武幸四郎(JRAジョッキー)インタビュー「一番うれしかった」

メイショウマンボでオークス制覇!!

 競馬の世界では3歳の牝馬たちによって争われる桜花賞、オークス、3歳の牡馬たちによって争われる皐月賞、ダービー、菊花賞はクラシックレースと呼ばれ、特別な存在となっている。3歳牝馬にとっての最高峰のオークスが19日、府中の東京競馬場で行われ、武幸四郎騎乗のメイショウマンボが見事に優勝した。その翌日、武幸四郎にインタビュー。(聞き手・一木広治)

 —7年ぶりのGI優勝でした。
「今回でGIは4勝目でした。僕は若いときにポンポンと3つ取ったんですけど、それから間が空いてしまって、今回の勝利は今までの4つの中でも一番うれしかったですね。よく“若いときに制覇するよりベテランになってからのほうが重みを感じて、喜びが大きい”と聞いていたんですが、本当にその通りでしたね」

 —勝てそうな予感は?
「レース展開など、全部うまくいったというのもあるんですけど、内心 “ちょっとチャンスはあるな”と思っていました」
 —レース後のインタビューでのファンへの感謝のコメントが印象的でした。
「騎手というのは、本当にいろんな人に助けてもらって成り立っているんです。まず馬ありきなんですけど、もちろんファンもそうですし、関係者の人たちには、いつも感謝しています」

 —表彰式では思わず涙を流していました。
「成績的にもしんどいときに一番助けてもらっていた馬主さんだったので、余計に思わず感極まってしまいましたね」

 —ジョッキーとして日ごろから心がけていることは?
「普通のジョッキーは10回乗って1回勝てればいいくらいなので、9回負けると割り切っています。あと、1日何回も乗るので、一つひとつのレースを引きずらないようにしていますね」

 —集中力が必要。
「勝った後のレースではいい感じでいけるんですけど、ちょっとうまくいかなかったときは、それを引きずらないようにしていますね。馬主さんごとに勝負服を着替えるんですが、僕の場合は着替えたら気持ちを切り替えるようにしています」

 —騎手を続けるために必要なことは?
「簡単にいえば、強い馬に乗らないとどうしようもないので、なんとか強い馬に乗れるように馬主さんともお話したりします。あとはめぐりあわせなので、自分の技術を磨いておいて良い馬が回ってきたときに結果を出すことができれば、また良い馬に乗せてもらえるようになると思います」

 —日本の騎手では最も背が高い。
「177センチあるんですけど、52キロくらいにしておかないといけないんです。普段との差は2キロくらい。土日終わって、月火くらいで体重が戻って、また金曜までに落とすという感じです。まあずっとこうなので、今は落ち着いてきましたけど。若いころはけっこう減量に苦しみましたね。サウナに行ったり走ったり。30歳を超えて、落ち着きました。胃が小さくなってるんでしょうね。大した量を食べなくても満腹になりますね。お酒は飲みますけど(笑)」

 —現在35歳。もうベテランと呼ばれる存在になってきたところで、これからの日本の競馬はどう映っていますか。
「競馬界という枠で見れば、入場人員も昔より減っているし、売り上げも落ちているので、ファンにもっといろいろアピールしていかないといけないのかな、ということは騎手会でも常々話しています。ファンサービスや、今まで馬券を買ったことのない人にも競馬場に来てもらえるように何かしたい、と頑張っています」

 —震災以降、スポーツやエンタメで日本を元気にしていこうという動きが各方面でありました。競馬界ではそういった活動は?
「騎手会で、競馬場で義捐金を集めたりしていました。あと福島競馬場が被災してガタガタになってしまって、今は使える状態なんですけどお客さんは減ってしまったので、そういうのも何とかならないかとは思っています。ジョッキーだけではできることは限られてしまうんですけど、ファンを増やしていくことはできると思うんですよ。主役は馬と騎手なんで、メディアなどでアピールをしていこうとは思っています」