メーンでは宇野がルミナの弟子・土屋を返り討ち

 佐藤ルミナの引退式が行われた5日の「プロフェッショナル修斗 25周年記念大会」のメーンでは25周年メモリアルマッチとして土屋大喜vs宇野薫の一戦が行われた。土屋はルミナの弟子であり、宇野はルミナと2度戦ったライバルであり、ともに修斗ブームを牽引した同志でもある。宇野はルミナの引退が発表されるや「尊敬するルミナさんの最後に少しでも力になりたい」と参戦を直訴。土屋はルミナの引退が発表された3月16日の後楽園大会で左肩を脱臼し、TKO負けを喫したのだが、宇野の参戦を聞き対戦相手に名乗りを上げた。

 師弟2代による「13年越しのリベンジ」というセンチメンタルなテーマを持って試合に臨んだファンもいただろう。ゴングが鳴るや、リングはしばし静寂に包まれた。しかし土屋の右ローキックが放たれるや会場は堰を切ったような大歓声が飛び交う。1Rからテクニシャン同士のスピーディーな展開が続くが、キャリアで勝る宇野が徐々にペースを握り、3−0の判定で勝利を収めた。

 試合後、宇野は土屋のセコンドについていたルミナに歩み寄ると2人はがっちり握手。ルミナが勝利を称えると宇野は思わず涙を流した。そしてマイクを握り、「これが宇野薫の修斗です。僕の中では佐藤ルミナ選手が一番です」と、2000年のルミナとの再戦後に発した言葉でルミナを送り出した。

 この日のセミでは西浦“ウィッキー”聡生が土屋を破って勢いに乗る高橋遼伍と対戦。ウィッキーは約5年ぶりの修斗公式戦出場だったが、独特のリズムで繰り出す打撃で高橋を翻弄。判定ではあるが、完勝を収めた。

 昨年のバンタム級新人王の征矢貴は韓国のズ・ギョンズンと対戦。初めての国際戦だったが、1RKO勝利。これで4戦連続1RKO勝利となり、世界ランカーとの対戦をアピールした。