修斗 佐々木信治と憂流加が環太平洋王座獲得

 プロフェッショナル修斗の2013年開幕戦が20日、水道橋の後楽園ホールで開催された。
 この日は、フェザー級とウェルター級の環太平洋の王座決定戦が行われ、フェザー級は佐々木憂流加が判定で徹肌ィ朗を、ウェルター級は佐々木信治が2RKOで小知和晋を破り、ともに初戴冠となった。


 ウェルター級戦の佐々木と小知和は1年4カ月前に対戦し、その時は判定で小知和が勝利を収めている。グラウンドなら佐々木、打撃なら小知和という戦前の予想通り、1Rから小知和の重いフックが佐々木を襲う。グラウンドへ持ち込みたい佐々木がタックルを狙うもパンチを合わせられ、なかなか飛び込めない展開が続く。2Rになっても主導権は小知和。遠めからのフック、高速ジャブからの右ストレートが佐々木の顔面を襲う。時折放つローキック、フックで打開を図る佐々木だが、劣勢は否めない。しかし試合は思いがけないフィニッシュを迎える。かさにかかって攻め立てる小知和に一瞬のスキが生じたのか…。今まで全く見えてなかった小知和の右フックをスウェーで交わした佐々木がカウンターの左フック一閃。事実上この一発で試合は終わっていたのだが、佐々木は追撃の左右フックの連打。前のめりに倒れた小知和にパウンドを落とすとセコンドがタオルを投げ入れ、レフェリーが試合を止めた。2R4分24秒、KO勝ち。


 佐々木は2011年から2012年初頭まで勝利に恵まれない時期が長く続き、一時は引退も考えたとあって、勝ち名乗りを受ける前から号泣。


 広島を拠点とするシューターである佐々木。どうしても練習環境などでハンディを背負うところもあるのだが、それを乗り越えての戴冠だった。「地方の修斗が大好きな人に頑張ればやれるというところを見せたくてずっと頑張ってきた。ささやかな夢がひとつかなった。これからも地方で修斗を広めていきたい」とリング上で挨拶する間も涙は止まらなかった。

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 フェザー級は憂流加と徹が息詰まる寝技の攻防を展開。終盤息切れした徹に対し、体格と若さで勝る憂流加が押し切り、第3代王座に就いた。憂流加は試合後、堀口恭司の名を上げ、対戦をアピールした。世界王者の扇久保博正、堀口、憂流加と揃ったフェザー級から目が離せなくなってきた。