【インタビュー】高杉真宙 映画『見えない目撃者』で吉岡里帆の“相棒”を好演!

この秋、究極のノンストップ・スリラーが幕を開ける。日本中を震撼させる女子高生連続殺人事件。唯一の手がかりは「目の見えない目撃者」だった―。吉岡里帆が演じる目の見えない元女性警察官・なつめと共に事件に立ち向かう男子高校生を演じたのは、今引く手あまたの人気俳優・高杉真宙。感情を表に出さず、他人に対して無関心でクールな高校生・国崎春馬を演じた高杉が、本作にかける熱い思いを語った。
撮影・辰根東醐 ヘアメイク・堤 紗也香 スタイリスト・石橋修一 衣装・メゾン ミハラヤスヒロ、HEMT PR

「ここまで攻めたスリラー映画は初めて」


 車の接触事故の現場に居合わせた目の見えない元女性警察官と目撃者の高校生が、命を狙われながらも、犯人探しに奔走する本格スリラー。サスペンスの巨匠・森淳一を監督に迎え、韓国版に劣らない凄惨な映像表現や、スリリングなストーリーを展開。R-15指定を受けた戦慄の恐怖が、観客を猟奇殺人の世界へといざなう。

 台本を読んだときの率直な感想は?

「日本であまりこういう攻めた作品に出会ったことがなかったなと思いました。ドキドキ・ハラハラするスリラー、こういう作品を自分が演じられてうれしいなと素直に思いましたね。あと、なつめと春馬の犯人に立ち向かっていく姿がどんなふうに映像になっていくのか想像がつきませんでした。活字だけで、これだけドキドキできるということは、僕らの演技次第でもっと見る人に伝えられるのでは、怖さを助長できるのではと思ったので、緊張していましたね」

 高杉自身はスリラー好き?

「好きですね。推理小説が大好物です。映画もわりとサスペンスやスリラーが好きで、複雑な推理ものも好きです。ただ、表現者になったらまた別。今回も、監督と相談しながら細かいところを詰めていきました。警察署を訪ねるシーンでは“高校生が警察署に行くのは初めてだろうから、キョロキョロしてみて”とか、喫茶店のシーンでは“このタイミングでお茶を飲んでみて”とかいったように、自然なお芝居の流れを細かく指導していただきました。監督と、自分が思う春馬像を擦り合わせていくのが楽しかったです」

 周りに関心がなく、無気力で投げやり。いまどきのクールな高校生・春馬は、なつめの「人を救いたい」という熱意に感化され、次第に事件に立ち向かっていく。同世代の高杉は、春馬の心情の揺らぎをどう描いたのか。

「唐突に見えることがないようにしたいと思いました。突然、熱くなるとかじゃなくて、もともとこの子は優しいんですよ、というのを見せたかったです。(なつめとの)マフラーのシーンもそうですけど、少しずつ伏線を張って、そのフラグを回収して、というように進められるようにしていました」

 最初はまったく乗り気ではなかったのに、なつめの熱意に触れ、いつしか自らも行動していく春馬。なつめのどんなところに胸打たれたのだろうか。

「やっぱり最初は、目が見えないということが大きかったんじゃないかと思います。見えない女性が、これだけやっていて、助けを求めていて。あと、自分と同じような高校生が事件に巻き込まれて、そこで何もしないという判断をしなかったのが春馬の優しい部分だと思う。なつめの正義感に引かれて変化していったのかなと思います。春馬は“現代”を表す人物でもある。 “見て見ぬ振りをする、助けられるのに助けない”という、現代ではそういうことが珍しくないなかで、そういった気持ちを変化させていくのが、映画の中での春馬の大きな役割。そういう部分を見せられたらいいなと思って演じていました」
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