竹との接点。【黒谷友香の友香の素 vol.187】

2018.05.15 Vol.706

 最近のお気に入りアイテム、それは、竹!  今まで竹に接点があったものはというと、ざるやカゴ、バックなどの日用品。竹林の散策は昔から結構好きで、たまにゆっくりと時間をかけて歩いてみたりもします。竹林に入った瞬間に、竹林を吹き抜ける風と竹の葉が奏でるサラサラサラ〜という心地の良い音色に全身が包まれ、頭上に降り注いでいたギラギラした陽射しもたくさんの竹の葉に遮られて、少し暗くなり、スッと気温が下がるのが感じられます。地面に散り積もっている葉を踏みしめる音と、自分の息遣いだけが聞こえてくるような静寂の中を散策すると、日常のバタバタとした慌ただしい気分もすっと落ち着くようで、思わず深呼吸をしたくなります。ふかっとした落ち葉の敷き詰められた地面に寝転んで、葉と葉の合間から見上げる青い空の色に癒されたりして…。  もちろん、食べる筍も大好き! シーズンになると筍掘りをして、旬をいただくのが毎年の習いで、今年も美味しかったです。

天道虫【黒谷友香の友香の素 vol.186】

2018.04.11 Vol.705

 こんにちは! 桜の季節も終わり、4月に入りました。もう1年の3分の1、季節が巡るのがホントに早いですね!? 日に日に気温も上がってきているので、少し体を動かすと、うっすらと汗ばむようになってきました。  先日は、畑に春植えのジャガイモとキャベツを植えたのですが、雲ひとつない空を見上げると、一足早く夏を感じさせるような太陽の強い光。お天気に恵まれるのはとってもうれしいのですが、本格的に紫外線が気になり始める季節に突入した事を実感。ガーデニングをする時も、UVカット機能付きの広いつばに、頬や首までもを日よけ布で覆えるタイプのハットは必需品。見た目より機能! これがないとあっという間に日焼けしちゃいそうなので、手放せません。  畑作業は、10人ぐらいで2時間程でした。作業中、冬眠から覚めた、てんとう虫を何匹も見つけました。幸運を運ぶ虫なので外国人の友達は「Ladybug!」とうれしがり手に乗せていたので、私も見つけるとあげて、5、6匹のてんとう虫がその子の手のひらで遊んでいました。  調べてみると漢字では、天道虫と書くんですね。天道とは太陽の事。その由来は、てんとう虫の習性からで、てんとう虫を指に乗せると指先まで行き、空に向かって飛び立ちます。空には太陽。天への道を教えてくれるという事からその名が付けられたようです。日本語ではてんとう虫と言うよ。と教えてあげましたが、由来も知ってたら教えてあげられたのにな!  収穫はジャガイモが6月ぐらいで、キャベツは秋。美味しくできるといいな。  さて、ガーデンのほうは今、水仙やスノードロップ、チューリップ、ヒアシンスが盛りを迎え、色とりどりの花が目を楽しませてくれています。面倒な紫外線対策以外は本当に良い美しい季節! 太陽に向かって飛べるてんとう虫が羨ましいわ〜。

閉じたり咲いたり、脱いだり着たり。【黒谷友香の友香の素 vol.185】

2018.03.14 Vol.704

 あっという間に2月は過ぎ去り、3月がやって来ました。暖かい日は最高気温が20度近くで、ニュースの映像では上着を抱えて歩いている方や半袖の方も映っていて、この季節は服装選びが本当に難しいですよね。今、地方にいる私は、東京から出発した日はダウンを着ていましたが、こちらの気温では、薄手の上着で十分な日もあったり…。各地でなんと差の激しい事。東京に戻る日は、関東地方はまた冬の寒さが戻る予報ですし。早く暖かくなってほしいものです。  ところで、3月は弥生ですが、その由来を調べてみると、『草木がいよいよ生い茂る月「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」が詰まって「やよひ」となったという説が有力』だそう。先月のコラムの最後にクロッカスの芽がちょっと出てきたと書きましたが、3月に入った今、さすが弥生ですね? あれから成長して、可愛い小さな花をたくさん咲かせています。(ちなみに、パエリアやサフランライスに使われるサフランはクロッカスの一種なので、ぱっと見はそっくりですが、花が咲く時期は秋になります)。チューリップや水仙よりひと足もふた足も早くカラフルな花で楽しませてくれるクロッカスですが、日や時間によって花の開き具合が違っているんです。綺麗に咲いているので写真を撮ろうとして行くと、閉じていたりします。さっきまで元気に咲いていたのに! 調べてみると、温度の影響で開閉運動をするそう。まあ、それは想像しますが、ここからが驚きです。なんと、花びらの裏表で、成長できる気温がそれぞれ違っているため、内側が成長すると内側のほうが長くなるので花は開き、外側が成長すると外側のほうが長くなるので花は閉じるのです。なんと器用なことをしていたのでしょうか? このところの寒暖の差の激しさには、花も人も閉じたり咲いたり脱いだり着たりとほんと大忙しですよ(笑)。

ミモザのリース【黒谷友香の友香の素 vol.184】

2018.02.14 Vol.702

 このところ、日本各地で大雪に見舞われるといったニュースが流れ、関東にも雪が降り積もったのは記憶に新しいと思います。暦のうえでは2月4日に立春を迎えましたが、まだまだ寒さが身に染みますね。  2回目に関東に雪が降った翌朝の千葉は、馬場も真っ白になり一面の銀世界となりました。こんな日は馬たちもお休みで、外には出ません。雪が降ったり積もったりすると、それは幻想的で綺麗ですが、困る事もありますよね。都会では交通網が乱れたり、規制がかかったりと大変です。  ここでは、庭に植えられていたミモザの木の幹が、降り積もった雪の重さに耐え切れずに途中で折れて倒れてしまいました。ミモザは黄色くて小さい花をたくさんつけるとても美しい木です。(ミモザという名のカクテルの由来は、この木の黄色い花に色合いが似ているからだそう。ミモザサラダは粒状に潰された黄卵がミモザの花に似ているところから。)これからちょうど開花の季節を迎えて、美しい姿を見せてくれるところでした。仕方なく切り落とした枝には小さな黄色い蕾がたくさんついたまま。これが咲いていたらどんなに綺麗だっただろうな〜と思うと、そのまま捨ててしまうのではかわいそう。こんなに綺麗な花をつけていた事を残したくて、リースにしようと思い立ちました。丸めて留めただけのシンプルなリースですが、それだけでその場がパッと明るくなるような華やぎをもたらしてくれています。  暖かくなる日が待ち遠しいですが、雪が溶けて現れた地面をよ〜く観察してみると、球根類のクロッカスや水仙の芽が地面からピョコピョコっと芽を出し始めました。去年咲いてから、1年ぶりに再会できてとてもうれしいです。今年もまた可愛らしい花を咲かせて楽しませてくれる事でしょう。ガーデニングもこれからが楽しくなる季節。春はもう、すぐそこまでやってきています!

ヨシ、海外に行こう!【黒谷友香の友香の素 vol.183】

2018.01.10 Vol.702

 パスポート、手元に返って参りました〜! 運転免許証の写真とは、やっぱり違う。  前回の続きになりますが、去年の12月にパスポートと運転免許証の更新時期がちょうど重なったので、気合を入れて写真屋さんでそれぞれ用に撮ってもらったところまでは良かったのですが、運転免許証の更新は更新センターに行ったので、持ち込みした写真は使えないっという事に(試験場ならOK)。その場でまた撮りました。で、パスポートの写真は?というと…。受け取って、まずは写真チェック。やっぱり気合写真をそのまま使えたので出来上がりが良い。でも、気合入れて撮った写真も、海外に行く準備中「あ、パスポート持ったっけ?」っの確認の時にパカっと開いてちらっと自分が見るのと、出入国審査場でしか見せないのであった。運転免許証のほうが何かと身分証明に使ったりするからお目見えしちゃう。  なのに、運転免許証のほうの写真は、「No〜!!」って感じなのだ。逆なら良かった、トホホ。っと、これを書いていて「ん??」っと思ったのが、去年、私、海外行ってないんじゃない?っという事。古いパスポートを開いて出入国のハンコを見ると、2017のハンコは…ない。っというか近年、行ってない。年1回もパスポートを開いておりませんでした。写真がどうこうの前に本体を使おうよね〜。  ヨシ、今年は、海外に行こう! 今、海沿いを走る車内で書いてますが、太陽に照らされてキラキラと輝くこの海を渡ろう!! 今までもプライベートで行った海外は20年くらい前、友人と韓国旅行に1回行っただけ。後は全てお仕事でなので、今年はプライベートで行きます。そして気合写真ページをサッと開いて、いろんな国の出入国審査場を通過したいと思います。今年は2回は行きたいぞ。10年パスポート、どれくらいハンコが押されるのでしょうか? 楽しみです。

笑うしかありません【黒谷友香の友香の素 vol.182】

2017.12.13 Vol.701

 お休みのある日のこと。免許証の更新いつ行こう?とぼんやり考えつつ家の掃除をせっせとしてました。私は12月が誕生日なので、更新案内が1カ月前から届いており、そろそろ行かなきゃっと思う日々。でも誕生日の1カ月後までに更新すればいいんだし、まだいいかっと思いながら、戸棚を整理してた時、保管してあるパスポートが目に留まり、パラパラとめくって最近は海外に行ってないなぁ。赤いパスポートは10年だよね。  そういえばパスポートの更新って? ふふふっパスポート写真、若いなぁっなんて突っ込みを入れながら有効期間の欄を見ると、なんと有効期間の4日前!! 4日前ってマ、マジですか?!  慌ててパスポート更新を検索。土日祝はやってない。しかも有効期間内と外では必要な書類が違い、行くなら書類が要らない有効期間内でしょ!っとカレンダーを見ると、見事に土日を挟んでる!  行くなら明日か明後日。スケジュールは、明日は夕方から。ラッキー明日行ける!とほっと胸を撫で下ろし、証明写真もパスポートと免許証の両方撮れるし、これって一石二鳥! 次の日、5年10年と見る写真なのでメイクを念入りに施し、写真屋さんの照明を浴びてバッチリ撮影。パスポートは無事更新! 免許はその近くの免許更新センターへ。  写真もいい感じに撮れたし、あとはビデオを見るのみと気楽に構えていたら、持ち込み写真を使いたい場合は試験場へ行かないとならないと教えられ唖然。マスクや帽子の跡が付かないように気をつけて、前日はパックもして念入りメイクもしたのにぃ! その説明前まで気楽に構えていた私は、マスクに帽子姿。ハイ、ばっちり跡付いてます。めちゃくちゃショック?? でもせっかく来たし今日済ませたかったので、その場で写真撮影しました。出来上がった免許証写真はって? そりゃもう、、、笑うしかありません。

ちょっと大き過ぎ?【黒谷友香の友香の素 vol.181】

2017.11.16 Vol.700

 お天気に恵まれた日曜日の朝に、友人たちとキャベツの収獲をしてきました。夏に苗を植えたキャベツ、ちょっと大き過ぎ?? っと思うぐらい立派に成長。今まで、レタスや白菜などは植えたことはありましたが、キャベツは初めてで収獲したことがありません。  どう収獲するのかが分からなかったので、友人に聞いて教えてもらいました。売られているキャベツって葉が蕾みたいに丸くなってて、食べる時に外側から剥がしますよね。土に植わってる状態の時は、外側の何枚かの葉が大きく開いています。その開いた葉の中心に、丸い蕾状態のキャベツがあるのです。なので収獲は、開いている葉っぱから丸い蕾の部分を切り離すみたいに、蕾の根元に刃を入れてカットします。これで、売られている時の状態に。スーパーなどでよく見るキャベツの大きさよりも、随分と大きいので、これは収獲が大変かな?っと思いながら挑みましたが、意外とすんなりと茎からも切り離せるし、持ってみたら重さも「すごく重いっ」ってほどではなくて、あっさり、ひょいっと収獲できたのは意外でした。  収獲跡に残った開いている葉っぱたちは、馬やうさぎ用に収獲! 持ち帰って、一枚一枚洗い、おやつとしてあげると、何でも食べた〜いという食欲旺盛なタイプの馬は、あげると匂いを嗅いですぐにバクバクと食べましたが、初めてキャベツの葉を見る馬は、キャベツに興味はあって「これは何だ?」と鼻でフンフンと匂いを嗅ぐけれど、やっぱり食べな〜いという馬もいたりと馬それぞれでした。  あ、今回はキャベツと一緒に、パクチーも収獲したので持って帰り、スムージーに入れて飲みました。他の具材とパクチー独特のあの味が上手くマッチして、畑の作業後に飲んだこともあってかとても美味しかったです。まだ畑には白菜、水菜、レタス、カブ、があったのでこれはまた後日収獲することに。楽しみだな!

山女デビュー!【黒谷友香の友香の素 vol.180】

2017.10.22 Vol.698
みなさん、こんにちは! 10月に入り、気がつけば今年もあと2カ月となりました。早いものです。  私はこの秋、人生初となる登山をしてきました。しかも北アルプス〜!! 数年前からの山ガールブームは知っていましたが、私にとって登山というのは、小学生のころ行った「耐寒登山」をイメージするぐらいの自分からは遠い存在だったのでノーマークなカテゴリー。  そんな私の初登山。コースはというと、常念岳から燕岳までを縦走!! 縦走とは、走るんではありませんよ。(私が肩に食い込む40リットル入るザックをよっこらしょと背負い、ハアハア言いながら一歩一歩登っていると、上からタタタタ〜っと軽装なスタイルで走り降りて来る方、何人かとすれ違いましたが、あれにはびっくり!)  縦走とは、尾根伝いにいくつかの山頂を極め歩くことで、今回は4日間をかけて縦走してきました。いや、本当に良い経験をさせていただききました。行って良かったです!   湊かなえさんの小説が原作となる、ドラマ『山女日記』の撮影で、9月の中旬から10月頭まで長野県の白馬に滞在。山女日記というタイトルからもお分かりのように、登山道中でのストーリーとなるため、実際に登山をしながらドラマの撮影をしました。放送は近くて、10月29日と11月5日の2週連続になります。「山」を舞台に繰り広げられる登場人物たちの群像劇と、北アルプスの美しい自然をお楽しみいただけるかと思います。  写真は標高2922mの大天井岳からの眺望です。奥には富士山も見えます。今回の登山ではそこが1番高い標高になります。下に見える山小屋は2日間お世話になった大天荘さん。部屋の窓から見た、だんだんと明るくなっていく朝焼けは、本当に綺麗でした。登山の醍醐味の1つかもしれませんね。あ、特別天然記念物の雷鳥も見ました。またいつかどこかの山に登ってみたいと思います。今度は日帰り温泉付きで(笑)。

今年の秋はちょっと違う【黒谷友香の友香の素 vol.179】

2017.10.05 Vol.698
 みなさん、こんにちは! このところ、めっきり肌寒くなって、半袖ではもう過ごせません。  夏から秋にかけての変化、毎年もう少し穏やかだったような気がします。今年はいつの間にやら「秋、スグッそこまで来てます!」って感じで、街のショウウインドウに飾られている洋服を見ても、いつもなら、「まだちょっと暑いじゃん。もう秋物売ってるの? まだ買うのはちょっと先でも?」なんて、季節先取りショウウインドウの前をササーっと通り過ぎていました。でも、今年は「さ、さむうござんす、それ一式、今ください」な〜んて思っちゃいます。  ハッ、これって秋に乗り遅れてるの!? いや〜、乗り遅れたくな〜い。ここは四季折々楽しみ方がある日本、秋を楽しみたい!! ということで、急いで〇〇の秋計画を立てたいと思います。皆さんはこれからどんな〇〇の秋の計画を立てていますか?   私は、まず、食欲の秋計画! 外せませんねっというか、秋に限らず一年中良く食べてるじゃんか?! という私の側近方の声もちらほらと聞こえて来ますが…。イヤイヤ!! 今年の秋は違うのです。今年の食欲の秋計画、その内容は、「アウトドアで食べる料理を自分で作って食べたい」です。アウトドア好きでしょ? たまにバーベキューをしてるのでは? う〜む、そう言われるとしてたりもしますが。  先日は、ピザ釜でピザ作り。ピザの生地を自分で広げて丸くして、好きなソースを塗り、好きな具材をこれでもかと乗せて、釜に投入。美味しく食しました。それも好きですが、この秋にやりたいのは、バーナー(小さなガスバーナー)とホットサンドクッカー(パンを挟んでホットサンドを作る道具)でいろいろホットサンドを作ったり、外でコーヒーを淹れて飲んだり、お抹茶を点てていただいたりしたい。外ごはんの青葉マークですが、まずはそこからやっていきたいのです。天高く私肥ゆる秋です(笑)。

真夏の茶の湯ことはじめ【黒谷友香の友香の素 vol.178】

2017.09.02 Vol.697
 背中を流れる汗が止まらな過ぎなのがおかしくて、一人笑ってしまう。暑い。今日の最高気温は32℃。日傘を差して10分ほど歩いていた時はこんな汗はかいていなかったのが、東京・白金台にある、畠山記念館の空調の効いた涼しい館内に入った途端に、どっと汗が噴き出してきた。  茶の湯の美術館として親しまれている畠山記念館。その一階ロビーで汗が落ち着くのを待ってから、お目当ての『茶の湯ことはじめⅡ』が開催されている二階に上がった。最近、茶道にはまっている私にはぴったりの初心者向けの展覧会。  出店目録を見ると、最初の展示物に重要美術品のマークが! 胸が高鳴る。それは何かというと、京都・宇治でお茶の栽培を始めたと言われる明恵上人筆の掛け軸『夢之記切』。茶の湯の入り口に立つ者が最初に見るにふさわしい逸品。  その先にも貴重な茶道具がズラリと展示されている。その数々の素晴らしい逸品を前にする度、息をのんでいた。お客さんもまあまあ入っていたが、一つ一つじっくり拝見できて良かった。中でも茶室を離れて違う場所でお茶を頂く際に抹茶をたてるのに必要な道具一式を入れた「茶箱」「茶籠」(時代:江戸)には、思わず「ほふぁ〜」と変な感嘆の溜息が漏れた。  なんだかずっと息をのむか、溜息が出るかで過ごしていたのでちょっと一息入れようと、展示室の一角に建てられた茶室「省庵」でお薄を頂けるのでそこで休む。ほの暗い四畳半の茶室に入って畳に座り落ち着くと、不思議とスッと辺りが静まり返った気がして、建物の外から聞こえてくるミンミンミンと鳴く蝉の声が、逆に茶室内の涼やかさや、静けさを感じさせてくれた。  床の間の籠花入には、槿の花が入れられている。どこからか水の音が聞こえてくる。それは茶室の脇に露地が造られており、そこにあったつくばいから流れ落ちる水の音であった。また溜息が出る

「お茶」の魅力、深遠なる淵 ーー黒谷友香の『友香の素』vol.177

2017.07.29 Vol.695
 最近、お茶のお稽古に通うことが楽しみになっている。“茶聖”千利休の生まれた地、大阪・堺は私の生まれ故郷でもあるが、お茶を習い始めたのはここ1年ほどの話なので、今よ〜うやく「お茶」の世界、その魅力の深淵の縁に立ち、そろりそろりとのぞき込もうとしている段階である。  月に1〜2回のお稽古は毎回、勉強になることばかりで刺激に満ちている。朝からお昼前までのお稽古が終わると、自分が整えられたような気がする。普段は閉じられている感のある五感の扉が、お茶を頂くことにすべてを賭けた空間の中で数時間過ごすうちに、本来の感覚を取り戻すような気がしている。茶道は、自然に五感が研ぎ澄まされる仕組みになっているのだと思う。お稽古の時間だけ、扉が開くようではいけないので、最近では自宅でもお薄を点てている。  以前、仕事で出雲に行った際、抹茶を入れたお椀に、ポットから直にお湯を注いで茶筅で点てるという風習があるのを知り随分と驚いた。それまで、堅苦しい作法にばかり目を向けがちだったのが、とらわれないでお茶自体を楽しめば良かったのだと目から鱗が何枚も落ちた。初めて抹茶というモノを買い求め、茶筅や茶杓、お椀も揃えた。まずは形から戦法だ。  お稽古では、お茶を頂く前に和三盆や落雁のような干菓子や、薯蕷饅頭のような主菓子(生菓子)を頂くので、そこも食いしん坊な私はしっかりと倣うのである。有名和菓子処が軒を連ねるデパートの地下食品売り場、和菓子の美しさは見ていると思わずヨダレ、ではなく、ほう〜っと溜息が出てしまう。どのお菓子にしようかとぐるぐる見て周り一番綺麗だなと思った物を買って帰途に着く。夏は暑いので、点てたお薄に氷を浮かべてアイスお薄にし、美しい和菓子と供にゆっくりと頂く。多少、お茶の深淵からズレてはいるが、手始めはその辺りをウロウロとしてみようと思う。
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