令和初の元旦に誓う「日本再起動」【長島昭久のリアリズム】

長島昭久
 令和2年の元旦は、新天地(東京第18選挙区=武蔵野市、府中市、小金井市)で迎えました。

 今年は庚子(かのえね)。「庚」は一つの波が引いて新たな波が起こることを意味し、「子」は十二支の始まり。すなわち、新しい時代の始まりを告げる年ということになります。私自身も、約20年お世話になった選挙区を離れ、政治家として生まれ変わるような覚悟で新たな選挙区において再スタートを切ることとなりました。

 さて、昨年末に外交、内政をめぐり実現した二つの出来事は、政府与党の政策実現力を改めて内外に示しました。同時に、政府与党の一員として、その政治決定の現場に立ち会えたことに深い感慨を覚えました。その一つは、中東への海上自衛隊艦艇の派遣決定、今一つは、寡婦控除の対象を「未婚のひとり親」へ拡大する税調決定です。

 前者は、自国の防衛という狭い国益に汲々としていた我が国の安全保障の「地平」を、国際秩序の維持(今回は、中東における海洋の安全保障)にまで広げるという意義深い政治決断だったと思います。後者は、配偶者と死別・離婚したひとり親に適用される「寡婦(寡夫)控除」の対象拡大に加え、所得税などを軽減することにより、貧困や虐待に苦しむ子ども達の成育を支援するという画期的な決断でした。

 これらの成果の土台の上に、私自身のライフワークである「(外交)安全保障」と「(子ども達の)未来保障」を軸として、「新しい日本」の創生に全力で取り組む所存です。

 前者をめぐっては、日米同盟を「日・米・英・豪との同盟」に発展させることにより、新たな国際秩序の中核を担う意志と行動を世界に示す新しい日本の外交・安全保障の指針を構想していきたいと考えます。経済や軍事のみならずあらゆる分野で台頭する中国との関係を安定化させるためには、自由で開かれた国際秩序を支える確固たる基盤が不可欠です。EU離脱を契機に英国を引き込み、東アジアにおいて英連邦と米国との紐帯を担う豪州と共に、インド太平洋地域の平和と安定と繁栄を積極的にリードする体制を構築していくのです。

 後者をめぐっては、一昨年視察したフィンランドをお手本に、日本版の「ネウボラ制度」を官民挙げて全国に整備していきたいと考えます。昨年ついに出生数が年間90万人を割りました。しかも、せっかく生まれてきた子供たちの7人に一人が貧困に喘ぎ、毎日のように虐待やいじめで命を落とすという厳しい子育て環境を劇的に改善せねばなりません。そのためには、家族以外の支え手のネットワークが必要不可欠です。妊娠から出産、せめて小学校に上がるまで、無限の可能性を秘めたその尊い命を、国を挙げて地域を挙げて大事に育てる社会をつくり上げるために全力を傾けてまいります。

 いずれにせよ、政治活動20年目の今年、政権与党の一員として、新たな時代にふさわしい「新たな日本」、すなわち「未来に誇れる日本」をつくるために粉骨砕身汗をかいてまいりますので、変わらぬご支援の程よろしくお願いいたします。

(衆議院議員 長島昭久)
【長島昭久プロフィール】
自由民主党 衆議院議員(6期)。1962年生まれ。慶應義塾大学で修士号(憲法学)、米ジョンズ・ホプキンス大学SAISで修士号(国際関係論)取得。2003年に衆院選初当選。これまで防衛大臣政務官、総理大臣補佐官、防衛副大臣を歴任。2019年6月に自由民主党に入党。日本スポーツ協会理事、日本スケート連盟副会長兼国際部長。