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徳井健太の菩薩目線第100回 約2年半。菩薩目線100回を経て、 仕事、コンビ、いろいろ考えてみた。

2021.06.10 Vol.Web Original

“サイコ”の異名を持つ平成ノブシコブシ・徳井健太が、世の中のあらゆる事象を生温かい目で見通す連載企画「徳井健太の菩薩目線」。記念すべき第100回目を迎え、新たな決意とともに独自の梵鐘を鳴らす――。

 

“公立と私立、どちらに進学させた方が子どもにとっていいのか”について考えた初回から、早いもので『菩薩目線』が100回を迎えた。

 

『俺は、自分の子どもにいろいろなタイプの子どもたちがいることを、自我が目覚める中学時代に知ってほしかったんだよね。例えば、どんくさい子や要領の悪い子がいたとする。そうすると、世の中にはそういう人たちがいて、すべてが自分のペースでいくことはないってことを、何となく理解すると思うの』

(第一回目『「考えられる」子どもに育ってほしいなぁ』より抜粋)

 

1回目は子どもについて考えていた。それから嫁と距離を置くことになるなんて思いもよらなかった。時間は進んでいるんだ。

『菩薩目線』は、毎週ラジオをやっているような感覚に近いかもしれない。一カ月に三つ、コラムになるような話を探さなければいけないということを意識しながら生活をしていたところがあって、メモ帳に何かを書き留めておく量が増えた。

振り返ると、俺は日々の中で何か起こってもスルーしてしまうことが多かったように思う。スルーというか、気に留めないというか。でも、『菩薩目線』で何気ないことを披露したり、人前で何かエピソードを話したりする機会が増えたことによって、意識的に気に留める心構えができたことは大きかった。

文字というのは、面白い。トークにすると弱いと思ってしまうような出来事も、成文化すると面白いかどうかは別にして、一石を投じる機会につながる。笑える笑えないで測れないのも、コラムならではの醍醐味だと思う。自分を客観視したい人は、文字にして残しておくといいかもしれない。

例えば、どこかへご飯を食べに行ったとする。美味しいお店に行くのもいいし、ハズレを引いたっていい。どちらに転んでも、それなりに自分の中で咀嚼できる。小さなことかもしれないけど、文字通り小さなことを一つずつ噛みしめられるようになった約2年半。いったん心の中で気に留めておくというプロセスが、今の仕事につながっているところはあるのかも、なんて思う。

仕事でもいろいろあった。腐り芸人から始まって、気が付くと多様な番組やイベントに出させてもらっている。コロナという状況の中にも関わらず、俺に声をかけてくれることに感謝しかない。

仕事が多岐にわたると、想像力も豊かになっていく。以前の俺は、同業者である芸人と接する以外であれば、ディレクターとの打ち合わせが仕事上、もっとも多かった。ディレクターは、あくまでディレクターであって肩書きでしかない、そんな印象があった。それゆえ、ディレクターという仕事がどんな仕事をしているのかあまり関心がわかなかった。

ところがいろいろな仕事の景色を見ていくと、このコラムの担当編集との打ち合わせしかり、仕事というのは誰かの悔恨の念や責任の上に成り立っているものだと、ようやく理解できた。打合せに臨むディレクターは、方々に頭を下げた結果、当日俺と打ち合わせをしているのかもしれない。

“徳井でいきたい”というリスクを背負っている誰かがいる。その人たちに恥をかかせてはいけない。そう自分の中で思うようになったのが、『ゴッドタン』の腐り芸人あたりからだった。『菩薩目線』の中でも何度か触れているけど、恥ずかしながら35歳を過ぎて、ようやく自覚することができるようになった。

俺が“好き”で関わっているものって、どういうわけか長続きする傾向にある。

ケータイよしもとのコラム『ブラックホールロックンロール』は150回を突破し、MBSラジオの『オレたちゴチャ・まぜっ!』も約10年担当させてもらった。そういえば、グランジの五明と(元ミルククラウン/現怪獣の)竹内と行っていたライブイベントも10年くらい続いた。

山登りが好きなんだろう。みんなが音をあげている中、ただ黙々と登っていくのが好きだったりする。 『菩薩目線』も長く続いてくれたらありがたい。

節目を迎え、今後の目標でも綴ろうと思ったけど、精一杯やるだけだ。願わくば、相方である吉村には、もう一段売れてほしい。それこそ、あいつが MCを担当するようなレギュラー番組でも持ってくれたら、吉村はもう俺を気にすることなく活動ができるはずだ。

俺のことなんて眼中に入らないくらいに売れるのが理想だ。あいつは俺を見下してるくらいがちょうどいい。中途半端に俺に嫉妬したりすると、俺にとってもあいつにとっても良くない。だから早く、もう一段階売れてほしい。次の節目では、そうなっていることを願ってやまない。

柳楽優弥「三大映画祭にもう一度行きたい」30歳の節目で念願の『やぎら本』発売

2020.09.20 Vol.Web Original

 柳楽優弥が20日、自身初のパーソナルブック『やぎら本』(SDP)を発売、リモート会見した。

 30歳の節目に合わせて制作。柳楽のさまざまな表情をとらえた写真集と、是枝裕和監督やクエンティン・タランティーノ監督との対談などで構成された、さまざまな角度から柳楽に触れられる1冊だ。

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