日本をカツギ上げる!怒髪天・増子直純が『ニッポン・ワッショイ』

バンド結成30周年のプレ・イヤー 日本をカツギ上げる!

ロックバンドの怒髪天が日本をカツギ上げる! 9日にニューシングル『日本ワッショイ計画』をリリース。ど真ん中の怒髪天サウンドとある意味“想定内”の音頭で30周年プレ・イヤーの幕開けを宣言する。暗いことばかりに目が行く今日このごろ、怒髪天があなたの視点をガラリと変えてくれそう。ボーカルの増子直純に聞いた。

 ロックバンドの怒髪天。自らをJAPANESE R&E(リズム&演歌)と称して、魂のこもったロックと歌声で幅広い層から支持を集めているバンドだ。これまでさまざまな楽曲でそのスピリットを届けてきたが、今年はド頭からすごい。シングルのタイトルは『日本列島ワッショイ計画』。怒髪天らしい男気あふれる曲『男、走る!』と、ど直球の音頭『ニッポン・ワッショイ』からなる。

『男、走る!』はさておき、音頭とは。いわゆるロックバンドにはおおよそ似つかわしくない。

「理由はいくつかあるんだけど、まずは来年、30周年を迎えるってことがあるよね。ちょうど1年後、日本武道館公演をやるのよ。ま、でかい誕生パーティーだよね。だから今年はその準備期間に入ったわけ。それで “日本列島ワッショイ計画”がスタートするんだけど、そのための曲が必要だってことになったわけよ。ここのところ暗いニュースばかりだし、先行き明るい雰囲気が日本には、世界を見回してもそうだけどさ、ないでしょ、なかなか。だったら気持ちだけでも音楽にできることって、持ち上げていくことなんじゃないかって。それだったら、自分からお祭り作っていくぐらいの勢いでいかなきゃならんなって思って。日本人のテンションが上がるものってお祭り。そしたら作る曲は音頭だなって」

「持ち上げていく」ことに行きついたのは、震災以降、怒髪天がLIVE福島への出演など音楽を通じて支援金を集めることはもちろん、全力で音楽を楽しむということに気づいたことが大きい。

「震災直後、音楽なんてクソなんの役にも立たんなと思ってたんだけど、でもそれでもやっぱりバンドを選択したのは、音楽の力を再確認したというか、教えてもらったことが多かったんだよね。LIV
E福島を6日間やったときに思ったのよ、悲しい思い出は音楽では消せないの、どんな世界最高峰のアーティストでもどんな楽曲でも。でも楽しい思い出を1つ増やすことはできるってさ。それで、最終的に悲しい思い出よりも楽しい思い出の数が勝ってればさ、死ぬときに“ああ、いい人生だったな”って思えるんじゃないかなってさ。自分を含めてね。それが今、音楽でできることなんじゃないかなって思うんだよ」

 話を音頭に戻そう。

「それで、最初バンドで演奏していたんだけど、作ってるうちに、こりゃ違う。せっかく音頭を作ってるんだから音頭が生きるアレンジにしたほうがいいんじゃないかってことになって、俺らは所属が(多くの演歌歌手の作品をリリースしている)テイチクレコードだから、三波春夫さんの音頭のアレンジを手掛けている大先生にお願いしてみたのよ、ロックバンドから頼まれたと思わないでやってくれってね。そしたらすごいのがきて。俺らは演奏せずに4人で歌うことにしたんだよ。イントロからのテンションの上がり方が違う。うぉーってね、そういうのが血の中にあるんだろうね」

「ナンだカンだと世知辛い世の中も/笑い飛ばして景気良く生きましょう/ニッポン・ワッショイ!」。怒髪天のメンバーはこの曲のミュージックビデオで満面の笑みを浮かべながら踊る。まさに、祭りだ。「子供も大人も、老若男女のテンションが上がるんだよね、楽しいものだから。これができるまでの背景にはほんとにいろいろあったけど、一つの答えが出たね。楽しいものを作るってさ。馬鹿笑いして楽しいものをじゃなくて、真剣に何かに向き合うということの楽しさ、真摯に生きていく楽しさとか、そういうものをね。『ニッポン・ワッショイ』はさ、とびきり楽しいものできたと思うよ。ばかばかしくなっちゃうね、いろんな事考えているのが。ええじゃないかっていうのも大事だと思うんだよね。ま、こんなふうに答えが出るとは思わなかったけどね(笑)」

 みんなで歌おう、みんなでワッショイ! 怒髪天がいれば日本はちょっと安心だ。(本紙・酒井紫野)

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『日本列島ワッショイ計画』
ダンロップTVCDタイアップ曲『男、走る!』、『ニッポン・ワッショイ』を収録。初回限定盤は特典DVD『怒髪天、走る!“苦労スろ〜ど”』を収録。テイチクレコードより発売中。初回限定盤1800円、通常盤1000円(ともに税込)。リリースの詳細およびバンドの最新情報は公式サイト(http://dohatsuten.jp/http://dohatsuten.jp/)