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「ADHDの人に向けた映画のつもりが…」自身も診断受けた映画監督の熱意にベテラン女優も共感「生きづらさへの支えに」

2025.06.21 Vol.web original

 映画『星より静かに』の初日舞台挨拶が11日、都内にて行われ、君塚匠監督とキャスト、プロデューサーが登壇。自身もADHDと診断された君塚監督が本作に込めた思いを語った。

 現在、日本には300万人の症状を持つ人がいるとされているADHDをテーマに、君塚監督が自らの実体験をもとに、ドキュメンタリーとドラマをミックスさせて描くオリジナル作品。

 今回、監督・脚本・企画・出演まで担った君塚監督。「最初、この映画は個人的な映画としてスタートして、クラウドファンディングで低予算でというはずだったんですけど、私の熱量に賛同してくださる方が徐々に増えて、ついには商業映画として全国順次公開できる運びとなりました」と満席の客席に感激。

 55歳でADHDと診断されたという君塚監督。「人様に迷惑をかけるような、ずっと生きづらさを感じていて。理解してくれる人も多いんですが、ときには差別的な面もあったりする。そういうことも含めて自分を表現したいと着手したんです」と振り返り「最初はADHDの人に向けた映画のつもりだったんですけど、ADHDじゃなくても生きづらさを感じている人ってもっとたくさんいると思うんです。そういう人たちに向けた映画として届いたらいいなと」。

 この日は、監督の熱意を受け止めたキャストたちも登壇。ドラマパートで、ADHDである夫を演じた内浦純一は、監督と「デートのように(笑)」時間を共有しながら役作りをしていったと明かし「ADHDを知りたくて一緒に過ごさせていただいていたのが、だんだん、ただ監督と一緒にいるのが楽しくなってきて。ADHDって何なんだろうと。そういった思いも監督にお話しし演じました」、ADHDの特性を持つ青年を演じた三嶋健太も「学ぶうちに、何となく知っているというのは怖いことだなと思いました」と難役を振り返った。

 支える家族側を演じた蜂丸明日香は「相手をADHDだからという意識を持たないつもりでも、大切な人を支えたいと言う思いが強くなるほど過保護な表現になってしまったり。優しさの形をすごく考えさせられました」。

 同じく、渡辺真起子も「ADHDと名前がつくと先入観を持つこともあるかもしれないけど、名前がつくことで、その人のことをもっと考えてみようと思えることもある。他者と足並みをそろえなければならない生きづらさへの支えになったら」。

 森重晃プロデューサーが「映画界なんて変なヤツがいっぱいいるから…(笑)」と冗談めかすと、渡辺が「本当ですよ。全部に名前をつけてもいいくらい」とクセものぞろいの映画界を引き合いにし、会場も大笑い。

 そんなベテラン女優の渡辺に、君塚監督は「着替え部屋を用意できず車の中で着替えてもらった」と低予算の現場に恐縮。すると渡辺が「原っぱでも着替えますよ(笑)」と返し、さらなる笑いをさそっていた。

 新宿K’s cinemaほかにて全国順次公開。

田中圭 頭を下げた瞬間に顔を「ペロリ」共演犬と相思相愛

2022.08.01 Vol.web original

 

 映画『ハウ』完成披露上映会が1日、都内にて行われ、田中圭、池田エライザらキャスト陣と犬童一心監督が登壇。タイトルロールの保護犬ハウを演じた俳優犬ベックと初対面した田中の姿に犬童監督が驚いたエピソードを明かした。

“ワン”と鳴けない犬ハウとちょっぴり気弱な青年・民夫の絆が紡ぐ感動作。

 登場するや田中の指示通り、きちんとお座りをしたハウ役の俳優犬ベック。冒頭の挨拶で「温かい映画が出来ました」と頭を下げた田中の顔をペロリとなめる無邪気さに、会場もメロメロ。

 撮影時、ベックはまだ1歳と少しのやんちゃざかりだったといい、ハウを引き取る民夫役の田中は「散歩とかも突然、マックススピードで走り出すんです。僕もまだ体力的には自信がある方なんですが、ついて行くのに必死でした」と苦笑。

 撮影で共演シーンは無かったものの取材でベックと触れ合ったという池田エライザは「撮影中は本当におりこうさん。“よし”とか“OK”という言葉にメチャクチャ敏感で。OKと言われた瞬間、年相応の無邪気なワンちゃんに戻る」とベックの賢さに脱帽。

 犬童監督も「犬や猫の映画を相当、撮ってきたんですけど、一番、犬も演技をするんだなとすごく思いました。田中さんたちが演技していると、その感じになる」と絶賛し、田中も「完成作を見たらベックがいなかった。全部ハウだったので、すごいな、お前、と。一人で雨宿りしてクーン、となっているところとか…ズキュンです」と太鼓判。

 キャストスタッフはもちろん、観客の心もわしづかみにしたベックだが、犬童監督は「田中さんとベックが初対面したとき、ベックより田中さんに驚いたんです。デカいじゃないですか、ベックって。そこに向かって行く田中圭がオープンマインド140%、2年前から知り合いだったみたいな勢いで、躊躇ゼロだったので、そっちのほうが驚いた。そんなに心開けるんだ、と。ベックもベックでそういうふうに来た人間を腕を広げて迎えてたんで、すごいなと」と感嘆。

 そんな田中はハウにちなみ「心癒されるものは?」と聞かれると「赤ちゃん。最近、友達のところに赤ちゃんが生まれて。ズルいんですけど何の責任も感じず、ただただカワイイ~!ってなります」と、赤ちゃんをかわいがる様子を再現してみせ、会場の笑いを誘っていた。

 この日の登壇者はベック(犬)、田中圭、池田エライザ、渡辺真起子、モトーラ世理奈、長澤樹、犬童一心監督。

 映画『ハウ』は 8月19日より公開。

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