東出昌大を主演に迎えての新作書き下ろし「M&Oplaysプロデュース『二度目の夏』」

2019.07.16 Vol.720

 M&Oplaysが作・演出に岩松了を迎え定期的に行っているプロデュース公演では、これまでに宮藤官九郎主演で『アイドル、かくの如し』『結びの庭』、小泉今日子主演で『家庭内失踪』、堀井新太、黒島結菜を中心とした若者の群像劇『少女ミウ』など多くの話題作を発表してきた。  本作はその最新作。東出昌大を主演に迎えての新作書き下ろし。湖畔の別荘を舞台に大人の男女が繰り広げる「嫉妬」をめぐる物語となる。  何不自由なく育った田宮慎一郎は代々続く田宮家の会社を継ぎ、6代目の社長となった。そして2年前に美しい娘・いずみをめとる。夏の間は郊外の別荘で暮らすのが田宮家の習慣で、この夏も別荘には2人の姿があった。その別荘には田宮家に関わる人々の他に、慎一郎の後輩で親友でもある北島謙吾も滞在していた。謙吾は慎一郎が東京へ出張する間、いずみの遊び相手を務めていたのだが、やがて2人の間に噂が立つようになる。これをきっかけに周囲の男女の関係性が微妙に崩れ、それぞれの「嫉妬」からさまざまなドラマを生んでいくことになる。  主人公・田宮の東出、その妻・いずみの水上京香は岩松作品は初出演。物語のキーマンである北島役は岩松作品には4回目の出演となる仲野太賀が任された。

宮藤官九郎×三宅弘城の『ロミオとジュリエット』はシェイクスピア観を揺るがす作品になるか

2018.09.10 Vol.710
 この秋、みんなのシェイクスピア観を大きく揺さぶる舞台が上演される。それはM&Oplaysプロデュースの『ロミオとジュリエット』。演出を務める宮藤官九郎とロミオを演じる三宅弘城に話を聞いた。

あらゆるものをのみこんだものが舞台芸術である M&Oplaysプロデュース『市ヶ尾の坂』

2018.05.13 Vol.706

 定期的に作・演出家の岩松了と作品を作り続けているM&Oplays。今回は1992年に「竹中直人の会」で上演された『市ヶ尾の坂』を実に26年ぶりに新演出で上演する。  舞台は変わらず1992年。市ヶ尾の坂で暮らす三人兄弟がいた。田園都市計画の名のもと、無くなることを余儀なくされている兄弟の家。状況に抗う術もなく懸命に生きていこうとする母なき兄弟たちと、3人と触れ合うこととなった母になることができない美貌の人妻。さらにその夫、家政婦などが絡み、一見何でもない日常の中に潜む、謎とエロスが交差する危うい関係が浮かび上がる。  物語の軸となる三兄弟に大森南朋、三浦貴大、森優作。美貌の人妻に麻生久美子、その夫に岩松了、謎の家政婦に池津祥子とカチッと収まりつつもざわざわさせるキャスティングとなっている。  大森は2013年の『不道徳教室』以来久々の岩松作品。麻生は初舞台が岩松作品で、かつ過去4本の舞台出演の半分が岩松作品と岩松との強い信頼を感じさせる。  初演から26年が経って、地形的なものも時代背景も変わった。そんな中であの濃密な人間関係が今回はどのように描かれるのか興味深いところ。
【日時】5月17日(木)〜6月3日(日)(開演は火木金19時、水土14時/19時、日14時。※23日(水)は14時の回のみ。月曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】本多劇場(下北沢)【料金】前売・当日共6500円、U-25チケット3500円(観劇時25歳以下対象・当日指定席券引換・枚数限定・要身分証明書・チケットぴあにて前売販売のみ取扱)【問い合わせ】M&Oplays(TEL:03-6427-9486=平日11〜18時)[HP] http://mo-plays.com/ichigao/ )【作・演出】岩松了【出演】大森南朋、麻生久美子、三浦貴大、森優作、池津祥子、岩松了

根本宗子作・演出の新作舞台は不安定な人間関係を巧みな演出で描く会話劇

2017.02.17 Vol.684
 M&OPlaysプロデュースの舞台『皆、シンデレラがやりたい。』(東京・本多劇場)が2月16日に初日を迎えた。  M&OPlaysはこれまで岩松了、倉持裕といった日本を代表する劇作家・演出家を迎え、クオリティーの高い作品を提供し続けてきた。その作品は、例えば倉持なら自らが主宰を務める劇団、ペンギンプルペイルパイルズではなかなかできない作風だったり、接点のなかった出演者を起用したりといった、M&OPlaysならではのもの。  今回は昨今の演劇界を席巻する『月刊「根本宗子」』の主宰で、劇作家・演出家、そして女優の根本宗子を作・演出に迎えて送る。  物語はまだ売れていない男性アイドル、一之瀬陸の追っかけの3人の女を中心に繰り広げられる会話劇。一之瀬の彼女(こちらは地下アイドル)が一之瀬との写真をSNSに投稿したことをきっかけに巻き起こる騒動…騒動といってもこの3人の中で起こるさまざまな対立と葛藤を中心に軽快な会話劇で一気に描き切る。  3人の追っかけを演じるのは高田聖子、猫背椿、新谷真弓という演劇界屈指の芸達者たち。ちょっとした言葉や出来事で敵が味方に味方が敵に――3人という人間関係が一番ややこしくなる状況を阿吽の呼吸で演じる。

いろんな意味で見たことのないものを見せてくれそう M&Oplaysプロデュース『皆、シンデレラがやりたい。』

2017.02.11 Vol.684

 M&Oplaysプロデュースではこれまで岩松了、倉持裕、ノゾエ征爾といったさまざまな劇作家・演出家を迎えプロデュース公演を行ってきた。  今回は現在の演劇界で最も注目を集める存在といっても過言ではない劇作家・演出家の根本宗子を作・演出に招いての公演。  物語は、「一ノ瀬陸」というアイドルの「追っかけ」である3人の40代の女たちと、一ノ瀬陸の彼女を中心に展開。この3人の「負け組」と地下アイドルもやっているという彼女、そしてそのマネジャーの男も加わり、一ノ瀬陸というアイドルを中心に奇妙なバトルが展開される。  互いの利害が絡まり敵と味方の立場がころころと変わるうちに、それなりの友情や利害で結びついていた3人の仲にも微妙な空気が流れ始める。そして彼女のエキセントリックさが徐々に露呈されていくうちに物語は思わぬ方向へと流れていく。  根本はこれまで同世代の俳優たちとの仕事が多く、また「アイドル」に対する造詣の深さから舞台経験のない女優やアイドルの魅力を引き出すことに長けてきた。  今回は高田聖子、猫背椿といった経験豊富な女優たちと対峙し、どのような作品に仕上げることができるのか。高田らのこれまで見たことのないような魅力も引き出してくれそう。そんな見方も面白い。

今回も間違いなく外れナシ M&Oplaysプロデュース『家族の基礎 〜大道寺家の人々〜』

2016.08.23 Vol.673
 ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕を作・演出に迎えるM&Oplaysのプロデュース公演も今回で9作目。  倉持が劇団公演で見せる作品とは一味違うコメディー色のより強い作風ががっちり観客の心をつかみ、2010年からは7年連続の公演。それもすべて新作で外れナシ。プロデューサーの確かな手腕と作家との強固な信頼関係がうかがえる。  今回は倉持にとっては初めてのシアターコクーンでの公演。『孤独のグルメ』でおなじみの松重豊と鈴木京香が舞台初共演で夫婦役、その子供に林遣都と夏帆、お笑いトリオ「我が家」の坪倉由幸、六角精児が脇を固めるなど話題も豊富で、チケットも「劇場が大きくなったから」とおちおち油断もしていられない?  今回描かれるのは「大道寺家」という風変わりな家族の物語。その中心にいる父親の気まぐれと、彼らを取り巻く個性豊かな人々との狂騒と混乱に翻弄され、大道寺家は一家離散に追い込まれてしまう。しかしそこから父親は一念発起し、なんとか家族の「絆」を取り戻そうとするのだったが…。  家族の長〜い年月を描く中で、回想シーンでは松重が半ズボン姿で小学3年生に扮する場面もあるという。それだけでも見てみたいかも。 M&Oplaysプロデュース『家族の基礎 〜大道寺家の人々〜』 【日時】9月6日(火)〜28日(水)(開演は火金18時30分、水木日13時、土13時/18時30分、月15時。21日(水)は18時30分の回あり。12・20・26日休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】Bunkamuraシアターコクーン(渋谷)【料金】全席指定 S席 9500円、A席 7500円、コクーンシート 5000円/U-25チケット 4,500円(25歳以下対象・当日指定席券引換・枚数限定・要身分証明書・チケットぴあにて前売販売のみ取扱)【問い合わせ】M&Oplays(TEL:03-6427-9486=平日11〜18時 [HP] http://www.morisk.com/ )【作・演出】倉持 裕【出演】松重豊、鈴木京香、夏帆、林遣都、堀井新太、黒川芽以、山本圭祐、坪倉由幸、眞島秀和、六角精児、長田奈麻、児玉貴志、粕谷吉洋、水間ロン、山口航太、近藤フク

小泉今日子と風間杜夫が倦怠期を迎えた夫婦役 舞台『家庭内失踪』上演中

2016.03.14 Vol.662
 M&Oplaysプロデュースによる舞台『家庭内失踪』が3月11日から東京・下北沢の本多劇場で上演中。  同作は作・演出家で俳優の岩松了の新作書下ろし。岩松の代表作のひとつである『蒲団と達磨』の後日譚ともいえる作品で、倦怠期真っただ中の夫婦を中心に繰り広げられる笑いと謎に満ちた岩松的ホームドラマの決定版。  その夫婦役を小泉今日子と風間杜夫が演じる。  倦怠期の夫婦のもとに妻とは血のつながらない前妻の娘が現れる。娘は夫とギクシャクした関係となり、実家に戻ってきたのだ。その娘のもとには夫の部下が説得のために現れるようになり、また夫のもとには近所に住む謎の男が時折訪ねてくる。  さまざまな立場の人たちがさまざまな言葉を発していく中で、そこにある人間関係が微妙に変化し、事態は思わぬ方向に転がっていくのだった。  東京公演は23日まで。以降、大阪、名古屋、福岡ら全国10カ所で公演を行う。  詳細はM&Oplays(TEL:03-6427-9486=平日11〜18時 [HP] http://mo-plays.com/kateinai/ )まで。

大人の物語を真正面からと斜め後ろから
M&Oplays プロデュース『水の戯れ』

2014.10.26 Vol.629
 岩松了が1998年に「竹中直人の会」に書き下ろした作品を16年ぶりに再演する。  男女間のすれ違う思い、微妙な心の揺れを描く大人の恋愛ドラマ。チェーホフの『ワーニャ伯父さん』を意識して書かれたこの戯曲は、岩松作品の特徴でもある、人間の抱える裏側の狂気を、時にユーモアを交えて鋭く暴く。  家業を継ぎ、仕立屋をしている男は長らく、死んだ弟の妻にひそかに思いをよせているのだが、生来のまじめな性格のため、告白できないでいる。そんな折り、海外で仕事をしていた無頼な兄が若い中国人の恋人を連れて帰ってくる。その2人を見て、男は女に思いを伝える決心をするのだが、なかなか行動に移すことができない。そのうちに微妙なバランスで成り立っていた人間関係に狂いが生じ始めるのだった…。  今回は屈指の名バイプレイヤーである光石研を主役に据えた。“大人感”がハンパない作品となっている。

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