『エリー学園』学長・大宮エリー 「会えないからこそ、違う会い方ができる」



 画家としても活躍する大宮エリーさん。昨年は香港、パリ、ミラノで個展を開き、「海外の方が絵を買ってくれるようになり、自信もついてきた」と話す。が、コロナが襲来する。

「2020年は、『今まで何をしていたの?』って言われたときに、胸を張って『絵をやっていたんだ』って言えるようにやっとなっていた。出稼ぎに行っていたけど実家に帰れるぞ……という。なので、2011年の震災から構想していた、どんな時代になっても生き抜くことができる「クリエイティブ筋力を鍛える学校」を年明けにはじめたんです。それで結果的に、この学校がオンラインだったのと、こんな時代になってしまってニーズが増えたこともあり、絵と同じくらいのパワーで学校運営することになりました」

『エリー学園』と名づけられたオンライン学校。「イベントでいろいろな人と会っているほうが密だと思っていたんですけど、 実はオンラインの方が心の密が高いというか、その人のことを深く知れる瞬間が多いんですよ」と語る。

「本来会わないであろう、四国で林業をしているひとと、九州の主婦と北海道のデザイナーがオンライン学校上でイベントを立ち上げたり、看護師さんが夜勤明けに学校に癒しを求めて来てくれて、そこで医療現場の現状を教えてもらったり。リアルに会って、看護婦さんの現場の話を聞く機会があるかと考えたときに、なかなかできないんだろうなって思うんですね。看護婦さんはオンラインの学校だから夜勤明けに学校に通える。一緒に読書をする会もあるし、寂しい時ただおしゃべりする放課後的イベントもあったり。会えないからこそ、違う会い方ができる。「会えない時間が愛を育てるのさ」という歌がありましたけど、意外とそういった愛が育っているなと感じます」