柔道日本女子代表 監督代行ら3人辞表先送り

 ロンドン五輪の柔道日本女子代表ら15選手が指導陣による暴力やパワーハラスメントを告発した問題で、辞任した園田隆二前監督に代わって指揮を執る田辺勝監督代行と貝山仁美と薪谷翠の女性コーチ2人が3日、辞意を固め辞任届を提出するとみられたが、4日には「(全日本柔道連盟から出た)戒告処分が早期撤回されたなら、3月末までの任期を務めたい」と話し、辞表の提出を条件付きで先送りする考えを明らかにした。

 15選手が指導陣の暴力などを告発した後、2人の女性コーチを含む3人は暴力への関与がなかったにもかかわらず「連帯責任」を問われ、辞任した園田隆二前監督らと同じ戒告処分を受けた。
 田辺氏は3人の処分撤回を全柔連に求めていたことを明らかにし、2月の欧州遠征中は「処分が出た身で監督代行をしていること自体が普通ではない。(職務を)続けていいか疑問を持っていた」と一度は辞意を固めた経緯を説明した。

 だが、脚取り禁止の新ルールが2月から試験導入され、新強化体制への引き継ぎをしないまま辞任すれば、多くの強化選手が混乱することを懸念したという。

 このため、3人への処分が撤回された場合に限り、「(新体制に)スムーズに引き継げるように、一番いい形でやりたい」と3月末まで任期をまっとうする考えを示した。

 一方、全柔連の上村春樹会長は4日、「指導者として優れており、3人は強化現場に必要だ」と話した。

 全柔連は処分の是非について、独自に設置した第三者委員会に検証を委ねており、上村会長は「連帯責任はあしき慣習だった。第三者委員会の判断を受けて対応を再検討したい」と述べるにとどめた。