西岡参院議長が菅首相に退陣要求

 菅直人首相に対し辛辣な発言を続ける西岡武夫参院議長は17日、東京電力福島第1原発事故に対する菅直人政権の対応を批判し、「もうここら辺が限度」と述べ、退陣すべきだとの考えを示した。与党出身の議長が、内閣総辞職を要求するのは極めて異例。西岡氏は野党側の内閣不信任案の提出時期について「(6月22日までの今国会の)会期末では遅すぎる。サミット前が常道だ」と述べ、26日からの主要国首脳会議(仏ドービル・サミット)前の提出を促した。

 自民党の谷垣禎一総裁は17日の党役員会で、首相が平成23年度第2次補正予算案を今国会に提出せずに会期を閉じる場合、不信任案を提出する考えを示した。谷垣氏が条件付きながら不信任案提出を表明したのは初めて。谷垣氏は「まだ復旧分野でやることがあり予算化が必要だ。政府が国民の不安を解消できないなら不信任案も考えないといけない」と述べた。

 谷垣氏が内閣不信任決議案の提出を明言したことを受け、与野党の多数派工作が活発化。民主、自民両党の中堅・若手は17日、超党派議員連盟をスタートさせ、6月22日に会期末を迎える通常国会の延長要求で足並みをそろえた。「国難対処のために行動する『民主・自民』中堅若手議員連合」(民自連)の設立総会には、衆院当選5回以下の民主党議員87人と自民党22人の計109人が集まった。

 首相は野党の追及をかわす思惑から会期延長に否定的だが、民自連はそれに「待った」をかけた格好。民主党側出席者の半数近くは松木謙公前農水政務官ら小沢氏に近い議員。松木氏ら小沢氏側近は党内で不信任案への同調を求める署名集めを進めており、民自連を足場とする思惑がある。

 しかし、「不信任案が可決された場合に誰を首相にするか」「自民党は小沢氏と組めるのか」といった問題に結論は出ていない。かといって自民党も小沢氏抜きで不信任案を可決させる決定打を見いだせていない状況だ。どちらにしても鍵を握るのは小沢氏ということなのか…。