行動なんてしなくて、「何時に落ち合おう!」って。フェスってそんなもんじゃないかなって思います。

 最近では出演者として夏フェスに参加することも多くなりました。今年もサマソニなどいくつかのフェスに出ます。そんなこともあって、夏フェスの楽しみ方について聞かれることも多いですよ。そんな時の答えは決まってます。「まずは、現場に行け!」。何よりも「体感する」ってことが大切だと思うんです。

 フェスに行くっていうと、音楽を知らなくちゃいけない、バンドを知らなきゃいけないって思っている人も多いですけど、それはまず“いらない”。「おいしいご飯を食べに行く」「仲のいい友達と行くところないから行く」、そんなんでいいんです。知ってるバンドは1つだけ、それでいいんです。現場でそのバンドをもっと好きになったり、新しいバンドに出会ったら、後で調べればいい。そうやって広げていく作業が楽しいんですから。

 あと、僕はデートでフェスに行く、誘うっていうの、きっかけとしていいんじゃないかって思います。デートってなると、どこのめしやがうまいとか、いろいろ調べたりして、連れて行くでしょ。それと同じです。フェスをめちゃくちゃ調べて、出演アーティストのこと、食べ物、おもしろいコンテンツとかも調べる。へえーって言われるように、調べるんです。そうすると、自分もフェスがもっと楽しめると思う。とはいえ、ただ最近は、1人でフェスに行く人も多いです。身近にフェスに興味がある人がいなくても、ネット上でコミュニティを作って仲良くなったりしているんですよね。

 とにかく、少しでも興味があるんだったら、「現場に行け!」。自分で体感するほうが事件が起きて、楽しいんだから。最初は一番小さなステージでライブしてたサンボマスターが、何年後かに、何万人もの人の前で演奏している。ひとつのバンドが次のステージに行くパフォーマンスを目撃できるなんて、事件ですよ。ただ、自分で体感したからこそ感じる“事件”で、言葉で説明してもどうしようもないことなんだけどね。

これって、フェスだけじゃなくて、映画でも、このあいだのサッカーでも話したことで通じること。行ったら、しんどかった、退屈だったってなる人もいると思うけど、そういうことを体感した人のほうがいいと思うし、僕はそっちを取りたい。体験を重ねていくこと、それを濃くしていくことが、人生を濃くしていくと思うから。

  興味がまったくない人が行く必要はまったくないけど、少しでも行きたいって思うなら、今年の夏は現場、フェスに行ってみてほしいなあ。見方や楽しみ方に強制がないから、懐が深いし、誰にでも優しいんだから。それでも楽しめないなら、残念ながら、フェスを楽しむ才能はないってことなんだろうな。

ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第5回 聞きました! サッカー日本代表をもっと強くする方法。

2014.07.09 Vol.621

 先日7月7日の放送。月曜日のキキマスター、松木安太郎さんがブラジルから戻っていらっしゃったので、松木さん、そしてスポーツライターの金子達仁さんと「サッカー日本代表のこれまでと今後」について、熱く議論を交わしたんですが、熱過ぎてコーナーの後半を大幅に変えてやっちゃいました。それでも足りなくて、いつものコーナーを飛ばしてでも、もっともっと聞きたかったぐらいです。

 話題は、日本代表に留まらず、海外で活躍する選手がいる一方で、J2、J3では選手がバイトをしながら取り組んでいるなんていう年俸の問題。さらには、放映権やライセンスビジネスなどの仕組み、ヨーロッパやアメリカのサッカーの状況もみながら話したんですけど、僕自身驚くことばかりでした。

 そんな話をしながら思ったのが、これって、そのままお笑いに置き換えられるなってこと。僕は漫才をやっていますけど、地方の芸人さんでそれだけでメシが食えている人ってほとんどいないんです。これって、選手でいう、年俸問題です。芸人の単価を上げるには、劇場でも3000円、4000円という料金を取るようにしなくちゃならないんですけど、そんだけ払うなら、僕は、みんな歌舞伎を見に行っちゃうんじゃないかなって思うんです。歌舞伎を見に行くと、その場所に感想を話し合えるカフェもあるし、そこでしか売っていないグッズだとかお土産もいろいろあって、歌舞伎を中心にいろんなことが楽しめるエンターテインメントになっているんです。

 一方、お笑いの劇場はというと、頑張ってはいます。だけど、いろいろ問題も抱えちゃってます。もちろん、芸人を目当てに見に来ていただくのはうれしいんです。だけど、芸人のマンパワーの他にも、おいしいものがある、友達に会える、あそこなら子供といっても楽しめるからって来てくれるような状況を作らないといけないなって。ロックフェスには音楽を純粋に楽しみたいからっていう人だけじゃなくて、ロックフェスの環境や雰囲気が好きだからって誰が出るかなんて関係なくフェスに行く人、たくさんいるじゃないですか。これからは、お笑いの劇場もそれだと思うんです。

 話をサッカーに戻すと、スタジアムに人がいっぱいくる状況を作れば、選手の年俸が上がり、サッカー周辺も潤う。それによって、スター選手を呼べるようにもなるだろうし、そうすればスタジアムにやってくる人ももっと増えて、サッカーをとりまく環境もさらに良くなる。サッカーを楽しむ人、スタジアムに行く人を増やす、日本代表を強くする元ネタは、ここにあったんですね。そのためにも、いろいろシステムを更新していく必要がありそうです。

 これからも番組ではこういった問題提起をしていきたいと思います。月曜は、本当に、聞いたなあ…。

ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第4回 ブレる自分を楽しむマイブーム

2014.07.03 Vol.621

 突然ですが、みなさんはホテルに泊まる時、何を一番重要視しますか? 僕は大浴場があることです。最近のビジネスホテルは、大浴場があるところがすごく増えているので、とにかく地方に行く時は風呂を最優先にホテルを選びます。20代は遊び。後輩に総力を挙げて、女性をセッティングしてもらったりして、地方でどれだけ楽しく遊ぶかっていうのにエネルギーを費やしていた(笑)。そして30代は食。その土地にあるおいしいものを食べるため、事前に自分で調べて食べ歩いていました。それが3年ぐらい前からは風呂に変わってきた。炭酸泉とか露天とかサイコーですね。ホテルについていない場合は近くの家族温泉みたいなところを調べて行くんです。そして風呂から出たら野菜ジュースを飲む。これが至福の時(笑)。そんな風に年をとると、大事なものの順位が変わってくる。それが今、楽しくて仕方がないんです。

 例えば昔だったら、1人1万円以上のものを食べるのを躊躇していたんですけど、最近は進んで食べに行く。ラジオを聴いてくれている人がそういう話を聞いて、たまにはおめかししてそういうところに行ってみたいなって感じてほしい。節約も大切ですけど、たまにはそういうことをしてみようっていうのを意識してやり始めました。 

 洋服も今まではラフな格好が多かったんですが、襟のついたものやスーツを着るようになった。かみさんとデートに行く時なんかは、特にそう。年をとる面白さってそういうことだと思うんです。自分がブレていく楽しさみたいな。若い時は飾らない方がかっこいいとか言い訳していましたが、安いものも高いものも両方知らないと発言に説得力がない。両方味わってみて、それぞれの良さがわかるようになりたい。 

 この前もかみさんに、初めて指輪を買ったんです。結婚した時にお金がなくて、指輪も結婚式もなかったので、再来年の結婚10周年に向けて全部やろうかなって。あとは今年中にハワイに家族旅行に行く。今までは、ハワイには全然興味がないって言っていたんですけど、行ったことがないのに、なんにも語れないじゃないですか。そういう、これまで自分が否定してきたものやスタイルを、意図して取り入れてみる。痛い思いをすることがあるかもしれないけど、それはすべて経験だと思わないと。で、やってみるとすごい楽しかったりするんですね。ブームですね、ブーム(笑)。そのブームに乗っかって、今年は母ちゃんを東京に呼んで、温泉に連れて行こうと思っています。普段は照れてそんなこと言えないけど、“俺のブームだから母ちゃん、付き合ってくれよ”って。みなさんも、あえて自分のスタイルを変えてみては?思いもかけない楽しさや、新たな発見があるかも知れませんよ。

ダイノジ大谷ノブ彦 カタリマス!第2回 サッカーはテクノミュージック論。

2014.06.23 Vol.620

 W杯、グループ戦も佳境です。みなさん、“ポジティブ”に行ってますか?

 さて、観戦しながら思ったことがあります。それは、「サッカーはテクノミュージックに似ている」ってこと。

 僕はDJとしても活動をしています。クラブでDJをやると、すごく盛り上がる曲っていうのがあるんですけど、それをひたすらかけていればずっと盛り上がる、高揚するかっていうと、そうじゃないんです。テクノミュージックはずっと平坦なリズムが続くんですが、お客さんは最初、それに合わせて体を揺らしています。DJは、いろんな曲を積み重ね、時にはじらしてみたりしながら、場が完全に自分の空気になったタイミングを見計らって、ドーンとビックビートな曲や祝祭感のある曲を入れます。そうすると、「待ってました!」って感じで、お客さんは両手を上げて喜んだり、ハイタッチをしたりして、高揚感を得ます。ちょっと、セックスにも似てますね、全部同じ調子でやればいいわけじゃない(笑)。

 積み重ねて積み重ねて自分の空気になったところでドーン! これって、グループB初戦のスペイン対オランダ戦と似てませんか? それぞれ強豪チームですが、オランダはスペインの得意なところを一つひとつ封じて、前半終了直前に1点、後半に4点と、ドーンと5点を取りました。オランダは、少しずつ積み上げて自分たちの空気、自分たちの流れに持っていった。その時の高揚感を思ったら、世界中でサッカーがこれほどまでに愛されている理由も分かります。

 テクノミュージックだけじゃなく、サッカーと音楽の関係は密接です。みんなで歌を歌うっていうスタジアムアンセムっていうのもあるし、ウカスカジー(Mr.Childrenの桜井和寿とラッパーのGAKU-MCのユニット)の『勝利の笑みを 君と』を筆頭に応援ソングなど、W杯に合わせてたくさんの作品がリリースされています。全部聞かせてもらっていますが、そのなかで僕が最も気になっているというか、好きなのが椎名林檎さんの『NIPPON』。椎名さんらしさを貫いている楽曲だと思うし、今の若者たちがサッカーを見るときに感じる一体感とつながっているというか、すごくいい曲です。あれがナショナリズムだとかいう人がいるってニュースをネットで見たけど、僕はあれ、椎名さんの日本人への批評であり、問いかけなんじゃないかって思いますね。

 さあ、日本代表はグループのリーグ戦も残すところあと1試合。みなさん、“ポジティブに”ですよ!

ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第3回 サッカーってライフ!

2014.06.18 Vol.619

 W杯、盛り上がってますね。もちろん、僕も楽しんでいます。対コートジボワール戦は、浅草のホテルで息子と一緒に観戦。選手もそうですが、ザッケローニ監督も初めてのW杯で緊張してしまったのか策もブレてしまった。改めて、W杯って特別なんだなって感じました。

 初戦敗退でいろんな論調でザックジャパンが語られましたが、『キキマス!』は全肯定、そしてポジティブにお伝えしました。特に16日は、キキマスター(曜日レギュラー)の松木安太郎さんと一緒に特にポジティブに。松木さんも何度も口にしていましたが、こういう時に大切なのが“ポジティブ”。ああだった、こうだったって敗戦の理由を分析するよりも、ポジティブに見る、考える、感じる、そして動ける環境を作っていくことの方が大事。ネガティブに行くのはいくらでもできますからね。

観戦していて改めて思うのが、すごいサッカーチームっていうのは、技術の高い選手が1人、2人いるからすごいんじゃなくて、スター選手を機能させることができるチームなんだってこと。劣性であっても、そこからポジティブな空気を作り出せる人、そういう環境があると、ある瞬間からがらりと変わる。試合が動いて、空気も支配するようになるですよね。

 そんなことを考えていたら、サッカーがすごく実生活に即したスポーツだなって思いました。人と対する仕事をしていると、そんなふうにガラッと変わる瞬間に出会うことが多々あるんです。夫婦間でもネガティブな空気に支配されるときがありますよね、夫婦げんかとか。その空気を推進しようって思えばいくらでも推進できるんですが、そこで脇をくすぐったりとか、ちょっと道化をしたりすることで、空気が変わる瞬間が訪れる。お互いが機能するチームになっていくんです。

 サッカーってライフ!ですよ。こんなたくさんの人が夢中になってサッカーを見ているのにも納得します。

 話を戻すと、自分がこんなに楽しんでサッカーを見ていることにびっくりしています。この間、別の現場でW杯の話題になったとき言われたんですよ、「そんなにサッカー好きでしたっけ?」って。これも、『キキマス!』、その前に担当した『Good Job ニッポン』で、サッカーの知識のある人と話すチャンスをもらえたからです。海外組の選手名を眺めていただけだったのに、今は自分なりの楽しみ方も見つけちゃってます。
さあ、つぎはギリシャ戦。みなさん、ポジティブに行きましょう!

ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第2回 ”楽しいことをやることで抵抗したい”誕生日

2014.06.11 Vol.619

 42歳になりました。

 誕生日は6月8日。今年もイベントをやって過ごしました。イベントは、ここ10年ぐらい毎年やっていて、バンドを集めてロックイベントをしたり、DJしたり、漫才ライブだったりいろいろです。 なぜこんなイベントをやってるかというと、もちろん楽しいっていうのもある、でも本当は腹が立ってるからなんです。

 この日は、2つの凶悪な事件*が起きた日。テレビをつければその話題になったりして、むかつくし、腹が立つ。子供が巻き込まれる事件は特にです。ただ、それに対して怒りをぶつけるんじゃなく、楽しいことをやることで抵抗したい。許しがたい、あってはいけない事件や事故、そして悲劇に対して、人が抵抗できるのは逆のイデオロギーで振り切ることだと思うんです。

 なぜそう考えるようになったかというと、沖縄へ営業に行ったことがきっかけです。エアギターをみんなでやろうという参加型のネタだったんだけど、あんまり反応が良くなくて。スベったなあなんて思いながら帰ろうとしたら、お客さんが「良かった!」「面白かった!」って寄ってくるの。シャイな人ばかりが集まっちゃったのかなってスタッフに聞いたら、「沖縄の人はもともとすごくシャイなんですよ」って。楽しくお酒を飲んで歌って踊ってっていうのが、僕が持っていた沖縄の人たちのイメージでした。でもそれって「そうじゃないからこそ、意識してやってるんだ」って。それ聞いたら、なんかジーンとしちゃってね……。そうじゃないからこそ自分たちから乗ってく、能動的にやっていく——。シャイだからこそ見つけたやり方というか、生きていくための知恵のひとつだったんだって。

 つらくて悲しいとき、言葉を掛け合ったり、励まし合ったりしていくのも人の強さだし権利だと思う。それに加えて、周りを巻き込んで楽しい空気にしていくこともまた、人間に与えられた権利であり、武器なんじゃないかなって思うんです。僕は毎年3月11日に漫才イベントをやっているんだけど、これも笑い飛ばせっていうのじゃなくて、人は意図的にそうなろうとしたらなれるって、信じてるから。楽しいことをやることで抵抗したいんです。理不尽な不幸に対して。

 そんな思いでイベントをした42歳の誕生日、息子が部屋に誕生日祝いのデコレーションをしてくれました。こんなふうに祝ってもらったことがなかったから、うれしかったなあ。その前日、一緒に銭湯に行っていろんなことを話したんだけど、「誰かを喜ばせる」ってことって大事だって思ってくれたのかもしれない。自分がどんな父親でありたいかなんてよく分からないし、思ってもそうなれないのも分かってます。ですけど、こういうことが一つひとつ重なっていったらいいんじゃないかなって思ってますね。

 今週の「キキマス!」では、ゲストのみなさんにお父さまとのエピソードや心に残った言葉などを伺っています。今日11日はマラソンの高橋尚子さんと瀬古利彦さん、12日には島田洋七師匠も来てくれます。いつか僕もそんなふうに思ってもらえるのかなあ……。「父と子の感動ストーリー」、ぜひお聞きください。

*附属池田小事件、秋葉原通り魔事件

ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 
第1回 ネガティブなことばっかりいってないで、楽しくやろうよ!

2014.06.04 Vol.619

 先日、久しぶりに呼んでもらった『ゴッドタン』が放送されて、ここ数日、いくところいくところで“ラジオスター”って呼ばれてます……。2日の放送は『ゴッドタン』放送後初の放送だったんですが、あの番組を見て、聞いてくれた人もいたかもしれなかったと思うと、“ラジオスター”っていうのを、ちゃんと“引き受け”てやるべきだったと、少し反省しています。もっと、アツくやらないと。注目してもらったのはうれしいけど、『キキマス!』そのものが浮かれないように引き締めてやっていきたいです。

 さて、先週の話になりますが、『TOKYO HEADLINE』の一木広治社長に番組に来ていただきました。一木社長、映画『バブルへGO!』に出てくるキャラクターのモデルにもなっている方なんですけれども、今も漂ってましたね、バブルの空気。あの突き抜けた感!ネガティブなことばっかりいってないで、楽しくやろうよ!っていう。僕は、それって今、一番大事だと思ってるんです。

 それで思い出したのが、いま注目を集めている音楽クリエイター、tofubeatsの言葉です。ももクロをはじめたくさんのアーティストのリミックスを手掛けたり、楽曲を提供したり、オリジナル曲も発表しています。以前、彼と話した時、音楽で何をしたいかって聞いたら「景気を良くしたい」って言ってましたね。
 

 彼の作品に『水星』という曲があります。この曲の元ネタになっているのが、今田耕司さんとテイトウワさんのユニット、KOJI1200の『ブロウヤマインド』です。KOJI1200が活動していたのは90年代中盤から後半。バブルは崩壊してたけど、音楽業界は景気がよかった。ミリオンヒットが頻発してCDの販売枚数も上り調子で、業界全体が潤っていたんです。KOJI1200もそういうムードのなかで生まれてきたユニットです。お金が余って、予算が余って、そこから零れ落ちたものから生まれたもの、カルチャーって芳醇なんですよね。それ自体が時代のパワーになって発展して、時代も超えちゃう。tofubeatsくんがカバーしちゃうんです。

 今は、深刻ぶることが重要視されすぎる時代になってきちゃって、深刻さがあふれすぎちゃっています。とにかく陽気に行こうよ、派手に行こうよ、そういう感覚、取り戻したいですよね。だから僕も、「景気を良くしたい」って思いながら、ラジオを含め、いろいろやっています。

 とはいえ、バブル期の雰囲気なんて知らないだとか、そんなこといっても景気も良くないし、楽しくやろうよ!なんて思えないって人もいると思います。だけど、例えば、ディズニーリゾートのファンタジー感だとか、ファレル・ウィリアムスの『ハッピー』で世界中が踊ってる感じだとか、そういうのは感覚的に受け入れられるでしょう。ちょっとだけ無理して、楽しいことを一個足す、それを重ねてくってことなんじゃないかな。学校でも会社でも、家庭のなかでも。そこからきっと、芳醇なものが生まれてくると思います。

 さて、9日からラジオはスペシャルウイーク。『キキマス!』では、「父と子の感動ストーリー」大特集として、ウエイトリフティングの三宅宏実選手と父でありコーチも務める義行さん、女子マラソン金メダリストの高橋尚子さん、マラソン界の第一人者、瀬古利彦さんなどなど、ゲストをお招きしてお話をキキマス! 日々、“デス馬券”と罵声を浴びせられている僕ですが、いろんなお話を伺いながら、楽しさを見つけていきたいです。

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