スピードスケート網走合宿「鍛錬千日、勝負一瞬」 【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。

撮影/文章:(2021年7月7日 )

「鍛錬千日之行、勝負一瞬之行」

これは甲子園で有名な池田高校の名将・蔦文也監督の言葉だ。

「勝負というものは一瞬で決まる。だからこそ勝負が決まる瞬間に力を発揮できるように、日々の努力や毎日の基礎練習を大切に継続していかなければならない」。スピードスケートの網走合宿を直に見た時に、まさにこの言葉が当てはまると思った。

室内ではワットバイクテスト。20秒間全力でバイクをこぐ無酸素系の計測だ。しっかりとウォーミングアップをした上で、一人ひとり入念に計測に臨む。スタートするや否や、会場の静寂な雰囲気が一変。選手は全身を大きく揺らしながら20秒間全力でペダルをこぎ、コーチは選手の全力以上を引き出そうと鼓舞する。20秒が終了すると選手は憔悴しきった様子で脱力し、結果を見て一喜一憂していた。こういった計測値の大切さは既に多くの選手達が実感しているだろう。

屋外でのロードワークでは宿舎から離れた山道を20分間登坂する。かなりの斜度だ。スタート地点と山の上の方では気温が何度か変わるくらいの高低差を休まず全力でペダルをこぎ続ける。短距離の選手からすると実際の競技時間の10倍以上の有酸素運動ということになるだろうか。これは心も体もたくましくなる。選手達の立派な太ももを見ると、このトレーニングが頭に浮かぶ。

今回撮影させてもらえたのは前述の2項目だが、もちろん氷山の一角に過ぎない。ある時は100km以上の距離を自転車で走破したという。試合での爆発的な力を生み出すために、肉体的に精神的に追い込んで、鍛え上げる。今はその大切な時期だ。千日の鍛錬が一瞬の勝負を決める、とはこのことだろう。

また、この練習を見た後では試合を撮る自分の心情も変わってくるだろう。選手のバックグラウンドを知ることは、写真に深みを与えてくれる。僕はそう信じている。今回の網走合宿を撮影する機会を与えて頂いたこと、また、撮影に際してご尽力して頂いたスタッフの皆様、貴重な経験を誠にありがとうございました。

 

■カメラマンプロフィル
撮影:長田洋平
1986年、東京出身。かに座。
早稲田大学教育学部卒業後、アフロ入社。
2012年ロンドンパラリンピック以降、国内外のスポーツ報道の現場を駆け回っている。
最近では平昌オリンピック、ロシアW杯を取材。
今年の目標は英語習得とボルダリング5級。
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アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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