ザックジャパンが最後の国立でNZ代表に4−2で勝利 

 サッカーの国際親善試合「キリン・チャレンジカップ2014」日本代表vsニュージーランド代表戦が5日、国立競技場で行われた。改築前の国立競技場での最後の代表戦とあって、なんとしても勝利が欲しかった日本は前半4分の岡崎慎司のゴールを皮切りに前半17分までに立て続けに4点を決め、4−2で勝利を収めた。
 ワールドカップイヤー初戦であり、代表発表前の最後の試合。結果はオーライだったが、いくつかの問題点も残った。
 17分までの4得点は圧巻だった。2得点の岡崎は1点目は香川、2点目は本田のスルーパスに反応し、その決定力を改めてアピールした。国際Aマッチで通算38得点とし、現日本サッカー協会専務理事の原博実氏を越え、歴代3位となった。
 所属するマンチェスター・ユナイテッドで出場機会に恵まれず、調子が懸念される香川真司もキレのある動きを見せる。前半7分、ドリブルでペナルティーエリア内に切り込み倒されPKを得ると、自ら蹴って、昨年9月のガーナ戦以来となる約半年ぶりのゴールを挙げた。
 かねてからいわれていた控え選手の底上げも一定の成果が見られた。
 この日は長谷部と内田が怪我で、柿谷と今野も体調不良で欠場した。コンディションに不安があった遠藤保仁も後半からの出場で、スタメンにはDF森重真人、MF青山敏弘、山口蛍、FW大迫勇也といった新鮮なメンバーが名を連ねた。
 青山と山口はボランチとしていいコンビネーションを見せた。主力の体調に大きな不安があるだけに、大きな収穫となった。森重は本田圭佑のコーナーキックを頭で合わせ、代表初ゴールを挙げた。
 一方で4点を取った後は少々気が緩んだのか、試合後にザッケローニ監督が「最初の25分間はいいプレーができた」というように、以降は少々物足りない動きだった。
 ニュージーランドのニール・エンブレン監督が「最初の10分がなければ。80分間は我々のほうが良いチームだった。自分たちのプレーをする前に試合が終わってしまった」と語った通り、フォーメーションを変更したニュージーランドにてこずり、2失点を喫した。
 もっともザッケローニ監督は「得点が多いチームは失点も多くなる」ということは織り込み済み。
 失点の場面については「守備陣の陣形が整っている状態でやられてしまう状況が起こっている」と分析したうえで、「攻撃的になってバランスを崩してしまっての失点が最も嫌な形」という見解を語った。
 W杯は6月12日に開幕。代表メンバーは5月上旬に発表される予定だ。