元修斗世界バンタム級王者・岡田遼が9・2後楽園で引退試合。団体、階級の垣根を超えて元DEEPフェザー級王者の弥益ドミネーター聡志と対戦【Lemino修斗】

旗揚げ大会に向けての責任と覚悟を口にした岡田

 希望した理由については「彼とは同い年。彼は本当に超有名国立大学の大学院まで出たすごい明晰なエリートで、インテリジェンスとファイティングスピリットが絶妙なずっと好きな選手。同世代ですし、最後に引退試合で彼と手合わせして、現役生活を終えられたら、こんなに幸せな格闘技人生はないなと思いました。また、今大会はNTTドコモさんの冠がついている大会。僕が最後に彼とやりたいというフィルターを除いたとしても、今大会のメインイベントを託すのだったら、弥益ドミネーター聡志以外に適任のファイターは今、日本にはいないなという気持ちもあったので、彼を指名させていただきました」と語った。

 そして「旗揚げ大会はすごく大切な大会だと責任を感じています。ちょっと不良なアンダーグラウンドな、喧嘩の延長線上のような格闘技ではなく、井上尚弥選手だったり、平良達郎だったり、しっかりと毎日自己研鑽を積んだアスリートが戦う場としてのLemino修斗であってほしいという願いを込めて、彼とだったらそういう美しいMMAを残せるかなと思いますし、未来につながる選手や子どもたちが僕らの試合を見て“Lemino修斗に出たい”と思ってくれるような試合をして、第1回大会を弥益さんと締めくくりたいと思っています」と続けた。

 対する弥益は「最初は冗談かなと思っていました。自分が戦えるであろう相手のレパートリーの中には階級も違いますし、出ている団体も違うので完全になかった。岡田選手はここ数年、引退をするということを明言されながら活動を続けられてきたと思っていますが、岡田さんという選手が引退を見据えられているという事実に自分はすごく悲しさと寂しさと、そして自身の居心地の悪さみたいなのを感じていました。というのも、さっき岡田さんがおっしゃった通り、自分も岡田さんも大学を出させていただいて、国立で大学院まで出させていただいて。で、こんな殴り合ったりするような競技をしているというのは“国に申し訳ないな”と常日頃思っているんですけれども、そんな状況が続いている中で、自分は普通に格闘技から逃げたというか、企業に就職した一方で、岡田さんは格闘技の道にすべてを賭して踏み出された選手という印象を感じていました。なので、嫉妬でもなんでもなく、ただの憧れに近い印象を抱いていました」などとこれまで岡田に対して持っていた感情を明かす。