二十歳の視点 vol.9
「学生旅行・海外版 イタリア紀行(後篇)」

食べ物

 フィレンツェを訪れた際、どうしても地元の食堂のようなところで食事がしたくて、ようやく見つけたのが『cafe』という店。嘘みたいだが本当の名前。そこで牛の胃袋をトマトソースで煮込んだトリッパの煮込みとポテト(ひき肉っぽいのも入っていた)を食べる。この地方で有名なトスカーナ料理に舌鼓。そこの常連と思われる女性客もこれまた親切で、たどたどしい英語で話す僕に優しく応じてくれた。他の食べ物のことでいうと、パプリカやナスが大きい。サイズでいうと、日本で売られているものの倍はある。焼きナスだけでもかなりのボリューム。


 交通

 印象的だったのは、イタリア全体に言えることなのだが、ゴミの回収車だ。ゴミ箱を回収車から伸びたアームで捕らえて回収するという。なんと全自動。イメージとしてはトランスフォーマーに近い。始め、この模様を写真に収めようとしたのだが、タイミングが悪くうまく撮れずにいたら、作業員の人が空のゴミ箱でもう1回やってくれた。そのおかげで、2回目でいい感じに撮れた。グラッチェ。また、地下鉄のなかではバイオリン弾きがいて、路上ならぬ車中ライブを決行していた。律儀にアンプにまで繋いでいて、ちょっとしたコンサートが楽しめた。それから、フィレンツェの交通標識がユニークだった。イタリアにはそこら中にスプレーのいたずら書きがあったのだが、そういう遊び心的なものを反映しているようにも感じられた。


 トラブル

 カプリ島から連絡船でナポリに戻り、宿泊先に向かおうとタクシーをつかまえたときだった。シートベルトをしようした途端、運転手が「ナポリ イズ ノープロブレム」と言うではないか。揚げ句、ちょっと割高なタクシー代まで請求される始末。ちょっと粘ってみたが、先方も引かない。何がノープロブレムだと嫌な気分で渋々要求をのんで、その数十分後。タクシー運転手がホテルのロビーまで来て「取りすぎた」と5ユーロ返金してきた。おい!
 極めつけは、スリ未遂に遭ったことだ。ローマ・コロッセオの周りをフラフラ歩いていたら、肩から掛けていたメッセンジャーバッグがちょっと後ろに引かれた感じがして、振り向いた。そうしたら、12〜14歳くらいの女の子がちょうど僕の後ろを歩いていたのだが、片手で広げた地図の下からもう一方の手を伸ばして、ミシミシとバッグのマジックテープを解いているではないか! 目があった瞬間、そいつはサッと雑踏に消えていった。プロだ。っておーい!


 学生

 フィレンツェからピサ中央駅に向かう鉄道の車中、途中の駅で学生たちが乗ってきた。そのなかのある学生が、僕の斜め向かいに座ってきたのだが、そこからチラ見合戦の火蓋が切られた。あっちが「チラッ」なら、こっちも負けじと「チラッ、チラッ」といった感じで30分くらいやっていた。暇の極致。片や、他の学生は携帯から音楽をガンガン流しはじめて、誰もとがめようともしない。日本なら考えられないなぁと心でつぶやきながら、また、チラッ。


 行きも帰りも飛行機はフランクフルト経由だったのだが、帰路のフランクフルトに向かう飛行機のなかでのこと。親とは別々の席だったので、隣に来るのは誰か楽しみにしていると、同年代くらいの女子学生がやってきた。早速、イタリア仕込みのレディファースト精神で重そうに持っていたノートパソコンを持ってさしあげた。そして、意を決して「Where are you from?」と聞いたところ、「I from Mexico」と女子学生。おぉ。それから「Nice to meet you」「Nice to meet you, too」と交わした。この彼女、すごいフローラルな香りを漂わせていたことを今でも覚えている。やってみるもんだ、言ってみるもんだ、人生。


 ペット

 イタリアでは、ペットを普通に鉄道や店に連れ込んでいいことになっているのか? またまたフィレンツェからピサ中央駅へ向かう鉄道でのこと。車両のドアを開けて中に入ると、そこでまず目に入ったのはフレンチ・ブルドッグ。思わず、え?と言ってしまった。切符を確認しに来た車掌も目の前の犬について気にする素振りを見せない。街でも、食品を扱うような店から普通に出てくる。もちろんカフェとかにも普通にいる。逆に言うと、ちゃんとしつけがされているということでもあるからいいのかと勝手に納得するしかない。まさにカルチャーショック!
 

 今回振り返ると、フィレンツェにあるアカデミア博物館で『ダビデ像』や宗教画を見たときは、こういうことについてよく知っていればもっと面白いのかなと思う反面、変な先入観がなかったのも逆によかったと思うことも多かった。そこの地元の食堂に行った際も、おすすめは?と聞いて、出てきた料理がとてもおいしかった。ピザやパスタしか考えていなかったら、それしか食べていなかったかもしれないと思うからだ。また機会があれば、どんどん海外に行きたい。次はどこに行こうかな?


(学生インターン・川合健悟)