主婦年金問題で新旧厚労相が責任なすり合い

 主婦年金問題が新たな展開を見せている。年金の変更届を出し忘れた専業主婦の救済問題で、菅直人首相は8日夜、細川律夫厚生労働相ら関係閣僚と首相公邸で会談し、未納保険料の追納を認め、年金減額を防ぐ「特例納付」を盛り込んだ国民年金法改正案を今国会に提出する方針を決めた。3年間の時限措置。未納期間を年金受給資格に必要な期間(25年間)に算入する「カラ期間」の導入も盛り込む。これに伴い、1月から導入し、一時停止された厚労省課長通知による救済策を8日付で廃止した。



 現行の救済策は、夫が脱サラした際に適正な手続きを経て保険料を払い続けた専業主婦が存在する一方で、届け出を忘れた人の支払いを免除するという全く理解しがたい不公平なもの。



 細川律夫厚生労働相は4日の参院予算委員会で、昨年12月に厚労省課長通達を出した時点で「私は知らなかった」と述べ、7日の予算委では通達の詳細を知ったのは「今年1月下旬だった」と明らかにし、自らの責任を認めた。救済策は前任の長妻昭厚労相当時の昨年3月に方針が決まったのだが、この時期に細川氏は厚労省副大臣。4日には「私はこの問題にタッチしていなかった。当時の大臣が決めた」と述べ、長妻氏の判断で救済策が決まったことを明言。8日の衆院厚労委員会では「引き継ぎ書の中にこの件はなかった。事前に救済策の内容を聞いていたら私なりの考えを話した」と語った。



 となると収まらないのは長妻氏。国会内で記者団に「救済策で不公平が発生することはあるが、負の遺産をいったん整理しなければならないと判断した。マスコミも入れたフルオープンの形で決定したので周知されているのではないか」と断じた。



 この内紛にほくそえむのが自民、公明両党。細川氏の問責と長妻氏の参考人招致を狙う。年金問題に関しては、超党派で解決策を見いださねば、ならないのだが、今回の件もやはり政局の道具にされてしまうもよう。