“命とは”を、濃厚に浮き彫りにした感動ストーリー『We Live in Time この時を生きて』が、すっごい映画だった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.19「ハイパー刑事のアルティメット捜査線」が25日に無事終了いたしました。

 無事と言っていいのかどうか。舞台公演はいつもいろいろありますが、今回は特にいろいろありまして、本当に皆さんに感謝しかありません。次回もよろしくお願いいたします。

 では今週も始めましょう。

『We Live in Time この時を生きて』© 2024 STUDIOCANAL SAS – CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

 あんまり、映画の感想で「感動しました」って、いうの好きじゃないんですけど、この映画は、もう本当に「感動」しました。

 自由気ままな料理人の女性と、離婚後失意の中にある男性が出会い、恋に落ち、子どもが出来たり病気になったりと、“命”と“生”に、ついての様々な場面に出会っていくストーリー。

 先に説明しておくと、物語は時系列で表現されず、ザッピングするように、この2人の物語を時間軸を行ったり来たりしながら描いていきます。特に「20✕✕年◯月」みたいに、テロップで表すわけでもなく「お腹が大きくなった」とか「髪の毛を切った」とか「子どもが大きくなった」とかから、観客が「今、どの時間軸の話なのか」を、想像していくスタイル。

 結構、観るのに頭使うのですが、これが凄くいい。

「セックスばっかしてんな」と、思う若い頃の恋愛と「子どもを作るか作らないかで、すれ違う2人」だったり、命に関わる様々な出来事が多角的に描かれていくので「考えながら観ること」によって、余計に「自分だったらどうしただろう」に、踏み込みやすくなる、むしろ自然と、自分の「命に対する価値観」と向かい合わせさせられる。

 出会いの瞬間も、恋が始まる瞬間も、子どもが生まれるときも、病気が判明するときも、それを子どもに告げるときも、全て命に関わるドラマがあって、それぞれがまた地続きに“人生”を俯瞰で見せつけてくる。

「あのシーンが良かった」とか、言えない、全編を通しての“感動”が、ありました。
 多分、仏像彫るレベルで、編集に力を注がれたと思います。

 最後に、この「命の物語」、主人公を料理人に設定したところが味噌というか、とても効いていて「味覚」という、これもまた「命を感じる大切な要素」であり、物理的には、視覚と聴覚にしか訴えかけることの出来ない「映画というコンテンツ」に「味覚を刺激する」というギミックが、とても素敵でした。

 ちょっと覚悟が必要ですが、それ以上に得るものが大きな感動傑作だったので、是非、皆様劇場へ。

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