再生医療に培養肉、がん検査。ライフサイエンスの発展に日本が必要なこととは〈BEYOND 2020 NEXT FORUM〉

株式会社HIROTSUバイオサイエンス 代表取締役の広津崇亮氏

海外進出成功の鍵は「コミュニティ」?

 つづいて「海外進出成功の鍵」をテーマに進行。今年1月、世界経済フォーラムの年次総会(通称:ダボス会議)に日本のユニコーン企業で唯一招待された「株式会社HIROTSUバイオサイエンス」の代表・広津氏が、会議に出席した社員の様子を共有し、海外で成功するためのヒントを語った。

 がんの匂いを嗅ぎ分ける「線虫」の嗅覚を使ったがん検査「N-NOSE (R)(エヌノーズ)」の開発・販売を行う同社。ダボス会議にはTech Pioneers and Unicorns枠で、世界の約80社のうちのひとつとして日本で唯一招かれた。そこでは、海外の文化に合わせることで得られたことがあったという。

 世界中から大勢の人が集まる会議や学会では、日本人研究者が海外のコミュニティに馴染めないことも多いと広津氏は指摘。現地に赴いた同社社員はそうした光景を打破しようと、積極的に海外のコミュニティに入っていったという。すると、「本来登壇する予定はなかったのに登壇することになり、おかげで、海外の方からたくさんミーティングの依頼をいただいたり、ネットワークを作ったりすることができました。日本の奥ゆかしさは海外ではなかなか通用しないもの。海外の文化に合わせることがとても重要」と広津氏。日本にいるときと違う姿勢や心構えが大切だと伝えた。