バイエルンミュンヘンvsマンチェスターシティ【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。

撮影/文章:長田洋平 2023年7月26日 Audi Football Summit バイエルンミュンヘンvsマンチェスターシティ
バイエルンミュンヘンvsマンチェスターシティが面白かった。
所詮、興行だろう。最初はそう思っていたが、“ベップ”グアルディオラ監督が入ってきたら
そんな冷めた感情はどこかに吹っ飛んだ。
 
前半は前半で面白かった。縦に速いバイエルンの攻撃陣は躍動していて、中盤の攻防は見ごたえ十分。
マンCはボールを運ぶスピードや普通のドリブルのスピードが見た事がないくらい速かった。
それでいてミスはなく、ゴールキーパーと最終ラインがバイエルンの鬼プレスを余裕でかいくぐるパス精度は笑っちゃうレベルだった。記事を書かせてもらっていて申し訳ないが、ここまではただのサッカーファンの所感だ。
 
ただ、試合は面白かったものの前半に満足いく写真は撮れなかった。それが後半に状況は一変した。
怪物・ハーランドの登場だ。スターの登場に僕の頭の中はハーランド中心になった。
試合は心なしかスローダウンした。ボールはほぼマンCが保持しており、僕はただただいつか来るその時を待っていた。
 
この写真は後半ハーランドが裏に抜けたところにピンポイントでボールが入ってきたシーン。
僕は自然とハーランドが動き出したところから撮っていて、ファインダーの中に当たり前のようにボールが入ってきた。ハーランドがダミーで違う選手にボールが出るということももちろんあり得るが
もしそうなっても致し方ないだろう。スターを撮る時はだいたいそんな感じだ。
他の何かを犠牲にしてまで撮りたい何かがあるから、ハーランドはスターなんだと感じてしまった。
 
試合後はベップとバイエルンのトゥヘル監督の談笑が印象的だった。
試合後に両監督がこんなに話している光景はなかなか珍しい。プレシーズンマッチゆえのシーンだったのだろう。試合の強度としては落ちて然るべき試合だったと思うが、選手から滲み出る風格を感じるには十二分の内容だった。最初から最後まで面白かったこんな試合を日本で撮れるなんて幸運だった。
 
■カメラマンプロフィール
撮影:長田洋平
1986年、東京出身。かに座。
早稲田大学教育学部卒業後、アフロ入社。
2012年ロンドンパラリンピック以降、国内外のスポーツ報道の現場を駆け回っている。
最近では平昌オリンピック、ロシアW杯を取材。
今年の目標は英語習得とボルダリング5級。
 
★インスタグラム★
アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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