羽生結弦『挑戦者』【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。

撮影/文章:西村尚己(2021年12月23日~26日 第90回全日本フィギュアスケート選手権大会)
羽生結弦が再び白いリンクに舞い降りた。
今シーズン、右足首を負傷しグランプリシリーズを欠場していた羽生結弦。
 
北京五輪の最終選考会を兼ねたフィギュアスケートの全日本選手権(12月23日~26日、さいたま市)で魂の演技を披露した。
競技本番と公式練習の4日間、私がファインダー越しに見た羽生結弦。
それは極度の孤独や恐怖と向き合いながら“4回転アクセル”という前人未到の領域に挑み続ける一人の“挑戦者”の姿であった。
 
今大会では目標達成に至らなかったものの、大観衆のいる公式戦で初めて挑戦したその姿に心打たれた。
 
“ありがとう、羽生選手”
“頑張れ、羽生選手”
 
私はシャッターを切りながら、心の中でそう叫んだ。
 
 
■カメラマンプロフィル
撮影:西村尚己
1969年、兵庫県生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。
人間味あふれるアスリートの姿に魅せられ、学生時代にスポーツ写真の世界と出会う。
大学卒業後は、国土交通省に勤務しながらアマチュアカメラマンとして活動するも、どうしてもプロの世界で挑
戦したいという想いが募り、2016年にアフロスポーツに転職。
現在は国内外のスポーツを精力的に撮影し、人間の情熱や鼓動、匂いなど五感で感じとれる作品づくりに励む。
2007年 APAアワード写真作品部門 奨励賞
2013年、2015年 写真新世紀 佳作 ほか
 
★インスタグラム★
アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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