SPECIAL INTERVIEW 春風亭昇太 立川生志 林家彦いち「怪談噺はオモシロイ ?!」



「怪談噺に出てくる女性で一番好きなのは?」
「自分でやるのでいうと『お菊の皿』のお菊さん。段々売れっ子になって高飛車になったお菊さんが最後に出てきた時にタバコを吸ってるんです。それがね、ちょっと好きなんですよ(笑)」
「そういうのって落語っぽいですよね」
「僕は古典中心だから、2人みたいに0から作るんじゃなくて、あるものを自分の中に入れ込んで、自分なりの解釈でアレンジするんです。だからお菊さんが売れっ子になると電通からCMのオファーがきたりね(笑)」
「そういうところに、プレイヤーの工夫やセンスが出て素敵だなと思います」
「昇太さんの『お菊の皿』もすごくおもしろいよね」
「この人はね、キュートです(笑)。兄さん、かわいいだよ!」
「先輩だぞ(笑)」
「日本の落語の世界のお化けっていうのは、どこかきれいでかわいくてはかないっていうのが、日本の夏に合っているんだと思うんですよ。つまり、エアコンも扇風機も最強にしないで、弱で涼しむ。あるいは風鈴でもオッケーだよっていうのが、日本の夏だと思うんだよね」
「打ち水とかで、十分涼を感じていましたよね」
「そんなに怖くなくても良かったんですよ。震えるほど怖い必要がなかった」
「背筋がゾッとするぐらいでね」
「それで良かったの。心底怖がらせるんじゃなくて、瞬間ひんやりぐらいで」
「講談とかはある意味ちょっと怖がらせるようにしてるけど…」
「そういう落語もあるんだけど、終わって客席の灯りがついたら寄席だし(笑)」
「だからね、落語に来て日本のお化けのかわいらしさを知ってもらいたいんですよ。怖いだけが目的じゃないから」
「情緒があったり、そこにいろいろな教えがあったりする」
「正しい日本の夏を、かわいい怪談噺で感じてほしい。それが落語の中にはすべて詰まっているんです」
「さすが、きっちりまとめますね(笑)」
「腕があるからね」
「ごめん。海鮮コロッケが気になって最後聞いてなかった(笑)」
(本紙・水野陽子)
林家彦いち1969年7月3日生まれ。鹿児島県出身。1989年林家木久扇に入門。2002年真打に昇進。春風亭昇太1959年12月9日生まれ。静岡県出身。1982年春風亭柳昇に入門。1992年に真打昇進。立川生志1963年12月16日生まれ。福岡県出身。1988年に立川談志に入門。2008年真打に昇進。撮影・蔦野裕 協力・末廣亭、鼎



今後の出演予定


春風亭昇太
笑点(日テレ)、あなたが主役50ボイス(NHK)、ラジオビバリー昼ズ(ニッポン放送)など出演。落語界きっての演劇好きで役者としてさまざまな劇団に参加。目下、自ら企画した芝居(来年3月予定)のためにギターの上達に励んでいる。
春風亭昇太独演会『滑稽魂』8月15日(木)〜17日(土)、19時開演 、新宿・紀伊國屋サザンシアター、3500円。前売りは完売、当日券情報はティルト(03 3462 5606)へ問い合わせ。【HP】http://shunputeishota.com


立川生志
立川生志ブタログ『立川流のブタ野郎 立川生志のブログ』【URL】http://blog.so-net.ne.jp/shosh
i_t/『落語小僧』出演、8月6日(火) 23〜23時55分 (再放送 8月13日)、BSフジ【URL】http://www.bsfuji.tv/top/pub/rakugokozo.html
立川生志独演会『生志のにぎわい日和』出演:立川生志、エネルギー(ゲスト)、9月2日(月)18時30分開場/19時開演、横浜にぎわい座、全席指定3000円【チケット購入方法】横浜にぎわい座 チケット専用:045-231-2515、チケットぴあ Pコード:429-857、ローソンチケット Lコード : 33946【URL】http://nigiwaiza.yafjp.org/perform/?p=1625


林家彦いち
『久米宏のラジオなんですけど』(TBSラジオにて毎週土曜13時〜放送中)レギュラー出演。『楽屋顔』(講談社プラスアルファ文庫)、『彦いちばなし〜林家彦いち落語集・創作編〜』(CD)好評発売中。
『川柳川柳 昭和音曲噺 夏のガーコン祭り〜祝!つくし真打昇進〜』8月15日(木)、19時開演、座・高円寺
『清瀬つながり亭 その3』8月18日(日)、14時開
演、清瀬けやきホール
『彦いち落語組み手17』お相手・柳家三三、9月14日(土)、19時開演、北沢タウンホール
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