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TOKYO2020アップデート「北朝鮮が不参加表明?」「海外客の受け入れ断念?」

2021.04.10 Vol.740

五輪開閉会式の演出統括は新たには置かず

 東京五輪開会式の企画・演出で実質的な責任者を務めた振付家のMIKIKOさん(43)が3月26日、自身のツイッターで「疑問を持ちながら参加するわけにはいかない、と悩み抜いた上で辞任の決断に至りました」などとするコメントを発表した。

 MIKIKOさんはコメントの中で、昨年3月の大会延期決定で準備が一時停止となって以降、何の連絡もなかったため同年10月に問い合わせたところ、すでに別の演出家が任命されていた上、新たな企画案が国際オリンピック委員会(IOC)に示されていたと説明。「企画に一から関わっていない以上、責任が取れるものではありませんでした」としている。「無駄のない前向きな新しい企画を全員の力を合わせて一緒に作りたかった」と悔しさもにじませたMIKIKOさんは、大会が開催された際は「日本が世界に誇れる、子どもたちに誇れる、開催できた全てのことや全ての人に、感謝を届けるセレモニーになってほしいと心から願います」とエールも送っている。

 五輪開会式の制作体制をめぐっては、昨年12月に統括役に就任したクリエーティブディレクターの佐々木宏氏が3月18日、女性タレントを侮辱するような演出を関係者に提案したとの一部報道を認め辞任した。

 佐々木氏の後任については東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長が4月2日の定例会見で、「すでに企画段階から制作段階に移行した。代わりの方を据えるのではなく、今までのチーム体制でさらに完成度の高いものにしていく」と新たに置かない方針であることを明らかにした。

池江璃花子がリレー2種目で東京五輪切符つかむ

2021.04.08 Vol.740

 白血病から復帰した競泳女子の池江璃花子(20)=ルネサンス=が4月4日、東京五輪代表選考を兼ねる日本選手権(東京アクアティクスセンター)で女子100メートルバタフライ決勝を57秒77で制した。

 57秒10の個人種目の派遣標準記録には届かなかったが、400メートルメドレーリレーの派遣標準記録57秒92を突破。混戦を制し、五輪切符をつかんだ。

 2019年2月に白血病と診断された池江は、闘病生活を経て同年12月に退院。20年3月にプール練習を再開し、同8月に実戦復帰した。自身が56秒08の日本記録を持つ100メートルバタフライは、かつて最も世界の頂点に近づいた思い入れのある種目。体への負担が大きいため、復帰後は今年2月の東京都オープンで初解禁。59秒44をマークしていた。

 池江はレース直後のインタビューで「自分がすごくつらくて、しんどくても、努力は必ず報われるんだなと思った」と声を震わせた。そして「自分が勝てるのはずっと先のことだと思っていた。今すごく幸せ」と呼吸を整え、かみしめるようにゆっくりと言葉を紡いだ。その後に上った表彰台では一転、これまでと変わらない笑顔を見せ、関係者から大きな拍手が送られた。

 また池江は女子100メートル自由形でも8日の決勝に進出。53秒98で優勝した。こちらも個人種目の派遣記録である53秒31には届かなかったが、400メートルリレー派遣記録(54秒42)はクリア。400メートルメドレーリレーに続く2種目目の五輪切符を獲得した。

4月13、14日の大阪での聖火リレーが公道から万博記念公園内に変更

2021.04.07 Vol.Web Original

大阪府が医療非常事態宣言

 東京2020組織委員会は4月7日、大阪府が新型コロナウイルスの感染拡大により「医療非常事態」を宣言したことを受け、会見を開いた。

 会見で武藤敏郎事務総長は13、14日に大阪府内で行われる予定だった聖火リレーを公道での走行を取りやめ、万博記念公園内で実施することを発表した。これは大阪府からの「大阪府全域において、公道における聖火リレーにかえて、万博記念公園内で聖火リレーを実施したい」という要請を受けてのもの。

 この要請に沿って両日ともに万博記念公園内で一般の観客を入れずに、希望するすべてのランナーが走行できるように準備を進める。聖火ランナーは2日間で約200人が予定されていた。

 大阪市においては今秋から新型コロナウイルス特措法に基づく「蔓延防止等重点措置」が適用されていた。聖火リレーの実施の在り方についてはこれまでも大阪府とは緊密に協議を行ってきたという。

 この事態に武藤総長は「公道での聖火リレーは行わないことになるが、万博記念公園内で聖火リレーが行われる。形は違うが聖火リレーは行われるとご理解いただきたい」と話した。聖火リレーの“機運醸成”という役割については「本来は何事もなければ公道を走り、機運の醸成を図るということが理想の姿であるのは変わらない。しかしコロナという異常な状況の中では感染のリスクを極力抑制するために違ったやり方を取るのもやむを得ない。むしろ安心安全な聖火リレーを実施するためには必要なことだろうと思う。これまでも著名人ランナーは公道ではなく、競技場の中を走るということもあった。それでも走った方々はそれぞれ感慨を持たれているし、現場で見る人ばかりではなく、テレビなどを通じて多くの人が見ることで機運の醸成も図られる。走行することを楽しみにしていた方々の気持ちも大事にするという意味もある。これが最も望ましい形とは決して思わないが、コロナ感染拡大のもとではこの方法がむしろ安心安全な、一般の方々の気持ちを察して行うためのやり方だと思っている」などと話した。

なでしこジャパンの澤穂希さんが体調不良で聖火リレーを断念

2021.03.24 Vol.Web Original

佐々木則夫前監督「澤さんの分も」

 東京2020オリンピックの聖火リレーのスタートを翌日に控えた3月24日、東京2020組織委員会が会見を開き、橋本聖子会長、グランドスタート聖火ランナーを務める前サッカー女子日本代表監督の佐々木則夫氏らが登壇した。

 聖火リレーは東日本大震災の復興の象徴ともいえる福島県のJビレッジからスタートする。Jビレッジはなでしこジャパンの聖地ともいえる場所であることから大震災のあった2011年に行われた女子W杯で優勝した佐々木監督と当時のメンバーが第1走者に選ばれた。

 この日、佐々木氏は「2011年W杯は参加できるだろうかと思いながら、準備もままならない状況での参加ではあったが、その中で彼女たちが一生懸命、日本への思いを込めてドイツで戦い、一戦一戦成長し、皆さんも予想できなかったような快挙を成し遂げ、優勝することができた。その時のスポーツの力というものが評価されたのだと思う。我々なでしこジャパンの聖地でもあったJビレッジからのスタートに我々が選考されたというのは本当に名誉なこと。選手ともども感謝している。コロナ禍において1年間延期になり、その中でまだまだ順風満帆な状況ではないかもしれない。非常に大変な五輪になることは間違いないと思うが、一丸となって東京五輪を成功させる。そのスタートの一助になれることに幸せを感じている」などと聖火ランナーへの思いを語った。

 また佐々木氏は「澤選手が2~3カ月前から三半規管のコンディションを崩しており、昨日電話があり“どうも調子が良くない”ということで断念することになった。澤さんの分も一生懸命やりたいという思いで、明日は選手たちとJビレッジのピッチに立ちたいと思っている」と報告した。

橋本聖子会長が佐々木氏の後任に女性登用を示唆

2021.03.18 Vol.Web Original

 東京2020組織委員会の橋本聖子会長が3月18日、東京オリンピック・パラリンピックの開・閉会式の演出のエグゼクティブクリエーティブディレクターの佐々木宏氏に関する前日の「文春オンライン」の報道について会見を行った。

 佐々木氏については昨年3月、LINEのグループラインの中でオリンピック開会式のアイデアのひとつとしてタレントの渡辺直美さんの容姿を揶揄し侮辱する発言をしていたことが発覚。佐々木氏は深夜に組織委を通じて謝罪文を出し、その中で辞意を伝えていた。

 橋本会長は「佐々木宏氏について一部週刊誌において一部女性蔑視ととれる発言があったとの報道があった。組織委としては昨夜から記事について事実関係の確認を進めてきた。記事の見出しを拝見し私としてもショックを受けていた。発言は不適切で大変遺憾と考えている。私は会長就任の際に、国民の皆様の信頼回復に努めるべく、ジェンダー平等の推進を重要施策の一つに掲げ、スピード感のある実行に努めてきた。このような出来事はあってはならないことだと思っている。佐々木氏によるとアイデアを出し、仲間内でやり取りをしていた際に不適切な表現をしてしまったとのことだった。スタッフの指摘で、謝罪をし、撤回をしたものだそうであります。やり取りの中であがっていたタレントの方に対しては大変な侮辱となる発言となり、心からお詫びを申し上げたいという話があった。合わせて佐々木氏からは昨晩、電話謝罪文で辞意が伝えられた。昨年12月に現在の式典制作体制となり、大会まであと4カ月と迫っていたことから、佐々木氏の存在は式典を成功させるためには極めて重要。またリオのハンドオーバーや昨年7月の1年前プログラムの実現など、組織委員会への貢献は大変大きなものだった。しかし昨晩の辞意から一夜明け、佐々木氏から改めて事実の説明と反省とお詫びの言葉があった。正式に辞意が表明されたので、以上のような状況を踏まえ、佐々木氏の判断を重く受け止めた。本人の辞意は固く、また組織委がジェンダー平等を重要施策として掲げている以上、辞意を受け入れることとした。佐々木氏についてはこれまでの多大な貢献に対して謝意をお伝えした」などと昨日からの経緯を説明。佐々木氏が正式に辞任したことを発表した。

渡辺直美さんへの侮辱発言が発覚した東京2020開・閉会式総合統括の佐々木宏氏が辞意表明

2021.03.18 Vol.Web Original

 東京オリンピック・パラリンピックの開・閉会式の演出を総合統括するクリエーティブディレクターの佐々木宏氏が3月17日、辞意を表明した。

 佐々木氏については同日、文春オンラインが佐々木氏が昨年3月、LINEのグループラインの中でオリンピック開会式のアイデアのひとつとしてタレントの渡辺直美さんをの容姿を揶揄し侮辱する発言をしていたことを報道。これを受け、佐々木氏は深夜に組織委を通じて謝罪文を出し、その中で辞意を伝えたことを明かしていた。

 開・閉会式については昨年12月に狂言師の野村萬斎氏が統括していた7人で構成されていた演出チームを解散し、パラリンピックの演出統括だった佐々木氏が総合統括に就任していた。佐々木氏はリオ五輪閉会式で行われた2020年東京五輪へのハンドオーバーの企画・制作を務め、一昨年7月、昨年8月には「東京五輪1年前セレモニー」も担当した。

 昨年12月の就任を発表した会見ではアドバイザーとなった野村氏が「これだけ分断してしまった世界が集まれるということをまず祝していただきたいし、その意味を深めていただきたい」などと佐々木氏に期待していたが、佐々木氏は自らの発言で新たな分断を呼ぶことになってしまった。

東京2020 開幕への道【アフロスポーツ プロの瞬撮】

2021.03.17 Vol.web original

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。

橋本聖子会長が海外からの観客受け入れに「聖火リレーの前には決めたい」。無観客は議題に上がらず

2021.03.03 Vol.Web Original

東京都、政府、IOC、IPCと五者協議

 東京2020組織委員会が3月3日、東京2020大会時の新型コロナウイルス感染症対策について、東京都、政府、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)との五者協議を行った。

 協議後に組織委の橋本聖子会長が囲み取材に応じ、コロナ対策として「安心安全な大会開催を最優先とし、変異株への対応や検査の重要性についても確認し、しっかりと行っていくことを確認した」などと語った。

 観客の扱いについては「海外からの観客については国内外の新型コロナウイルスの感染状況や防疫措置、専門家による科学的な知見等を勘案し3月中に判断することとなった」とし、会長自身としては「具体的には聖火リレーがスタートする3月25日までには決めたいと考えている」と見解を述べた。3月中に判断するという根拠についてはホテル等の関係者や海外からの観客などを考慮し「早い段階で決定してほしいという声がIOCにもIPCにも寄せられている」と説明した。また「国内の皆様にも、まずは海外をどうするのか、国外からの観客をどうするのかということを決めていくということが、より安心安全につながると考えている。そういう意味で聖火リレーがスタートする前に決めていく必要があるんだろうと考えている」とも話した。

車いすバスケットボール 香西宏昭「車いすバスケ界のエースが 競技20年で気づいたこと」

2021.02.22 Vol.738

TOKYO 2020 COUNTDOWN
 日本で唯一、車いすバスケットボールのプロ選手である香西宏昭は今年、競技生活20年を迎えた。小学6年生で車いすバスケと出会って以来、めきめきと頭角を現し、北京、ロンドン、リオと3大会連続でパラリンピックに出場。名実ともに国内エースとして活躍する彼が見つめる、車いすバスケの現在そして未来とは。

森会長の辞任に川淵氏の辞退。白紙となった選考で、検討委員会が発足

2021.02.12 Vol.Web original

 東京2020組織委員会の森喜朗会長は12日、女性蔑視発言問題の責任を受け、正式に辞任を表明した。また、後任候補とされていた元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏が候補の辞退を表明。白紙に戻った会長選びで、この日開かれた評議員会・理事会合同懇談会では、後任の選任手続きについて選考検討委員会を発足することが決まった。

 森会長は冒頭の挨拶で「私の不適切な発言が原因で混乱を与えてしまいました。報道の通り、本日を持ちまして会長を辞任いたそうと思っております。大事なことは五輪を7月に開催するということ。その準備に私が妨げになってはならない」と説明した。

後任候補「できるだけ早く」

 懇談会後に開かれた記者会見で、武藤敏郎事務総長は、一連の問題について「森会長の発言は極めて不適切だったと思う。組織として重く受け止めたい」と説明。「後任の選考は国民にとって透明性があるプロセスでなければならない。評議員の中から、“選考検討委員会”を立ち上げてはどうかとの意見があった」とし、男女ほぼ半々の理事会メンバーで構成される検討委員会を立ち上げる方針を示した。委員長は御手洗冨士夫名誉会長に決定し、そのほかの人選はこれから行うとした。

 最終的な会長選任の時期は「できるだけ早く。時間的にゆとりのない状態での交代なので、五輪パラリンピックに関する何らかの経験、また我々はジェンダー・イクオリティーやダイバーシティを掲げてやってきたので、こうしたことに認識の高い方であることも必要」と新たな会長像を示した。後任の具体的な名前については「今日は選考のプロセスを決めることが議題だった」とし、候補の名前は挙がらなかった。

組織委の森会長が「女性が…」発言を撤回し謝罪も「そういうふうに聞いている」

2021.02.04 Vol.Web Original

辞任は否定も「さあ。あなたはどう思いますか?」と記者に逆質問

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が2月4日、急きょ会見を開き、前日の日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会での「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」といった発言について謝罪して撤回した。

 この女性蔑視とも受け取られる発言は国内外のメディアで取り上げられ、大きな波紋を呼んだ。

 会見で森氏は「昨日のJOC評議会での発言につきましては、オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な表現であったと認識しており、反省している。そして発言は撤回したい。不愉快な思いをされた皆様にはお詫びを申し上げたい」と発言を撤回し謝罪した。

 オリンピック精神にも反する内容の発言ではあるが「辞任するという考えはない。献身的に7年間お手伝いしてきた。自分からどうしようという気持ちはない」と辞任は否定。しかし「皆さんから邪魔だと言われれば、老害が粗大ごみになったのかもしれないから、そうしたら掃いてもらえればいいんじゃないですか」と今後の世論次第では職を離れる可能性に含みを持たせた。

 また、この「オリンピック精神に反する発言をした者が組織委の会長に適任か」という質問には「さあ。あなたはどう思いますか?」と逆質問する場面もあった。

 森氏は発言の背景については「組織委員会の理事会に出たわけではない。JOCの理事会に名誉委員という立場で挨拶をした。自分なりに整理はしていたつもり。組織委員会の理事会と一緒にされている方がいる。特に海外の方は一緒にされるかもしれないが、それは皆さんの報道の仕方だと思う。あくまでもJOCの評議委員会で挨拶をしたということ。山下さんがJOCの人事の改革をされるのに大変な苦労をした。最初から理事会では相当突き上げられたりして、難航しているという相談があったから、“頑張れ”と後押しをしてきた。山下さんの最初の大きな仕事として、最も成功してもらわなければならないところが人事のことでしたから、それはよくできたということは、私は評価して、山下さんにお礼を申し上げるということを、そこで発言していた。いわゆる政府からきているガバナンスに対しては、“あまり数字にこだわると運営が難しくなることもありますよ”ということを話している中で、私の知っている理事会の話を引用して、ああいう発言があったということ」と組織委の理事会ではなく、IOCの臨時評議員会での発言であることを強調。

 この発言に「会長としての発言ではないから責任は問われないという趣旨か」という質問が飛ぶと「責任を問われないとは言ってない。場所をわきまえて話したつもり」と答えた。

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