1・5東京ドーム大会で引退のライガー「ジャイアント馬場さんと戦ってみたかった」

全身コスチュームにもかかわらずライガーのウキウキが伝わる

佐野直喜への特別な思いを明かす


 ライガーは今でこそジュニアヘビー級で強さを象徴する存在になってはいるが、デビュー時はストロングスタイルを標榜する新日の中では異質な存在だった。そんなライガーが現在のスタイルを確立したのはライバルであった佐野直喜との一連の抗争がきっかけだった。

 ライガーも「ライガーとしてやっていけると思わせてくれたのは佐野さん。当時は初代タイガーマスクの佐山さんが辞められて、何かと比べられていた。佐山さんの真似をしてもダメ。何をしたらいいかと思っていた時に佐野さんが目の前に現れた。その時に“この人とは自分をすべてさらけ出して初めて対等に渡り合える。じゃあもう僕自身で行こう”と思った。そう考えて試合をしたらいい評価をいただけた。小林邦昭さんからは“あんな試合をしていたらいつか死ぬぞ”と言われるくらいまでに濃い内容の試合ができた。佐野さんのおかげ。佐野さんは3カ月先輩。佐野さんの背中をずっと見ていた。レスリングもうまい、ウェイトも僕より重いものを持ち上げる、足も速い、バネもある。僕は藤波辰爾さんにあこがれて入ったのに、佐野さんのほうが“藤波2世”と言われていた。でも僕のほうが先に海外遠征に行った。佐野さんが日本に残っている時に、ある選手に“俺はあいつには絶対に負けない”と言ったと聞いて、僕が佐野さんの視界に入っていることがうれしかったが、“俺だって負けないよ”と思っている時に試合が入ったので燃えました」などと振り返った。

 そして今回のDVDには「ライガーの方向性を決めるような試合ができたのは佐野直喜選手との一連の遺恨試合なので、“佐野さんとのタイトルマッチは全部入れてほしい”とお願いした。なぜならどの試合が一番良かったとかではなくて、全部の試合があったからこそ、今の僕があるから」などと佐野への特別な思いを語った。

 その佐野とは1月4日の試合ではタッグマッチで対戦、5日の試合ではタッグを組んで高橋ヒロム、リュウ・リー組と対戦する。