山口乃々華 はじめの一歩 変化の時期を綴った『ののペディア』が書籍化!



自分のことを少しずつ好きになれたし、自分のことも信じられるようになってきた



 スタジオに現れた山口乃々華は笑顔だった。アクリル板とたっぷりとったソーシャルディスタンスに隔てられながらも、よく通る声で、自身のいまを自分の言葉で伝えてくれる。

「うれしい気持ちでいっぱいです。自分が書いてきたことが一冊の本になって出版されること、E-girlsから離れて、1人になってから自分が世に出す最初の作品がこの『ののペディア』になったことも」

 雑誌『GINGER』のウェブサイトで連載してきた『ののペディア』をまとめた。

「連載を始めるにあたっていくつかいただいたアイデアのひとつが『ののペディア』でした。ウィキペディアの発想で、それがいいかもって! 〈あ〉から順番に書き始めて、最初のほう、〈た〉ぐらいまでは、書くことがいっぱいあったのでそれをまとめるのが大変でした。以前から書いて残してあったこと、思ったことや感じたこと、10代半ばの頃のどうしようない想いなんですけど、それを今の自分がもう一回書いて文章にし、その時の想いを昇華させていく感覚でした」

 最初は、同じ〈あ〉の項で3つも4つも文章を書いた。アドバイスをもらいながら書き続け、薦められて、吉本ばななさんや山田詠美さん、田口ランディ―さんなど女性作家の作品も読んだ。自身がこれまで経験してきたこと、ぐるぐるする感情、自分自身、恋愛や結婚についても考えた。そのなかにはもちろん、E-girlsのことも。「E-girlsとして過ごしてこれたからこそ、いろいろと思うことがあった。E-girlsは私を育ててくれた」と、山口。