体操男子個人総合決勝で内村が金メダル獲得

 ロンドン五輪第6日(1日)、男子体操の個人総合決勝が行われ、日本のエース・内村航平が金メダルを獲得した。内村は北京では銀メダルに終わっており、悲願の個人制覇となった。日本人の個人総合金メダルは1984年ロサンゼルス五輪の具志堅幸司以来28年ぶり。また第4日(30日)に行われた男子団体総合決勝では銀メダルに終わっており、そちらのうっぷんも晴らしたかっこうだ。

 その男子団体では内村は「後味の悪い団体戦になった」と肩を落としていた。予選を5位で通過した日本は、決勝を迎えてもいまいち調子が上がらない。同じ班で回るライバルの中国と、互いにノーミスで迎えた2種目目の跳馬で第一人者の山室がミス。やはり2種目目のあん馬でミスし、相手に精神的な余裕を与えてしまった昨年の世界選手権と同じ結果だった。

 ミスをいかに防ぐか。本番を意識し、試合と同じ形式で5人が各種目を回る実戦練習を採用。あえて重圧をかけようと内村が仲間の演技前に「これで失敗したら負ける」と声をかける工夫もした。それでも中国に今回も歯が立たなかった。

 競技終了後はいったんは4位とされ、メダルすらも手にできない状況だった。しかし、あん馬の内村の得点に対する抗議が認められ、採点見直しの結果、2位に繰り上がった。

 銀メダルは確保したものの、ドタバタもあったためか、2大会ぶりの金メダル奪還を目指していた選手たちの心は晴れなかった。内村も「4位でも2位でもあまり変わらない」と語っていたが、そこから気持ちを切り替え、個人総合では金メダルを獲得した。

三宅が重量挙げ女子初のメダル

 ロンドン五輪第2日(28日)に行われた重量挙げ競技で女子48キロ級の三宅宏実が同級でトータル197キロを挙げ、日本新記録をマーク。3度目の五輪で悲願の銀メダルを獲得した。重量挙げでのメダル獲得は、1984年のロサンゼルス五輪以来で女子では初めて。

 三宅は、スナッチで日本タイ記録の83キロを1回目で成功。さらに、85キロ、87キロと記録を伸ばした。スナッチ終了時点で91キロを挙げたトップの中国人選手に次ぐ2位につけた。

 ジャークでも110キロと日本タイ記録をマークし、トータル197キロを記録した。

 初出場の2004年アテネ五輪は腰痛の影響で9位、前回の北京五輪は減量ミスでパワー不足に陥り、6位にとどまった。

 また初出場の水落穂南は、スナッチで80キロ、ジャークで自己記録を更新する96キロに成功し、トータル176キロで6位に入賞した。