本場のロミジュリ動画配信にみる「劇場」という“空間”【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

 僕は先週(23日)、38歳になったんですが、これまでにない誕生日になったように思います。

 不要不急の用事以外は家にいることになっているのですが、まあ、不要不急というのがどのへんのことなのかがよく分からなくて、困っちゃうんですけどね。

 今回もWEBの配信による作品の鑑賞記なんですが、それはそれで“気づき”があったりしました。今の時間をどう使うかが、新型コロナウイルスが収束して演劇を始める時に大きな差が出るんだろうな、とか思いながら今日も過ごしています。

 では始めましょう。
黒田勇樹
 イギリスにシェイクスピアズグローブという劇場があるのをご存知でしょうか?

 当時のシェイクスピアが活動の中心としていた劇場を、場所も構造も出来るだけ再現して作られた劇場で、数多くのシェイクスピア作品が上演されているのですが、現在その劇場の公式YouTubeチャンネルで2009年に上演された「ロミオとジュリエット」が、全編公開されています。


 今週もおうちにいなきゃいけないので、今回はこれを観てみました。


 3時間近い上演時間なんですが、もうね、英語全然わかんないけど、めっちゃ面白かった。余計な広告もなく1幕と2幕の間にちょっと「よかったら劇場に寄付してね」って感じのテロップが出るだけで、これも非常に上品。

 俳優さんたちも、イキイキと演じていて“巧い”というより“尊い”


 ここの所、色々見た日本の演劇動画とは惹きつけられ方が格段に違いました。

 何が違うんだろう?シェイクスピアの脚本がいいのか?いや俺、英語わかんねーし!やっぱり本場だからか?本場ってなんだ!?と、観ていて気が付いたのが、
 

「客席がガッツリ映っている」ということ。


 動画見て頂ければ1発なんですが、円形の劇場であることも影響し、大体の場面で、それを観ている観客たちの表情が映り込んでいる。

 客席の設計も、現在日本で主流の様な1人1席ではなくて、前方には立ち見で舞台に手を置き嚙り付く様な観客、後方のベンチ風の席には、頭の上で手を組んだり、席に足を上げたり、兎に角、観劇のスタイルが自由!

 老若男女が入り混じった客席なのに、結構キワドめの下ネタなんかで、ドカンと笑いが起こる。

 シリアスなシーンでは全員が姿勢を正し、息を飲んで舞台を見守る。

 この体験を、映り込んでいる観客と共有できたことがとても大きかった。


「そうそう!俺は劇場に、これを楽しみに行っていたんだよ!!」と。


 劇場って、半分は舞台でも、半分は観客なんですよね。商業的な事情で金銭のやり取りはあるものの、最終的には「集会」

 演者と観客が大勢で一堂に会して「同じ体験をする」!これだよ!と。

 無観客の動画配信では、この体験だけは味わえんのです!

 コンプラ的に、日本の演劇の記録動画で、お客さんの顔を映すのはかなり難しいですが「ここまで映して、やっと少しだけ劇場という空間の本質が伝わるな」と思いました。


 この“本質”を守る為、早く「密」になれる日を祈るばかりです。
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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23

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