「もし自分なら恐竜を現代に復活させる?」シリーズ最新作監督の答えは…!?

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』J・A・バヨナインタビュー
 巨匠スティーヴン・スピルバーグが生み出した大ヒットシリーズ最新作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』がついに7月13日より全国公開! アメリカはもちろん世界各国でNo.1の大ヒットを記録中の本作で監督を務めたJ・A・バヨナを直撃!
 本当に生きているとしか思えない恐竜たちがスクリーンの中で躍動し、世界中の人々を驚嘆させたシリーズ第1作『ジュラシック・パーク』から25年。J・A・バヨナ監督も1作目を見たときの衝撃を振り返る。
「『ジュラシック・パーク』を見たときに思ったのは、これで物語の語り方が変わった、ということです。つまり、これまで実写映画では描くことができなかったものを描けるようになるのだ、それによって語られる物語も変わってくるだろう、と。本物の恐竜をスクリーンで見られるんですよ! これで壁は崩れたと思いましたね」

 前作ではついに開園したパークで起こるパニックが描かれたが、本作では崩壊したテーマパークがある島が火山の大噴火に見舞われ、クリス・プラット演じる恐竜行動学のエキスパートのオーウェンと、ブライス・ダラス・ハワード演じるテーマパークの運営責任者だったクレアが、恐竜たちを救おうと奮闘する姿が描かれる。
「本作でシリーズは5作目になりますが、第1作目から変わらない点もあります。何が変わらないかというと、一番初めにスピルバーグと原作のマイケル・クライトンが愛を込めて描いた物語です。そこにはエンターテインメントもアクションもありますが、彼らが一番描きたかったテーマは、絶滅した恐竜を現代に復活させることの是非なんです。そして、科学を悪用したらどんなことが起きるかということです。このテーマは第1作目からずっとシリーズの根底に流れていましたが、今の時代を見ると25年前よりもっと今のほうが、この問いが必要になっているのではないかと思いますね。そんな大きなテーマを持っていることがこのシリーズの素晴らしいところなんです」
© Universal Pictures
 パニックやスリラーに終始することない演出は『永遠のこどもたち』『怪物はささやく』など、人知れぬ恐怖や不安をまといながらも感動的な物語を描いてきたバヨナ監督ならでは。
「その、人知れぬ不安、恐怖を一番体現しているのはTレックスじゃないかと思います。今回、主役というわけでは無いんですが、なぜTレックスが一番怖いのかというと、最初に自分たちが生み出した脅威だからです。それは、人類が超えるべきではない一線を越えてしまったのだと、示す存在なのです。Tレックスを恐れるのは、その存在が、実は本当の怪物は自分たち人間なのだと思わされるからかもしれませんね」

 とはいえ、このシリーズが大ヒットしたのは世界中の人々が恐竜にロマンを感じ、実際に見れるなら見たいと思っているから。もし監督だったら…?

「それはとても面白い質問なんですが、僕はその問いに明確に答えを出したことが無いんです(笑)。なぜかというと、現実には科学的に限界があるということもありますし、たとえ技術的に可能であってもそれを用いて復活させるべきかどうかと考えたときに、今ここに恐竜が現れても、それは現代のクローンであって、あの時代に生きていた本当の恐竜ではないわけです。今恐竜を復活させたら、いろいろ見世物にされたり、改造されたり、いいように使われることになるでしょう。もちろん、この目で恐竜を見てみたいですけど、それが本来の姿ではないならよみがえらせるべきではないと思います。だから皆さんにも、この映画で恐竜を目の当たりにする疑似体験を楽しんでほしいですね(笑)」
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 アニマトロニクスの恐竜たちを前に、俳優たちも恐竜と共演している疑似体験をしたようだ。
「アニマトロニクスの中でも僕のお気に入りは、やはりラプトルのブルーですね。ブルーの手当てをするシーンでは、台の下で11人のスタッフが操作して本物さながらに動かしていました。本当にリアルで、クリスたち俳優も本物の感情をあらわにできたのがカメラを通しても伝わってきました。ですからあのシーンは非常に感動的で、自然に生き物同士として撮ることができたので自分の中ではとくに気に入っています。

 本作の今までの違いは恐竜たちが島から脱出することです。恐竜たちが人間の世界へやってきたときに、人間はどうするのか。そんな問いと向き合いつつ、ハラハラドキドキのアドベンチャーを楽しんでもらえればうれしいです」

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は7月13日より全国公開。
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