「ソーラー賛成!」佐藤タイジが太陽光発電で武道館ライブ

20日に太陽光発電で武道館ライブ
ロックバンド、THEATRE BROOKの佐藤タイジがすごいことをやってのける。20日、太陽光から発電した電気を使ったライブ『THE SOLAR BUDOKAN』を日本武道館で開催する。さまざまなアーティストが集結し、「ソーラー賛成!」と熱いライブを繰り広げる。
「日本武道館でのライブを100%ソーラーでやる」。佐藤タイジがそんなアイデアをぶち上げたとき、周りは本気だとは思ってくれなかったという。

「何を言ってるの、タイジくん!って そんな大きなサイズのライブでやるもんじゃないよ、と。電源の問題はもちろん、お金もかかることだし。それでもやりたいって言う俺は、リアル・ドン・キホーテでした(笑)。だから、今、周りのスタッフを始め、さまざまな企業、そして出演ミュージシャン、いろんな立場の人たちが協力してくれている状況を見ると、すごく気持ちがいいです」

 ライブ開催のきっかけは、3.11。

「俺、武道館でライブをしたことがなくて、1回は武道館でやらないと死ねないと計画を進めていたら、3.11が来た。いろいろと状況が変わって、自分も復興支援イベントの『LIVE FOR NIPPON』を立ち上げてライブをしたりするなかで、3.11が来たから夢の武道館を取り下げる必要はないと思った。ただ、“何も変わってないフリをしている” 側でライブをしたくないというか。自分自身がそっち側にいたくないじゃない。だって、変わったんだから。それだったら、全部ソーラーでやればいいんじゃ、というアイデアが浮かんだわけ。後になって思ったことだけど、『ありったけの愛』という曲の存在もでかいのかな。91、92年ごろに作った歌だけど、それ以来ずっと“その上の太陽は ありったけの愛で出来ていると思いませんか?”と月に何回も歌い続けてきたからね」

 準備を進めるなかで、一番の問題になったのは電力。100%ソーラーパワーでと理想をぶち上げたが、その困難さから、本格始動にあたって「可能なかぎりソーラーパワー」に変更もした。だがしかし、「結局は、コンサートの演出部分のほとんどを、太陽光発電に漕ぎ着けた」。

「楽器などステージ上の電源やPAは太陽光パネルで蓄電した電源、照明はバイオディーゼル、廊下とかの会場照明はグリーン電力証書の認定を受けた太陽光発電所で発電した電力でまかなう。バイオディーゼルをどう見るかにもよるけれど、植物が太陽光を受けて光合成をし、その組織を使って発電した電力だから、俺はこれもソーラーだと思っていいと思う。ここまで来れば、100%ソーラー。あとはみんなに来てもらって、“ソーラー賛成!”っていってもらえればいいんだ」

「反対運動ではなくて、賛成」というスタンスも、このイベントの特徴だ。

「俺、3.11より前に、六ヶ所でライブをしたことがあるんだ。(核燃料の再処理工場施設の問題について)先輩にいろんなことを教えてもらったり、地元の人と関わるなかで、反対し続けるということはこんなにもしんどいことなのか、って思ったのよ。反対運動を続けていくとさ、いろんな理由があって離脱する人も出たり、それによって人間関係も分断されたりしてね。反対を続ける人たちには、何ていうのかな……悲しみが飽和してるの。反対し続けることで逆に希望が見えにくくなっているようにも感じた。原発反対!もいいと思う。だけど、それよりも、賛成のほうが言い続けやすいんじゃない? って思う。ソーラー賛成って言うだけなんて、どこか無責任なところもあると思うよ。俺自身は主催者でもあるしケツは持つけど、来てくれる人は、それでええよと思うわけ。みんなで賛成!って言ってくれればいい。東電の人も、政府の人も、ソーラー賛成は言えるでしょ」

 このうねりが大きくなればなるほど、太陽光などの新しいエネルギーへの移行をせざるを得ない状況になっていくはず。「それが“最近の革命”なんだよ」と、本人。『最近の革命』はTHEATRE BROOKが12日にリリースする最新作のタイトルでもある。「60年代ではなく、2012年、10年代の革命って、こういうことなんじゃないかと。この作品に参加してくれた加藤登紀子さんも言ってましたよ、“革命は起こすことではなく、起きていることを認めることなのよ”って」。さらに「太陽光や再生可能エネルギーだけで武道館ライブができる、できたという事実はデカいですよ。これが可能になる=システムが確立することだから、他でもこのシステムを使えばいい。さらに、そのシステムをブラッシュアップして、幕張メッセでどうの!とかが、見えてくるじゃないですか。それが広がっていけば、大きく変わると思うんだよね」と、続けた。

 本番を前に、プレイベントなどで太陽光パネルから逐電した電力を使ってライブも行い、思わぬ副産物もあったという。

「音がいいんだよ。通常の壁のコンセントから電源を取ると、電気の波長にノイズが乗ることもあるのよ。工事の振動だったり、近くに大きな冷蔵庫があったりするとね。その点、蓄電池は独立した電源でそういうノイズがないから、スピーカーの効率が良くなる。これは、俺だけじゃなくて、みんなが確認しているんだ。音は良ければ良いほうがいい」

 20日、“革命”が日本武道館で起きる。

 (本紙・酒井紫野)
NULL
THE SOLAR BUDOKAN
【出演】佐藤タイジプロジェクト(A100%SOLARS / THEATRE BROOK / TAIJI at THE BONNET / The Sunpaulo /インディーズ電力 / 奥田民生 / 加藤登紀子 / 吉川晃司 / 斉藤和義 / 田中和将(GRAPEVINE) / 土屋公平 / 仲井戸"CHABO"麗市 / 浜崎貴司 / 藤井フミヤ / 増子直純(怒髪天) / 屋敷豪太 / 和田唱(TRICERATOPS) / Char / Leyona / LOVE PSYCHEDELICO / Salyu / Decoration by Candle JUNE
【日時】12月20日(木)17時30分開場 18時30分開演
【会場】日本武道館
【料金】全席指定6900円(税込)
【URL】http://solarbudokan.com/http://solarbudokan.com/