異文化と“男の顔”が堪能できるイスラエル映画「声優夫婦の甘くない生活」【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 最近、また何かと世間が騒がしく、ちょっと前まで本番をやっていた身としては同業者の方々のご苦労が手に取るように分かるだけに、何とも言えない気分で家にこもって絵を描いています。

 今年は大晦日の終日運転が中止になったそうで、ちょっとコロナが収まった時に年末年始のイベントを計画していた方々は今どうなっているんだろうとも…。

 とにかく、生き残って来年また頑張りたいです。頑張りましょう。

 では今週も始めましょう。
黒田勇樹
 そもそも「面白い」って、大きく「ファニー(おかしい・たのしい・こっけい的なの)」と「インタレスティング(興味深い・知的欲求が満たされる)」の2種類に分けられるのですが、この映画は“その両方”が満たされる素晴らしい作品でした。

 移民の声優夫婦2人がイスラエルでの新生活に四苦八苦していくという、シニカルで、かなりビターなコメディなのですが、まず旦那さん役のウラジミール・フリードマンさんの

 顔がめっちゃ良い!

 ぶっちゃけコレだけでも2時間見てられます。アルパチーノ、ホフマン、トラボルタ、カツシン、高倉健と並べても見劣りしないであろうウラジミール!

 黒澤明監督が「下手な役者より雨に濡れる地蔵を映した方がマシ」みたいなことを仰ったそうですが、断然、雨に濡れた地蔵より、黙って座ってるこの人を見ていたい!むしろ雨に濡れた地蔵の隣にこの人を座らせて2時間観ていたい!

 彼が新生活や奥さんに振り回されるビターでファニーな…“哀愁”というんですかね?が、コミカルなシーンをより盛り上げ、ご飯、何杯でもイケる味わい深さでした。

 そしてもうひとつが“イスラエル”という異文化。

 景色も違えば、言葉の音も違う。常識や習慣も違う。移民が主役なので“当たり前のこと”として描かれず“文化圏の違い”も、非常にわかりやすい目線で描かれるので、見ていて飽きることがありません。

 そしてラストに描かれる…世界中の映画人が願っているであろう

「映画で文化の壁を越えて、世界が平和になればいい」というメッセージ!

 夫婦という最小単位のコミュニティ、そこから生活や職業、社会、国…と丁寧に“コミュニケーション”の単位を広げて意識させていき、最後に“文化”の象徴ともいえる“映画”に携わる者としてコレを放り込んでくる!

 画の色使いも非常にキレイで、最近でいうとシェイプオブウォーターに負けないぐらい美しかったので、なかなかお目にかかれない“イスラエル映画”、是非皆様に劇場で観て頂きたい大大大傑作でした!
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