ザックジャパンがアジア最終予選で2勝1分けの好発進

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(Photo/AFLO)

 サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会アジア最終予選が6月3日から始まった。B組の日本は初戦のオマーン戦(3日・埼玉スタジアム)で3-0で幸先のいいスタートを切ると、続くヨルダン戦(8日・埼玉スタジアム)では本田のハットトリックを含む6-0で快勝。12日にはブリスベーンでオーストラリアとアウェーで対戦し、1-1で引き分け。6月の3戦を2勝1分けの勝ち点3で終えた。  日本は9月11日、埼玉スタジアムでイラクと第4戦を戦う。  ヨルダン戦は本田がハットトリック。最終予選でのハットトリックは1997年のウズベキスタン戦の三浦知良以来。もちろん本田自身は初めての経験だ。この試合ではFW前田がコーナーキックをヘディングで決め、2試合連続得点。ハーフナー、宮市といった新戦力が代表に名を連ね始めたなか、存在感を見せつけた。また英プレミア・リーグのマンチェスター・ユナイテッドへの移籍が決まった香川も得点をあげるなど攻撃面での明るい話題が続いた。  その一方で、DFの吉田が右膝内側の靱帯を痛め前半で交代。それに伴い、次戦以降のDF陣の構成も考慮し、DF今野も終盤ベンチに下げることとなった。  本当だったらサブのメンバーで起用したい選手もいたところだったが、かなわなかったのは贅沢な誤算だろうか。  続くオーストラリア戦は前半は決定的なシュートを続けざまに許すなど押され気味。GK川島の好セーブ、内田や前田が体を張ってゴールを守る場面も見られ、一気に試合を決められかねない状態だった。  しかしハーフタイムで、ボールを失っていた低い位置でのパスや横パスに注意するよう示が出されると戦況は一変、後半は立ち上がりから相手ゴールに迫った。  後半20分にはショートコーナーから、本田がドリブル突破から高速パス。ノーマークの栗原がこれを決め均衡を破った。  しかしここからアウェーの不可解判定に泣かされることになる。  25分には内田がペナルティーエリア内で相手を倒したとしてPKを献上する。このPKに関してはオーストラリアのオジェック監督ですら試合後「あれはファウルではない」とコメントするほど。そして後半のロスタイム。ゴール前の絶好の位置でフリーキックを得た日本。キッカーはもちろん本田。最後の最後にやってきた最大の見せ場に固唾をのむスタンドだったが、本田がFKを蹴ろうとした瞬間に試合終了のホイッスル。スタンドからどよめきが巻き起こった。  この3試合で勝ち点7と上々のスタートを切った日本。もちろんB組首位で2位以下を大きく引き離した。  しかしこのオーストラリア戦で累積のイエローカードが2枚となった内田と今野、イエロー2枚で退場となった栗原は次戦は出場停止。DF陣3人がイラン戦へ出場できないという緊急事態。  内田に代わってはハノーバーへの移籍が決まった酒井の起用が予想されるが、オマーン戦ではまだ本領発揮とはいかなかった。加えて、移籍後の出場機会も含め万全の態勢でイラン戦に臨めるかは未知数だ。しかし酒井が内田を脅かすほどの成長を見せれば、代表戦への興味はよりいっそう高くなる。